8・情報
翌日は朝から事情聴取で砦に呼ばれた。
そこで昨晩、プロモーターのリキが殺された事を聞かされた。
最後に話してたのは俺だったらしく、話しの内容などを根掘り葉掘り、同じ事を何度も聞かれたのには閉口した。
リキの死体の手に握られた紙切れは姉妹の対戦表だったらしく、俺の話しに兵士は手掛かりを見つけやる気を出していた。
あの時リキが姉妹の対戦表を処分したと言うのは嘘だったらしい。俺との話しで何かが分かったんだろう。
(いったいそれは何だ?)
2時間ほどで砦の取り調べから解放された。
家に帰るとヨヒラが朝飯を作り待っていた。
最近は寝たきりで無く普通に働いている。
やはり何かを埋め込まれ実験されていたのが、相当に身体の負担だったようだ。
ライ麦パンと野菜スープを飲み仕事にかかる。
ヨヒラは鍛治をやりたがったので、小さいアンビルと小ハンマーを渡し小物の道具作りを教える。
なかなか筋が良く直ぐに覚える。
(かなり賢いな)
1時間後には複雑な物も作り出すようになった。
(こいつ天才か?)
昼になったので休憩する。
玉子丼を食べて居ると、隣に人が出入りする気配がする。
のぞいてみると何やら家具を入れている。
誰かが引っ越してくるらしい。
「こんにちは!」
黒髪の女が居た。
昔なら25歳、寿命が3倍に伸びた今なら75歳ぐらいの女が俺に声をかけた。
「私、隣に引っ越してきたヒナギクです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、道具屋のワカです。こっちはヨヒラ」
「奴隷のヨヒラです、・・・ヒナ博士?」
「博士?」
俺はヒナとヨヒラの顔を見る。2人は見つめ合ってお互いを確認している。
「探したわよヨヒラ」
「ワカさんこの人なの、この人の所からさらわれたの」
「あぁ、研究室だっけ?」
「うん、そんな感じの所」
「すまんなヒナ博士だっけ?ヨヒラは俺の奴隷になってる。今日にでも解放するよ」
「いえ、それは不要です」
「何故?」
「ヨヒラがあなたの事を好きみたいだからです。一緒に居たいんでしょ?」
「・・・はい出来るならそうして欲しいです」
真っ赤な顔をしてヨヒラは答える。
午後になりユヒラと奴隷商の所に行く。
「はぁーい、先日はありがとうございますぅ。で本日は何でしょー?」
「奴隷の解放で」
「は?、先日したばかりですが?」
「ワカさん私このままで良いです!」
「そう言う訳にはいかない」
「ずっとワカさんと居たいです!」
強烈な逆プロポーズを貰った・・・
「・・・いや、それは構わないが」
「えっ良いんですか!?、じゃこのまま一緒に住みます!!」
「とにかく奴隷は解放する!魔女さんお願いします」
「はいはーい!ちゃちゃっとやっちゃうよー」
肩から奴隷紋が消えた。
「はい、終了!まいどー」
奴隷商の店を出てマルシェに寄る。
隣のヒナ博士の歓迎会を開く事になって居るので買い物だ。
「何になさいます?」
[ピザで」
ピザの材料をだっぷり買い込んで帰宅した。




