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鴎の美への追求

エリーザベトの美への追求は異常に近い。

こだわりが強くどんなに身体に悪いと言われても直すつもりはなかった。

今日では正しいダイエットや美容法も行っていましたが、度重なるダイエットのせいで晩年は皴だらけだったという。



自分で言うのもおこがましいけれど豊かなこの髪の「私は髪の奴隷」と言っていたわ。


この髪にいっそう私は殉じたい

私の余生命力も

血液の最良エキスも

この編み髪のに譲ってしまいたい

ああ 我が存在こぞって

絹のウェーブに乗り移ればいい

髪だけがいよいよ豊かに波打ち

私の方はぐったちと永眠するまで


長くて綺麗で豊かな髪は美人の象徴。


その為にまずは腕の良い理髪師の確保。

身分は2の次3の次。

技術よ。技術よ。


私はある理髪師に目をつけたの。

ブルグ劇場の専属理髪師ファイファリック・アンゲラよ。

観劇に行ったブルグ劇場の女優の髪型がすごくきれいだったので、理髪師を調べさせたの。


それが彼女だった。

すぐに契約したいから交渉したわ。

年2千グルデンの契約よ。


義母は一番怒ったわ。

「恥知らずな」ってね。


伝説のヘヤークラウンは彼女なしでは成り立たなかった。


毎日の髪の手入れに3時間。


彼女に白い手袋をさせて前掛けにマジックテープを仕込んでブラッシングしていたそうよ。


私が抜け毛を嫌うから。


そして長い髪を編み込んで、肩から頂頭部に結い上げると王冠の様な髪型になるの。


私髪のこだわりが強すぎて彼女に手をあげることもあったの。


貴方達の時代にはパワハラっていうのよね。


でも彼女を大切にはしていたのよ。


ずっと私が死ぬまで専属だったし。


宮廷では結婚したら退職しないといけないの。


私彼女が結婚したいと言って来た時にはフランツに頼み込んで銀行員だった彼を私付きの秘書官にしたわ。そうしたら退職しなくていいのよ。


彼女が体調不良になると公務も中止したの。彼女私の束縛に嫌になると突然病気願いを出すの。


もう大変よ。


ギリシャ講師に愚痴を言ったわ。


「こんな日が続くとまいってしまうわ。

 あの子はそれを知ってわざとしているのよ。

 あぁ~私はこの髪の奴隷~~」


ってね。


毎日の儀式は死ぬまで続いたわ。

髪を整えてブラッシングをして、ファニーは櫛についた髪の毛を銀の深鉢に乗せる。

私と彼女の視線が合う。

私は無言の叱責を、そして彼女は後悔と自責の念をこめた表情の後。

ベールを外されて、私は首を傾けて。彼女は地面に消える様な仕草で言うの。

「皇后陛下の足下に平伏します」

小声でつぶやき一連の儀式は終了する。


「私は自分の髪を感じる」


ギリシャ講師はこういったわ。


「陛下は王冠の代わりに御髪を戴いているのです」


「違うのは王冠の方がずっと楽にあつかえられるの」


結い過ぎて頭痛がよくしていたわ。


そういう時はリボンで髪を所所結ばせて風を通したり、重さを軽減したりしていたの。


髪の儀式で重要なのは洗髪の儀式よ。

その日は絶対に公務は入れない。

卵黄30個とブランディーを混ぜたものをシャンプーにして刷毛で塗る。

1時間放置、お湯ですすいで胡桃の煮だし汁ですすぎされ、薔薇水で最後のすすぎ。

この後髪を乾かす為に女官が温風をあおぐ。

この間私は語学の勉強に費やすの。



後は体操も日課にしたわ。


王宮や他の宮殿にも簡単な体操室を造っていたわ。


簡単な物よ。


棒を並べてヒップアップや吊り輪につかまり懸垂。


そしてお風呂に入る。


ちゃんと湯舟よ。


水風呂。


晩年には入浴後に頭痛と耳鳴りもしたけど止めなかったわ。


お湯はいつもなんだかのエキスを入れた。


オリーブオイル入りやソルトバス、牛乳のお風呂を。


マッサージに顔には苺、ヨーグルト。肉、蜂蜜のパック、薔薇水のローション、蜜ろうの口紅、軟膏、伝統的なニキビ退治用クリーム。


そして寝る時は枕なしの睡眠。


御酢を浸した布をお腹周りにきつく結んだ。


後1日3度の体重測りもあたりまえよ。


グラムが大事よ。


王宮でいる時はこれがダイエットの基準になるの。


172CMの慎重でウエストは51CM、体重は45~50Kまでを一生保った。


顔は隠せても全身は隠せない。若い頃と変わらぬスタイルは強迫観念の様になっている。


ダイエットは今では駄目なのばっかりしていたみたいね。


卵白と塩だけの飲みもの、オレンジジュースだけ、肉汁だけ、野菜だけ、牛乳にはすごくこだわったわ。


朝はラスクとハーブティーを。


お昼は簡単に、夜は食べない時もあったわ。


お酒もいただいた。


でもね。全然食べない訳じゃないのよ。


旅先で気分のいい時はコースを頂いたわ。

定宿の今は「ゴルフカイゼリンエリーザベトホテル」では「皇后のメニュー」という本になっているくらい。


ちゃんと食べていたの。


身内自分の姉弟達との食事はいただいたわ。


気分次第なの。


でもね甘いものは好き。


Dメル、Gナーなんかの上客よ。


菫の砂糖漬け今でも販売されているわよね。


タルトも大好きよ。


チョコレートも。鉄分入りをよく頂いたわ。


貧血気味だったから。


アイスクリームも大好き。


朝食になぜかダイエットって甘いパンケーキをいただいてたの。


必要最小限の栄養もとらなかったから晩年は皴が多くなって傘と扇で隠したわ。



それと歯ね。


婚約時に義母に歯を磨きなさいと黄色い歯を責められて、歯科医にすごく通ったわ。


歯磨きもちゃんとしてた。でもきちんと噛まないといけないのよね。


私顎を使う食べ物をたっていたから結局入れ歯を使用するめに合うの。


運動は必須よ。


乗馬、フェンシング、吊り輪、ストレッチ、競歩よ!


私牛乳をよく飲んでいたので、運動する事で足を折ったりした事はなかったわね。


意外でしょ。


私は写真は30歳過ぎで、肖像画は直接のモデルでの画も42歳で全て拒否したわ。


だって美しいという私を伝説にするため。


でもね。


私を知らない人にも褒めてくれるのよそんなお年には見えないって。


美は私を私である事を認めてくれる。


だから美を失った瞬間私は隠者になるわ。


醜い姿を晒したくないの。


だから傘と扇で顔を隠していたわ。


でも髪は銀色混じりにはなっていたけれど、ちゃんとヘアークラウンに結い上げていたのよ。


私は伝説になった。



髪へのこだわり晩年白髪交じりに歯なっていたものの、豊かな髪は健在で棺に寝かされている遺体の髪も王冠スタイルで顔周りに包まれたとイルマの伝記にも記載されていました。


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