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食人鬼による殺人事件 06

 説明した、というよりは説明させられたが正しい。

 質問の語尾にいちいち名前を呼ばれては何だか逃げるに逃げれなかった。

 ちなみにおごりでパン屋さんのパンを買って、公園で食べました。

「なるほど、お姉さんがあの事件を仕事で追ってるんだ」

 やっと名前付けがなくなって、ほっとしながら缶紅茶に目を落とした。

「なので、あの3人が犯人では無い限りは大丈夫だと思ってます」

 念書をヒラヒラと手の先で泳がせる。

「うーん、あの3人が犯人ってことはないと思うよ。ちょっとプロファイリングもどきをしたかんじ、彼らには必要性が無いから」

「ただ、トラブル起きたのは事実ですから、今日檜をフォローしようと」

「あはは、まだご機嫌斜めか会田さんは」

 あんなケンカの売り方がありますか。

「小向先輩有段者なんですから、犯罪沙汰になったらあたりが強いですよ」

「うん、わかってる。でもあの二人は気を引き締めないかなと。大人だし」

 どうして大人だとそれが必要なのかわからなかったが、聞き流した。

「食人鬼による殺人事件、か」

 どんな人間が犯行に及んでいるのか気になった。

 その様子を見てなのか、隣に座る彼が面白い話を出す。

「生徒会顧問の先生はおそらく学校関係者だと推理していた」

「何でですか?」

 小向先輩は先生の推理を話してくれる。

「まず、学生が消えた時の状況を判断したらしい。メディアから流れてくる情報では、通常なら行方不明にならないような警戒心の強い少女達がいずれも行方不明になっている。これは彼女たちが警戒心を解くような相手が犯人の可能性が高い。考えられるのは身内や知り合いや警察とか」

「塾帰りと、帰宅時でしたっけ」

「そう。次に犯人の犯行時期と時間に注目。これがね、ここら一帯の学校行事の合間を縫うようにアクションが発生している。誘拐・加工・発送などがね」

 ……ってことは。

「気づいた?ここまでは警察も推理しているだろう。先生も推理したぐらいだし。ここに更にあの二人の会話をくっつけよう。あの二人は何をチェックして何を検討していたか」

 明らかに人の出入りと以前似たような事件が起きていなかったかを探していることを話していた。

 このあたりは話にも出てきたように、学校の数なんて都内より少ない。

 いたって公立学校ばかりだ。公立高校の先生たちなんて異動なんてたかが知れている。

 私立は高校で数校、小中は片手で数えられる。

「立ち入らないほうがいい。君に被害が及ぶ」

「……肝に銘じておきます」

「起こして、あと1件だろうしね。今回は料理を送ったからバレたけど、そうじゃなきゃ何もバレなかった。ただの行方不明で警察は片付けていた」

 背筋がいやな冷え方をする。

 もしかしたら東泉高校の教師かも知れないとか、手が届きそうなところだ。

「うちの先生じゃないと思うよ。今年の先生新任もいないし、異動してきた先生も市内異動組ばかりだ。何人も殺しているのならば、もっと行方不明が多発しているはずだし、そんな話は聞いたことが無い」

 先輩はなんで考えることわかるんだ。

 まぁ、檜たちじゃないことがなんとなくわかったからいいけど。

「そんなに不安にさせるなら話さなければよかったかな」

 彼がすっぽりと私を胸の中に入れてしまう。

「抱きつかないでください、先輩」

「いやだ、こんなことするの会田さんしかいないんだよ」

「一途なのは認めますが、昼日中どうどうとされるのはどうかと……」

 耳元でそっと囁かれる。

「絞めて……いい?」

 おい。

「丁重に断ると同時に、そういうことは恋人とベッドの上でやってください」

 本来ならキスという単語が入る場所におかしい単語が入っていたのは気にしない。

 いつもこんなかんじだし、中学からずっとそうだ。

 しょんぼり抱きつくのをやめた彼を可哀想だとは思わない。

「私じゃなくて、ちゃんと恋人作りましょうよ。以前はお付き合いされていたじゃないですか」

「だってさ、子犬を食らう女ばっかりなんだもん。俺は浮気相手とか真昼の情事用じゃなくてちゃんとした恋愛がしたいんだ。わかるだろう文」

「だったら、その性癖直して好きな女性にアタックしてください」

 曲げられたのか元から曲がっていたのかはわからないが、気づいてるだけましだ。

 もう何十回としたぞこの会話。

「……文以外のだろ?」

「もちろんです。直せないなら理解と説得手伝ってもいいですよ。私以外の相手の」

 小向先輩の肩ががっくりと落ちた。


 家まで送ってもらったのはいいが、家には姉はいない。

 まあ、仕事だろう。

 私はテスト勉強しなくては、と思いつつついTVをつけてしまう。

 ニュースでは新展開を見せた件の事件についてを流していた。

「バレなかったらよかったのに、一人でいそしんで。変なサービス精神だすから」

 口にして、これ普通の人の考え方じゃないよなと思い考え直す。

「なんて、こわいひとがいるんだろう。かんがえられないよ。じょうしきからはずれてる」

 棒読みになってしまい、自分で言っていて妙に気が抜けた。

 とっとと勉強しよう。明日は社会科目と国語がある。

 世間一般の考えと他人の考えていることを読み取るのは苦手だから。

 きちんと、テンプレート回答を作っておかないと点が取れない。

10話以上投稿しておいて何ですが、ジャンル学園で本当にあってるのか心配になります。


そして事件をつくるのが難しい。

普通だと起きるものだからですかね。

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