第三十四話 再起
ちょっとして医者が来た。ヒカリがちゃんと呼んでくれたのだろう。
「おお。燐くん。目覚めたかね。」
「はい。今のところ傷口が痛むくらいです。」
「ところで君はもう戦場に立つことができない体になってしまった。軍を退くのか?」
「いや、まだ戦いますよ。」
「ほう。どのようにして?」
「義手を...つけてほしいんです。そうしたらまた戦えるし、日常生活にも便利です。」
「確かにそのほうがいいだろうな。けど義手を付けたとしてもあの子が怒るんじゃないか?無理するなって。」
「そう言いそうですけど、それでも着けます。義手を付ける理由を日常生活で不便だからという体でごまかそうと思います。」
「ははは。燐おぬしは悪だのう。けどその悪は人を守るための悪だ。義手の剣はいいだろう。ただし着けてまた戦場に立つからには全力で人を守るんだぞ。他の周りの人だけでなくお前自身もな。」
「はい。分かりました。ありがとうございます。」
「義手はすぐに手配しておく。一週間後くらいに手術だ。」
「はい。」
「それじゃあ今は休んでおきなさい。」
「分かりました。」
「お大事に。」
そして医者は病室から出た。すぐにファラムが入ってきた。
「燐、目覚めたか。よかった。お前が死んだら軍の中ではかなりの損失だからな。けどもう戦えないんだろう?けどこれからはぜひチキュウとやらの技術を教えてくれ。それで何とか『デヴォン』に対抗して見せる。」
「はは、そう言ってくれてうれしいです。地球の技術を教えるのはいいですけど、ちょっと違うところがあります。僕はまだ戦えます。」
「は?何を言っているんだ。その体では無理だろう。」
「義手を使います。」
「なるほどな。俺はいいと思うが...そこまでして戦いたいのか?」
「はい。手出したからには戦い切りたいです。」
「そうか。じゃあ頑張れよ。帰ってきたら歓迎する。」
「ありがとうございます。」
二週間後、義手を付けるための手術が終わり、義手を付けてのリハビリが始まった。なれない義手で剣を振る。
三十四話、読んでいただきありがとうございました!
切る場所を悩んだ結果一話分が短くなってしまいました。すみません。次からはちゃんともうちょっと長くできると思うのでぜひ読んでください!




