6・聞き込み
「はい、おかえりなさーい!」
「登録頼む」
「5万Gでーす」
「安くなった?」
「2回目以降はお値引き致しますぅー記憶はどうしますかー?」
「ヨヒラどうする?」
「お願いしたいです」
「はーい、30万Gでーす!」
「高い!」
「高難易度魔術はお高いんですぅー」
手持ちの金が無いので、商工ギルドのカードで購入する。口座からの引き落としだ。
「まずこっちからお願いしますぅー」
ヨヒラの肩の後ろの薄くなった奴隷紋の上に、新しい紋が浮き上がってきた。
「はぁーい、完了ですぅ!次はこっちにお願いしますぅー」
床に魔法陣が刺繍されたマットの上に座る。
受付魔女さんが長い杖を持った。
どうやら受付魔女さんは結構レベルが高い魔女らしい。
銀の光が包む。
「はぁーい!4時間ぐらいこのままなので、奴隷ご主人さんは外に出て良いですよ?時間が経ったら迎えに来て下さいね」
まさかそんなに時間が掛かるとは思わなかった。
とりあえず情報が欲しいなサーカス近くの酒場に行くか。
俺はサーカスの周りでちょっと、高めで情報通の親父がいる店に入った。
回転ドアを通りカウンターに座る。
「おっ、道具屋のワカさんか?ランチの時間帯に珍しいな」
ランチ時間も終わりなのか客は居ない。
「今日のランチは?」
「スモークチキンサンドだラージとスモールが選べる」
「じゃラージとビールと、持ち帰りでスモール1つくれ」
「あいよ!」
「良い人にお土産かい?」
「まぁ、隣の家の末っ子にな」
「隣?あぁ・・・ありゃ酷い話しだ」
「相手はローリーって奴らしいが1人なのか?」
「いや、2人らしいな、人形クラウンが1人いたらしい」
「ローリーって奴のクラウンか?」
「いや、もう1人の奴のらしい。ただクラウンの事を“ピアノ”って呼んでたんだっさ」
「はぁ?そいつ本当はAかSじゃないのか?」
「偽名かも知れないけどな」
「あぁ、それバレたら恥ずかしいやつだな」
「見栄っ張りかも知れないからな」
AかSクラスの団員には高性能の四大マイスター作のクラウンを持つ者が多い。
クラフタ国にいるリング・バック博士の作らクラウンは音楽関係の名前を付ける。
同じくクラフタ国にいるジョイント・スリーブ博士の場合は金属の名前を付ける。
スミス国にいるコレクタ・メイル博士は宝石の名前。
スミス国にいるガーデン・デイ博士は、父であり始まりのマイスターであるガーデン・フレーム博士の時より、花の名前を付けるようになっている。
因みにガーデン・フレーム博士が作った、始まりの女神の2体の女型クラウンの名は白髪・紫目のアナベル、白髪・黄色目のデイジーだ。
クラウンの人型の髪色は必ず白髪だ。
目立ちそうな感じだが、この世界も白髪が多いので目立たない。
(中には髪を染める者もいるが)
「そのローリーって奴知らないんだけど?」
「クラフタ国の団員らしいぞ?ホントかウソか知らないけどな」
「そもそも何で急にリアルバトルになったんだ?」
「奴らと姉妹がしばらく話してて決まったらしいな。その場を見てた奴から聞いたんだけど、姉妹は喜んで二つ返事でOKしたみたいだぞ?」
「・・・良く分からないな」
「”ゲホに入れるかも”とか?聞こえたってさ」
(ゲホ?その“ゲホ”が良く分からない。グループなのか?施設なのか?もしかしたから“ゲホに帰れる”の聞き間違いか?
姉妹はゲホって土地の出身とか・・・
「試合はあっと言う間だったらしい。姉の方は開始のゴンクで相手に突っ込んで行って、そのままグシャリと頭を割られ燃やされて、妹はすれ違いざまに胴から真っ二つになり転がって燃やさられたそうだ」
「殺した後に燃やす意味が分からないな」
「運営の手間を減らす為って言ってたらしいぞ?火葬して灰にしてくれるんだからな」
「灰だけ片付ければいい訳だ」
「そう言う事」
「その後ローリー達は?」
「国に帰ったらしいぞ?」
「怪しいな・・」
聞いた話しから推測すると、姉妹が裏でかなりヤバい事に手を出していたようだ。
(殺されて炭にされるぐらいのヤバさって相当だな)
食事を終えた俺はすぐ近くのサーカスのプロモーターを訪ねてみる事にした。




