第2話 いつかの記憶
これは誰かの記憶、この物語の主人公、赤井未露の小さな時の記憶。
(男の子)「やーい!!魔女!!魔女!!あっちいけ!!」
(男の子)「そうだそうだ!」
複数人の男の子が未露に向かって石を投げていた。未露はただ頭を抱えて縮こまるだけでその場から動かない。いや、怖くて動けなかった。周りに他の人が居なかったわけではない、ただそれでも止める人はそこにいなかった。
(未露)「えぐ……ひぐ……、ちがうもん……、みろ……マジョじゃないもん……」
幼くして一人、未露をそんな状況にしたのは未露の両親だった。彼らはふとした事で人を殺めてしまった。そしてすぐに離れ離れ。
いつの時代も、身内に【そういう人】がいるだけで、自分たちまで犯罪者扱いされてしまう。それは変わらないのだろう。しかし、この時代は特に敏感だった。
(天音)「こらー!!やめろー!!」
縮こまっている未露を見つけた一人の少女がすっ飛んできた。名を美内天音、未露の家の近くに住む子だった。慌てて未露を立ち上がらせて自分の後ろに匿う天音。そんな勇気ある少女は、未露の一つ歳上の小学1年生の子どもだった。
(天音)「未露が何したんだ!?何もしてないのに石を投げるなんていけないことなんだぞ!!」
(未露)「天音ちゃん……ぐす……」
(男の子)「そいつのお父さんもお母さんもハンザイシャなんだぞ!そいつもハンザイシャだ!マジョなんだマジョ!」
(天音)「何がマジョだ!!次やったらぶっ飛ばすぞ!!いくよ!!未露!!」
(未露)「あ、天音ちゃん……」
天音は強引に未露の袖を引き、その場から離れようとする。未露は天音に引かれるままついて行った。
(男の子)「マジョを助けるとおまえもマジョになるんだぞー!!先生に言ってやろー!!」
(天音)「言ってみなよ!!バーカ!!!」
(男の子)「言ってやるもんねー!バーカ!!!」
(天音)「ふん!!いこ!未露!!」
(未露)「う、うん……」
袖を引かれて歩く未露。それでもどこか、後ろめたい足取りで、未露は俯きながら小さく口を開いた。
(未露)「天音ちゃん……、もし私がマジョだったら……」
(天音)「大丈夫!」
(未露)「え……?」
(天音)「未露はマジョじゃない!!えへ!!」
屈託のないとびきり自然で、凄まじいほどに眩しい笑顔。そんな笑顔をみて未露の中の鎖も綻んだ。
(未露)「うん……!!!えへ!!」
お疲れ様です。洋梨です。
いやぁ、前のやつ踏襲しているとはいえ、書き直すってのは難しいもんです。




