謀略
「必ずや成し遂げるように。」
「「「はい」」」
数人の兵士達を集めて指示を出している青年が一人。
ここは、彼の自室だ。
指示を出した後、なにやら書き物をしている。
「あら。私兵を使うなんて。」
ふらりと立ち寄った女性。
たくさんの取り巻きに囲まれていた。
不意に話し始めた彼女の声を聞いて顔を上げた。
「母上!」
こつこつと音を立てながら近づいてきた。
「貴方にしては焦っているみたいね。」
いつもより穏やかな声色で語りかけてきた。
「・・・その都度つぶしてきたというのに。よくまぁわくものだな。必ずや・・・」
「・・・ねぇ。やめて。国王の命令には逆らえないわ。それでもするの?」
「する。すると決めた。」
母親は、ただ息子のすること注視するほかなかった。
危険なことになればいつでも止められるように策を練って。
ある日、彼は多くの子息達を集めた。
「今回集まってもらったのはほかでもない。あれを白紙にする。」
「あぁ。」
「他国の王子にかっさらわれたんだ。ただじゃかえさねぇ!」
血気盛んな若者達が、集まっていた。
「おー!!」
計画を話推敲する。
それを幾度となく繰り返し、完成度の高い計画を練り上げることに成功した。
程なくして、夜一人の女性が侍女達を伴って訪ねてきた。
一人で計画をシミュレートしていたときで余り会いたくなかったが、せっかくここまで来たのだからと会うことにした。
「ねぇ。最近人の出入りが激しいようだけれど?」
「母上の心配には及びません。」
「陛下からの頼まれごとをきっちりこなしてからでも遅くはないのではないかしら?」
「母上・・・」
『そうだ。これが終わらないと王位はつげんぞ。』
すらりとした青年の姿をした神が近くにいた。
「なんだよ。俺の計画にけちつけるのか?」
『あっちは、既に終了済みだ。』
「わかってる。」
心配そうな母親を追い返し、自分の守護神に出てくるなと言っていらいらしながら再度シミュレートする。
しかし、うまくいかない。
焦っているせいに違いないと青年は考えた。
「どいつもこいつも・・・」
深呼吸をして仕切り直した。
「止めてみせる。」
「ウィリア王子、フリードリヒ・・・」
メラメラと嫉妬の念に駆られ暴走し始めていた。
「どうすればいいの・・・?」
息子に追い返された母親は、夫に話すべきなのかどうなのか自室で思案しているうちに夜が明けてしまった。




