10・ランナウェイ
「とにかくまずここから離れましょう」
「どこへ行く」
「トウ国に入って深き森に行きます」
「スミス・トウ・エペの三国境界の辺りか?第一研究所か?」
「そうです」
「わかった、しかしヨヒラの話だとクラフタ・スミス・ソーサラ国に面した深き森にも研究所があるっと言ってたが?」
「第三研究所ですね。今向かうのがあなたも知っている第一ね、今は国が集まる所の深き森に研究所があるわ」
「じゃあ四拠点あるって事か?」
「はい」
部屋に戻り身の回りの物をリュックに詰める。
「本当にあの姉妹から何も預かって無いの?」
「思いあたら無いな・・・ヨヒラ何か思い出せるか?」
「カップとお皿は?」
(ああ、思い出したあいつら専用のコップと皿を預かってるな)
キッチンに行き木皿を叩く。
ん?1つ鈍い音がする。それを割ると記憶の円盤が出て来た。通常のものより薄く、大きさも3センチ程度だ。
デイジー渡し保管してもらった。
クローゼットからマントを2つ出し、ヨヒラの上からすっぽり包み街を出る。
検問で止められたが、デイジーと俺がSクラスのレニウムプレートを確認し3人すんなり出してくれた。
******
「そうか、デイジーだからヒナギクか」
「そうです」
「さて、ところでアイツらは下法か?」
「そうです。えっと・・・ザジ様に別の記憶を貼ってた事はわかってますよね?」
「あぁ、思い出した」
「何でサーカスから手を引いたのかは覚えてます?」
「もちろんだ、全て思い出したよ」
(そう、あの件で辞めたんだ)
◾️◾️◾️◾️
今日のサーカスの団員も大した奴じゃ無かった。開始5分で地面に転がった。
(おいおい、せめて倍の10分は持ってくれよ・・・コレじゃ勝負にならないな)
控え室に戻り紅茶とスコーンを食べていた。2個目のスコーンに手を伸ばした時に俺の可愛いクラウンが入って来た。
「ザジ様!」
「どうしたデイジーそんなに急いで?一緒に食うか?」
「アナベルが!何かおかしいんです!」
「おかしいとは?」
「来てください!」
デイジーと彼女達の部屋に行く。
奥のソファにアナベルが座っている。
動かない・・・
息はしているが脈が弱い。
医者を呼んだが原因が分からない。
それから1時間もすると元に戻った。
だが、それは予兆だった。
やがて動きが悪くなり10日に1日は寝込むようになった。
サーカスも休ませているが、最近は不可解な身体能力を持つ者が出て来ている。足だけ異様な能力を持っていたりとか1点豪華主義?みたいな奴らが出て来ている。
アナベルが居なくてもまだデイジーが居るから、10分程度で勝負が着くが、居なかったらきついかも知れない。
「医者にもわからないとは困ったな」
すでに生みの親ガーデン・フレーム博士は20年前に鬼籍に入っている。
「カペラ博士なら!」
ガーデン・フレーム博士の妻でライバルの博士だが、現在行方不明だ。
だがとにかく彼女を探すしか無い。
翌日、サーカスを辞め3人で旅に出た。




