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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第3部 第4章 花嫁修業
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仕切り直し

「カテリーナは既に半分の期間を過ごしておる。」


「余り先方を待たせるのはいかがなものかと。」


「王子についてはその後でも・・・」


全員の意見が出たところで、国王リベラートが総括した。


「そうだな。先にカテリーナの花嫁修業を済ませてしまわなくてはならぬな。」


「「「はい。」」」


「明日から仕切り直しをし、再開する。」


「「「御意に。」」」


緊急会議が終わって、使者に決まったことを伝え、国王が退出した後大臣達がぞろぞろと集まってきた。


「なんてことを・・・」


「フィリア始まって以来の大問題ですな。」


「うむ。」


「時期国王たる者、私情を挟まない方が良いのですが。まだ若すぎたのでしょうね。」


ぬっと現れたレオポルドにぎょっとした大臣達。


「「「おぉ。これは外務大臣殿。」」」


「皆様方。おそろいで。」


「このままでは・・・また分裂してしまうやも・・・」


「そうですね。彼にも、ふさわしい相手が必要でしょうね。」


「「「どの方を選出すればよいのやら・・・」」」


その後、しばらくはその話で持ちきりとなった。


この日は具体的な相手の名は出てこなかった。




国王側からの沙汰を待っている間、昼を摂りぼんやりと考えていた。


「私、いけないことをしたのかしら?」


「一介の侍女としては何とも言いようがございません。」


「どうしても許しておくことができなかったの?」


「結婚相手をけなす発言でしたし。」


「そういう、意味ではなかったのだけれど?」


彼が今になって仕掛けてきたのだろうとカテリーナは悲しく思った。


そんな主を気遣い、ルーチェが温かなお茶を差し出した。


「そろそろ、お茶にしませんか?」


「一緒に休憩しなさい。朝から立ちっぱなしでしょ?」


「・・・わかりました。」


自分の分の紅茶を入れていすに座る。


一口すすったところで、カテリーナは自身の守護神がいないことに気がついた。


「ルーチェ、ユリーナ様は・・・?」


「お姿が見えませんね。」


「もう、時期が来たのね。」


「そのようですね。」


国王側からの使者がやってきたのはカテリーナとルーチェがお茶を5杯ほど飲み終えたときのことであった。


「仕切り直して再開すべしとの見解に達したそうです。」


「仕切り直し・・・でございますか?」


「なんともまぁ・・・」


頭を掻きながら報告する使者。


「まぁ、お座りください。」


「いえ。これから仕事が・・・」


「お茶の1杯くらいよろしいではありませんか?」


さっと、新しいカップにルーチェがお茶を入れる。


「すみません・・・」


いすに座り、ほっと一息ついた使者はひとときの激務を離れ穏やかな顔になった。


「それで、その手順とは?」


「明日から再開するとのお言葉でした。」


「ずいぶん早い切り替えだわ。」


「時間もおしているとのことで。先方をこれ以上待たせるわけにはいかないと。」


「そうなの。」


「これ以上は私の口からは・・・」


「了承いたしました。」


「はい。」


カテリーナの一言でぱっと顔が明るくなる使者。


「叔父様にそのように伝えてね。」


お茶をすっかり飲み終えてから、はい。そのようにお伝え申し上げます。と一礼して帰って行った。




「明日からですか。」


「だいぶ、焦っておられるようね。」


「そのようでございますね。」


使い終わったカップを盆にのせていくルーチェ。


かちゃかちゃと音が鳴りながら手際よく片付けていく。


「どうやって、ここまでやってきたのかしら?」


「普通に堂々と入ってこられたそうですが。」


「誰かからの手引きがないと無理ではないかしら?」


「はい??」


主の言葉に一度作業する手を止める。


「お嬢様??」


「まだ、内部に・・・?」


「お嬢様??」


難しい顔をしていたカテリーナに声をかけた。


「これ以上、引っかき回すのはやぶさかではないわね。」


深呼吸をしてルーチェに言った。


「明日までは時間もあるのだし、いろいろ考えておきたいこともあるし・・・」


「では、私は。」


食器などを持ってルーチェが部屋を出た後、カテリーナは瞑想するように目をうっすら開けて今までのことを思い返している。


知の女神ユリーナが現れたときに質問攻めにしようと考えてのことだった。

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