第三十七話 銀の右腕
ファラムが大声で戦場に情報を飛ばす。
「敵襲だ!第一天空島に『デヴォン』が現れた!司令部からの情報だとファム王国が残ってたもう一つの『デヴォン』のコアを第一天空島に落としたらしい。すぐに第一天空島に行くぞ!」
「はい!」
また飛行船に乗り込んで第一天空島に向かう。
第一天空島に着いた。が報告とは違い、「デヴォン」は第一天空島にいなかった。
「ファラムさん!これはどういうことですか?」
「さっき司令部に聞いてきた。どうやらもうすでに『デヴォン』は討伐され、そのまま第五天空島を攻め、ファム王国は降伏し、ソウ・ファムは捕らえられた。結果的にもう戦いは終わり、ファム王国は滅び、『デヴォン』は討伐された。」
「誰がやったんですか!?そんな芸当!?」
「特にそれについての情報はないが、右腕が銀色に光る剣士だったそうだ。おそらく第二師団か第三師団の師団長や隊長だろう。」
「なるほど。」
第一天空島に現れた「デヴォン」はファム王国によって強化されたものだったらしい。そんな「デヴォン」を倒せるほどだから相当の実力者なのだろう。
「それじゃあヒカリたちは第六天空島に帰っていいぞ。俺はちょっと第一天空島で用事があるからな。」
「分かりました。それじゃあ第六天空島に帰らせていただきます。」
「おう。気をつけてな。」
「さようなら。」
第六天空島のみんなのところに帰る。
第一天空島に戻ってから少しして、ファラムが会議室に入ってきた。
「あ、こんにちは。ファラムさん。二週間ぶりですね。」
「やっぱり燐だったか。第一天空島の『デヴォン』を倒したのも。ファム王国を完全に滅ぼしたのも。」
「はい。そうです。この度はまた戦場に戻れることを報告しに来ました。」
「そうか。戻れるか。それならまた第一師団に戻ってきてほしい。お前の分の席は開けてある。第一師団副師団長の席がな。」
「戻って、いいんですか?二週間は休んでいたわけですし。」
「逆に腕飛んで二週間で戦場に復帰できるほうがおかしいわ。みんなは普通に退役する。それに今回の戦いの活躍もあるしな。ぜひとも役を上げたいところだ。」
「それなら...また第一師団に戻らせていただきます。どうか...よろしくお願いします。」
「ああ。おかえり。第一師団へ。歓迎するよ。」
「ありがとう...ございます。」
嬉しかった。「デヴォン」に腕を飛ばされ、慣れない義手で戦場に戻って活躍が認められたのが嬉しかった。まだ戦えることが嬉しかった。まだヒカリのことを守れるのが嬉しかった。そして自分でこの天空諸島の平穏を築けることはとても誇らしいことだった。僕は再び第一師団として天空諸島のために、天空諸島に住む人々のために、そしてヒカリを守り抜くために、戦っていく。
三十七話、読んでいただきありがとうございました!
ということで燐復活!銀色の腕は義手ですね!これから燐は第一師団副師団長としてどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。続きも読んでくれると嬉しいです!




