第九話 「デヴォン」の成長
第一天空島に着いた。結局飛行船でヒカリとは話すことはできなかった。
「うへー今回のも強そうっすね~」
「そうだね...倒せるかな...」
「大丈夫っすよ!今回は燐さんが最初っからいますし。」
「うん。できる限り力になるよ。」
本当に力になりたい。少しでもヒカリに生きていてもらうためにも。昔のことも調べた。できるだけ長く生きてもらうためにたくさん調べた。その結果一つだけ長く生きてもらうための方法を見つけた。それは「祈りの第十七怪物」を殺す。呪いの元凶を殺せば呪いも断ち切ることができる。だからそれまで僕が戦い続ける。そうするしかなかった。
飛行船を出ると、前回よりも大きく、資料にあった「祈りの第十七怪物」の姿に似ていた。「祈りの第十七怪物」も段々成長しているのだろう。
「燐!来たか。やばいことになっている。『祈りの第十七怪物』の複製体が分裂を始めている!」
「そんなこと過去にあったんですか!?」
「いや、なかった。おそらく前回のように段々強くなっているのだろう。」
「とりあえず討伐しに行きます。」
「待て。もう『祈りの第十七怪物』は第一天空島にいない。第八天空島に飛んで行った。」
「それではすぐに向かいます。」
「ああ。任せた。」
もう一度飛行船に乗り込む。そして第八天空島に飛び立った。
「うわ。本当にいた。」
第八天空島に着いた。第一天空島にいた「祈りの第十七怪物」と同じだった。
「よし。倒そう。」
資料で調べた限り、コアの場所も形も変わらないだろう。だからまた一撃で「祈りの第十七怪物」の体を切り裂く。
「な!?硬い...!」
刃は「デヴォン」の体に入ってすぐに止められてしまった。次にヒカリが飛び出してくる。
「おい、バカ!お前は戦うな!」
ヒカリの腕を強く引く。自分の体を「デヴォン」とヒカリの間にねじ込み、「デヴォン」を切りつける。
「やっぱり、知ってたんですね。燐さん。」
「ああ。ファラムから聞いた。だからお前は戦うな!」
「嫌です。私はこの天空諸島を守るためにあります。だから戦わないと...」
「おい、ヒカリ!」
ヒカリは聞かずに「デヴォン」に向かっていった。
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