19・不穏な村々
ネットワークに気になる噂がある。
セントローザ国のタキ村の人が全員居なくなり、翌日の朝には何事も無かったかの如く村人が働いていた。
と言う事だ。サーブル国のイージス村でも同じような事が起こったらしい。
そして村人達が皆大人しくなって居るらしい。
「何でしょうね?何か精神的に制御されてるんですかね?ミートパイで出来ない事は無いですが、ミートパイのバージョン4の技術ですから、少なくとも四大ハムスター達にはとても思いつかないと思います。あるなら別の人ですね」
「ん?!、エペの国でポイント村で昨日同じような事があったらしいぞ?」
「反時計回りで来てますね。、次はトウ国かしら?」
「エペ国に行って見るか?」
「はい、現地を確認してみましょう。何も無ければそれはそれで良いですから」
直ぐにポイント村に旅立った。
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普通は我々の居たスミス国からエペ国に行くにはトウ国を経て6日程度で行くが、中央の深き森を使うと3日でエペ国に入る事が出来る。
ちょうどそこにはカペラ博士の第一研究所があるので経由して行く。
「カペラ博士はどうやら別の素体を使っての実験もしていたようです」
カペラ博士の研究記憶があるヨツバが歩きながら話し始めた。
「俺以外のって事か?」
「はい、カペラ博士からの引き継ぎデータが膨大でしたので、昨日やっと全てインストール出来ました」
「俺との違いは?」
「データからですけど結果高いレベルの治癒能力、いえ再生能力と言った方が近いのですが・・・それがあります」
「おいおい、それは人なのか?」
「さぁデータからは人型っぽいですが。ちょっと信じられませんね、それが出来ないからデイジーは同じ情報体を複数持っていたので」
「もう根本が違うよな」
「はい」
「無限の再生か・・・バケモンだな」
「いえ、有限です。被験者は寿命が近いようで再生限界の様です。細胞の活性化にバラツキがあり、一部は固まっています」
「まぁ、生物なら限界は必ずあると思うぞ」
「その通りです」
「見えて来ました。あれがポイント村の入り口です」
「人が立ってるな?」
「何でしょうね?」
「待て!何者だ?」
男が槍を持って立ち塞がる。
「生体マイスターのカペラ博士の弟子だ」
「ん!?、証拠はあるのか?」
男に円盤を見せる。
「これは・・・ちょっとお借りしてもよろしいか?確認させてくれ」
「どうぞ」
男は円盤を両手で掲げ村に入って行った。
「ゴミを大事そうに持ってったわね」
「バージョン3も4も5もあるけどな」
「私達夫婦にとってはゴミですけどね。欲しい人がいるので取っといて良かったです」
(ん?今、しらっと“私達夫婦”って言ったか?)
ヨツバを見ると嬉しそうに微笑み返してくれた。
(もう、めんどくさいから良いか・・・)
男が偉そうな男を引き連れて戻って来た。
「こっ、これは失礼致しました。お二人共博士のお弟子さんと言う事ですか?」
「正確にはガーデン・フレーム・カペラ夫妻の弟子のスマイル夫妻よ。夫はザジ・私はヨツバ」
「全く聞いた事がありませんが?どう言う事でしょう?」
「四大マイスターにちゃちゃ入れられたく無いから、カペラ博士が言わなかったのよ」
もう少し確かめたい事があると言う事で、一旦村の中に入れてくれた。




