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嫌われ王子と引きこもり令嬢  作者: 光森 璋江
第3部 第1章 父からの試練
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嫡子

「姉さん?!本当に姉さんなのか??」


リナルドに会いに行った後、カテリーナはルーチェをつれて、定期的に訪れているルドゥーレ家の別邸にやってきた。


そのときに庭にいた見知らぬ男性に抱きしめられてしまった。


「い・・・え、ち・・・違います!!!」


フリードリヒが最初抱きしめたときほどではなかったものの、かなりの力で抱きしめられていて苦しい。


「違わないだろう?姉さん!!」


「ひ・・・人違いにもほどがあります!!」


騒ぎを聞きつけたイルダとジュリアーノが様子を見にやってきた。


「おぉ。カテリーナ。よく来たのぉ。ハーブたちは元気そうじゃぞ。」


「お祖父様?」


「カテリーナ???お祖父様???」


「サンドロ。おまえの姪っ子じゃ。放してやってくれんかな?」


ジュリアーノに言われるがまま


「ジュリアーノ様。お祖父様とは一体?まさか、姉さんはレオポルトと所帯を持ったのですか?」


「違う違う。そこはあとで・・・の。」


ここではなんじゃからとジュリアーノの指示で、一同は別邸の居間へとやってきた。


そこにはもう一人見知らぬ男性が優雅にお茶を楽しんでいた。




ことの一部始終を話し、カテリーナは目を見張った。


「じゃ・・・夫人の旦那様も?」


「今は、息子カミッロと親子団らん中でな。」


「先に夫人の元へ行った方が・・・おばあさまもお会いになられた方がよろしいのでは?」


「アンナには既に会わせておるよ。まぁ。家族にもいろいろと事情があってな・・・」


「夫人?どなたです?父はもう・・・」


食い下がるサンドロ。


ここ20年のうちに起こったことを知りたがっているようだ。


「グレーデ公爵は既に亡くなっておられる。そのため、グレーデ家は廃絶しておっての。


お主が継げば再興ということになろうの。


夫人とはな、ピンパル男爵の奥方じゃよ。彼女は、カテリーナの乳母兼教育係なんじゃ。


それよりも男爵はそなたたちを探しにいって行方知れずになったんじゃぞ。どこで落ち合ったんじゃ?」


ピンパル男爵はカテリーナが生まれる少し前、捜索隊の一員として出たきりほかの隊員は帰ってきたのに彼だけが行方がわからなくなった。


その後、生まれたのが夫人最後の息子つまりカテリーナの乳母子であるネレーオは今現在、宮廷勤めをしている。


「それがさ・・・彼、かなり影が薄かったらしくて、おいて行かれた上にあの森で迷ったらしいんだ。


たまたま俺たちが熊を退治していて・・・それで、防寒対策にも良いだろうって・・・それを羽織っていたら熊に間違われて・・・」


「で、出られなくなったと?20年も?」


「「そう。」」


「だけどよぉ。ヴィルフレート側の多くの兵士に街道はそんなんじゃあ出てこれねぇだろうって。」


恥ずかしながら20年近くも出られなかったんだともう一人の男が言った。


「それで、うちの姪っ子がなんで?」


「私は、ルドゥーレ家の娘です。」


「それが、訳ありでの。」


「レオの奴・・・姉さんを・・・」


「違う。サンドロはまたそっちに結びつけようとしておるな。


アレッシオの妻になったんじゃい!レオポルドは伯爵の令嬢ヴェロニカと結婚したんじゃ。


儂が公爵を譲って今はルドゥーレ元公爵となっておる。」


「「あ・・・???」」


どういうことだよ。とルキーノもサンドロも互いの顔を見ている。


「私の両親は早くになくなったとかで・・・いろいろあってお父様の娘として生きてきたんです。


きっと、今になって手放したくないからグレーデ家を再興させようとしておられるのかも知れません。」


「今は、ウィリアの王子との婚姻をすることで少々もめておるそうじゃ。リナルドから聞いたぞ。」


「カテリーナはもう、ウィリアの王子の元へ嫁ぐ腹づもりなんじゃろう?」


「はい。」


「そのことを伝えたかの?」


「いえ。次会ったら答えを出さないといけないので話せていません。手紙を書こうかと思っている次第です。」


「そうかぁ。兄さんの目を覚まさせてやろうよ。僕たち死んだことになっているんじゃない?」


「あぁ。レオたちを驚かせてやる!!待ってろ。良い報告をもたらしてやろう。」


この日は、カテリーナもルーチェも別邸に泊まることにした。


もちろん、ヴェロニカには許可をもらって。レオポルドは書斎にこもっているとの話であった。




次の日。


ジュリアーノはリベラートに対して急遽会いたいと言う旨を前日夕方に伝えていた。


「叔父上。どうなさったのですか?いま、ちょっと立て込んでて・・・」


「会わせたい者がいるんじゃよ。」


「会わせたい者・・・ですか。」


そこにやってきた例の3人。


その場にいた人物たちは目を見開いていた。


「やぁ。うちに姪が世話になっているそうじゃないか。レオ。」


そこにいたのは20年近く行方知れずになっていた3人が老けた顔で勢揃いしていたからに他ならない。


「おまえたち・・・」


「サンドロ!!おまえ老けたなぁ。」


「レオこそ。」


肩を抱き合う、レオポルドとサンドロ。


「20年ぶりの凱旋といったところかな?兄さん。」


「ルキーノ!!!生きていたのか!!」


抱きつくレオポルド。


「うちの妻もお世話になっているようで。」


ピンパル男爵は柔和な笑みを浮かべている。


「叔父上。どこで彼らを。」


「たまたま通りかかった森で遭遇しての。」


「これで行方不明の者はいなくなりましたね。ほっとしましたよ。」


「父上。何用で?」


「サンドロ。ほれ。」


サンドロの背中をたたく。それを合図にせきを切ったように話し始めた。


「僕がグレーデ家を継ぐ。僕が嫡子だからな。本来こうあるべきたっだんだ。カテリーナの腹づもりを聞いたかい?」


「いいや。」


「ウィリアに嫁ぐって。」


「はぁ。そうか。」


頭を抱えるレオポルド。少しうれしそうではあったが。


そんな旧友を優しく見つめるサンドロ。


「いいだろう?」


「サンドロが戻ってきたからには、それの方が良いだろう。」


「決まりだな。」


「あぁ。またあえてうれしいよ。」


「そうだな。」


最後に握手をして今回の協議は終結した。

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