表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第3部 第1章 父からの試練
107/195

遅れた新年祭

「まぁ!!!」


カーラは生まれて初めて王宮にやってきた。


昨年はカテリーナが迷いの森へと失踪した関係上、参加しなかった。


普段は、ルドゥーレ家の本邸でマルティーノ以外の同年代の少年少女と顔を合わせるのは今日が初めてだ。


「いい?迷子にならないように、夫人のそばにいるのよ。


それと、周りからの言葉に反応しないように。良いわね。


真に受けたら傷つくのはカーラなのだから。単なる噂と切って捨てて良いから。りんと胸を張って。」


ほら、とカテリーナに背中を軽く押されたくさんの着飾った少女たちの話に入っていった。


カテリーナとピンパル夫人は見送った。




主催者であるリベラートを探すカテリーナ。


カーラの見守りを夫人に頼んで。


必ず、傷つくことを言われたり、聞いたりするはずだ。


そのときのサポートが必要だと言うことをカテリーナは自身の経験上知っている。


たくさんの招待客の中からリベラートを探すのは困難を極めた。


何せ、全員が彼とその家族と挨拶を交わす。


その都度移動する。


カテリーナは走らず、それでいて早足で探す。


王宮で一番広い部屋で行われている新年祭。


貴族はもちろん豪商と呼ばれる人たちも普段は王宮には入れないが新年祭の時だけは入ることが許される。


そんな膨大な数の人たちが一堂に会しているため、人たちの合間を縫って歩くのも至難の業だ。


探すのに気を取られていて後ろで呼び止められていることに気がつかない。


肩をぐっとつかまれてようやく、振り向いた。


「姉貴?」


「コンスタンティーノ?」


「ここにいたのか。」


「さがしていたの?」


コンスタンティーノの後ろにはジョヴァンニがいた。


どうやら、お互いが探していたため正反対の方向へ方向へと探し回っていたようだ。


「元気そうだな。」


「えぇ。」


「その・・・婚約したんだろ?」


「まだよ。」


「まだ?」


「一応内定しているだけだから。」


「そう・・・なのか。」


「でも、時期に。」


コンスタンティーノは少し、ほっとしたように肩を落とした。


「どうしたの?」


「い・・・いや。」


そっぽを向いてしまう。


そんな従弟にカテリーナはそっとほほえみかけた。


ほどなくして、リベラートとサンドラもカテリーナと会い、遅れた新年の挨拶をした。




それから、宴は華やかに盛大に進んでいく。


宴もたけなわになった頃、少年少女たちによるダンスが行われた。


カテリーナが危惧していたことが起こった。


カーラが隣にいた少女にわざと転ばされたのだ。


カーラが起き上がろうとしたところをドレスの裾を踏んで起き上がらせまいとしている。


そんなことになっていることを大人たちは気づいていない。


カテリーナは、おかしいと気がつきダンスが終わった後、隣の子を呼び出した。


おおかた予想がついていたが、カーラが庶民のでであるから意地悪をしたのであった。


そこでカテリーナは、貴族というものがなんのためにいるのか、そして、今し方したことは自身の家の品位を地におとしめたことを話して聞かせた。


しかるわけでもなく、淡々と自分のしたことがいけないことであると悟るまで続けた。




その上で、主催者であるリベラートに不正があったことだけを告げた。


それから、カーラの元へと向かった。


カーラの周りでは人々が騒然としていた。


薄化粧を施していたが化粧が見事にはげ、今まで見たことのないほど大泣きしていた。


かける言葉が見つからない。


そばにいた夫人が、立つよう命じた。


カーラはその命に答え立ち上がる。


涙をぬぐうカーラ。


「来年、来年こそは優勝できるよう努力なさい。」


ただ一言声をかけた。


「・・・はい。」


目を真っ赤に腫らしながらカーラは答えた。


それは厳しいようではあったが、優しくも暖かな声かけであった。


周囲にいた人々の涙を誘う出来事となり長く噂になった。


宴も終わり、カテリーナは、カーラたちとともに帰宅した。


フリードリヒやフランツ、エレーナ、ハロルドに会わなかったことをねる前にルーチェから指摘されて気がつくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ