手紙
「どうやら、とある貴族の女性とご成婚遊ばしたそうで。」
ルーチェがあら。といいながら手紙の一部を読み上げている。
ヴィルフレートにいるルーチェの弟セザールからのものと王立学校に通っているナタリアからのものだ。
ちょうど、カテリーナのそばにいたとき執事から渡された。
カテリーナの部屋に戻って手紙を読み始め、気になるところを読んでいるのだった。
先出の言葉はマリユス皇子の結婚についての一文である。
「へぇ。そうなの。」
「苦肉の策だったそうですが。お相手の方はまんざらでもなかったそうで。」
「ルーチェが選ばれなくて良かったわね。」
「まぁ。駆け落ちした夫婦の娘なんて選ばれるわけがありませんけれど。」
「どうかしら?」
「終わったことですし。」
「ほかには何かあるの?」
えっと・・・と言いながら手紙を読んでいく。
「近々、お母様に会いに行きたいと・・・」
「ディーレのどこかわかるのかしら?」
「さぁ・・・そこは何も書いていませんわ。」
もう一通の手紙を読み始めた。
「それと・・・ナタリアからの手紙です。」
手紙を読み始めてすぐ、顔を上げてカテリーナにそうでしたわと言った。
「イレーニア様はいつお戻りになられますか?とナタリアが。」
がばっといすから立ち上がり、大変だわと言った。
「そうだったわ。体調を崩していたけれど・・・」
カテリーナはばたばたとイレーニアの元へかけていく。
ルーチェはエプロンのポケットに手紙をしまって主の後をゆっくりと追いかけていく。
「ごきげんよう。お姉様。どうかなさったの?」
「ごきげんよう。イレーニア。貴女学校はどうしたの?」
「そろそろ戻ろうと思っておりました。」
「そう。留年だけは避けなさいね。」
「えぇ。ゴードン博士から”今週中に登校しなければ留年だ”との手紙が来ております。
そろそろ、進級試験の時期が近づいて参りましたもの。」
「貴女、今年度花嫁修業などでかなりの期間休んだでしょ?大丈夫なの?」
「やれるだけやってみますわ。お姉様。」
「貴女の”やれるだけやってみる”は当てにならないのよね・・・」
「では、言い直しますわ。ご心配には及びませんわ。」
「留年は一度きりだから、するよりしない方が良いわ。卒業試験で落ちたら即退学はいただけないし。」
「はい。」
イレーニアは2日後、王立学校に向けて出発した。




