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悲劇のヒロイン

作者:

彼女は悲劇のヒロインのように言った。

「夏休みまであの3人と仲良かったのに最近はぶかれてる」って……

私と秋は今まで雑談程度はたまにするがそこまで(同じグループとかでは無い)なかよくなかったが、夏休みを終わってから話しかけられる事が増えた。理由は前まではいたグループの3人にはぶかれたからだ。

前まで4人で食べていたお昼も今は3人で何もなかったかのように食べている。

だから私は夏休みおわってから秋と食べるようになった。私はずっとこのクラスでグループなど特別仲がいい人がクラスにいなかったというか作らなかった。去年まではもちろんグループというか特別仲がいい2人がいて、お昼を食べたり移動教室に行ったりしていたが、それは2人と気が合ったのも、もちろんだが、クラスの雰囲気が良かったことが大きい。それぞれのそれ以外のグループでギスギスすることもなく、

あっちはあっちこっちはこっちと良い意味でどこか区別するかんじがあった。(もちろん全体でも仲が良かった)でも、今のクラスは最初から去年のクラスとは雰囲気が違った。4月の時期はみんな必死に自分達のグループを作ろうと必死というか、自分が一軍の位置を確保したいという強い執着心を感じた。私はその雰囲気に圧倒され、今年はグループを作らないようにしようとした。のちのち面倒なことに巻き込まれるのも嫌だったし。だからきっと秋は私に話しかけた。この時期から別のグループに入るのはほぼ不可能だし、入ったとして、そのグループの1人ぐらいには妬まれたりするだろう。別に私もグループは作らないで置こうと決めてはいたが、絶対に1人じゃなきゃ嫌という訳ではなかったし、秋を1人させるなんて逆に居心地が悪い。だから秋とお昼を食べたり、移動教室も一緒に行くようになった。

秋はよく、「なんであの3人に嫌われたのか分からない。なんでだか知ってる」

と聞かれていた。もちろん私にはそんなことわらなかったが、秋の話を聞いているかぎりはなにか問題があってはぶいたというよりはきっと女子特有のはぶきだろうと思った。

だから私は必死に相談ものったし、たくさん言葉を選んで、選んで、選び尽くして励ましの言葉をかけた。そこからどんどん2人で行動することがたくさん増えた。

しかし、修学旅行の自由行動の時、私はきっと秋と回るんだとそう勝手に思い込んでいた。

でも

「ごめん、別のクラスの子と回る!クラス居ずらいし、ごめんね」

クラスが居ずらい?なんで?自由行動じゃん。

それに普通、修学旅行は別のクラスと回っては行けない。あっ私、都合の良い時しか使われないんだ。あんなに頑張って寄り添ったのに……

そうどこか心の中がズキズキしたけど、でも私はしょうがないかと思い

「全然大丈夫だよ〜楽しんで〜」

と言い、秋はほかのクラスの子と私はクラスの去年同じクラスだった、あやかにお願いして、あやか、まき、なつきの3人グループに一緒に回ってもらうことになった。自由行動の時間になり、最初はイツメンといつわけではないなからこそ、と普通話せるものの、申し訳なさが勝っていたが、みんな何となく理由を察してくれたのもあり、問題も、変な空気になることもなく、5人で楽しくまわっていた。そのとき

「あれっ秋と一緒じゃないの?」

秋のことをはぶいた3人グループがわざわざ私のところまできて、話しかけてきた。

「うん、別のクラスの子とまわるって」

「へ〜、ねぇ、秋って自分勝手だと思わない?」

「えっそんなこと思わないけど」

「そっか、なんかあったら相談して」

「うん、ありがとう」

そう言って3人は別のところに向かっていった。

「ねぇ、あのさ、なんで秋と3人が仲悪いか知ってる」

とあやかがそういった。ほかの2人のも心配そうな顔をして、こっちを見ている。

「えっ秋からは知らないうちにはぶかれたとしか聞いてない。」

「そっか、あのね私あの3人から聞いたんだけど、夏休み中、4人で遊ぶ約束をたててたんだって。それも、秋がみんなで遊ぼうって誘って。でも、前日に秋がやっぱり行けないってドタキャンしたの。でも、それはまだしょうがないというかいきなり予定がはいることだってあるし、体調とかもあるし、それで急遽3人プラス仲のいい男子も誘って遊ぶことなったの。そしたらその日秋がインスタで別の友達と遊んでる投稿をしたの。それも、その投稿が見たのは男子であの3人は見れなかった。それにあの3人は腹をたてたわけ。もちろん、省くのは私達3人もよくないことだと思ってる。でも、3人はきづいて謝ってくれればいつでも許すつもりみたいだし、3人と一緒に遊んだ男子は事情を秋にきいたみたいだし、それでも秋は謝らずに、自分は悪くないと思ってる。もちろん、秋に関わるなとは全く思ってないけど、3人はちゃんと秋に話さなきゃいけないと思ってるからなにかあったら私達でもいいから相談して欲しい」

そうあやかは真剣な眼差しで私に伝えた。そっか……秋はただの悲劇のヒロインの振りしたかっただけなんだ。


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