12・潜入
「ザジ、ちょっといいかしら?」
「はい、何ですか?」
「あたしのね、生体ユニットの研究の一部が盗まれてるのよ」
「どこの研究ですか」
内容をほぼ知っている俺は聞いた。
「ミートパイよ、サーカスにも出てるみたいね」
(ああ、最近足が異様に強い奴とか、一点豪華主義みたいな奴いたな・・アレか?)
「あぁ、身体能力向上システムですか。思い当たるフシがあります」
「下法とか言うグループらしいのよ、ちょっと街の道具屋になってくれるかしら?しばらく普通に生活しててもらっていいから」
「構いませんが?何故道具屋?」
「スミス国のサーカスがかなり怪しいのよ。私のミートパイシステム使ってる者が多そうなのよ、サーカス情報なら道具屋でいいでしょ?酒屋も良いんだけど経営は大変だし店の準備に時間とお金がかかるし・・・」
「分かりました」
「ちょっと記憶は改竄するわね筋力も重りで落とすわよ、じゃあよろしくね」
「デイジー、ザジに魔法かけるから店に運んでね」
「はい」
*****
こうして俺は記憶を改竄し、道具屋として潜り込んだ。ただ魔法が効きすぎて思った以上に俺の記憶が封印されてしまった事は大失敗だった。
元の世界では魔法が無かったので、魔法耐性が弱かったのかも知れない。
一方アナベルは999番と繋がった。ヨヒラと名付けた。どっちも紫陽花の事だ。デイジーもヨヒラと同期させたのでしばらくはスリーブ状態にしなくてはならず、ヨヒラの世話をする者が居なかったので村からミウラ・タウラ姉妹を使用人として雇った。
デイジーが死ぬなりして身体を捨て、ヨヒラの身体に入るまでは力が解放されないので現状は人間並みなのだ。
コレが間違えの元だった。姉妹はかなり知能が高かった。
カペラ博士の研究を聞きミートパイシステムとヨヒラを盗んで逃げたのだ。
データは下法と姉妹で2回目の流出だ。ヨヒラも連れて行かれてしまい、さすがのカペラ博士もかなり落ち込んでいた。
だが運が良い事にあの姉妹とヨヒラがザジの隣の家だったのだ。
デイジーが見張っていると、下法の手の者と思われる者たちが姉妹の動向を探っていた。
姉妹は何処からかミートパイを着けている団員のリストを手に入れ、その者を襲い奪い取っていたようだ。
ランクアップがかかったサーカスでリアルバトルを了承した条件とは、下法に入り大幹部になれる事だ。その為、今回のバトルでは幹部2人と殺し合い幹部の座を賭けての闘いになった。っと言う訳だ。




