第三十二話 燐の行動
第十天空島から第十二天空島は遠い。しかも間に「デヴォン」に占拠された第十一天空島がある。だから迂回していかなければ僕たちが危ない。飛行船のスピードを上げる。段々第十二天空島が見えてきた。第十二天空島はおそらく中枢部が攻撃され、建物が一気に倒壊したのだろう。第十二天空島が墜ちるのも時間の問題だ。
「ヒカリ、第十二天空島が見えてきたぞ。結構『デヴォン』の侵攻を受けているな。結構まずいかもしれない。早く上陸しよう。」
「うん。」
そこから少しして飛行船は第十二天空島に着き、僕たちは軍に合流して戦闘に参加した。
「燐。協力してくれてありがとう~おかげで助かったよ~」
某第五部隊の隊長が絡んでくる。
「話してないであなたも戦ってください!こっからどんどん押し返さなきゃいけないんですよ!?一度上陸されたらあの討伐の仕方も難しいですし。」
「どうにかなるって。燐が来るまでの前線からかなり押し返したよ?よゆーよゆー!」
「はいはい。そうですね。」
淡々と「デヴォン」を切り続ける。コアがちょっとだけ見えてきた。
「よし、いける!」
剣を振る。しかしその剣は空を切った。二カ月前のようにまた「デヴォン」が逃げ出した。
「おいまたかよ...ファラムさん!第十一天空島って墜としてもいいですか?」
「ああ。こっちの計画だと一年以内にはしようという話にはなっているからな。まさか墜とすのか?」
「はい。やってみようと思います。」
「危険だ。やめておけ。お前の命を保証できない。」
「それでもやります。これでも第四部隊の隊長なんでね。」
ファラムが悩む。
「分かった。いいぞ。ただし行くときには帰りの飛行船を用意させるからな。」
「それじゃあ今すぐ行くんで第十一天空島に飛行船出しておいてください。」
「おい、待て!燐!」
ファラムの言うことは聞かずに逃げている「デヴォン」の体に剣を突きさす。けど剣は抜かない。このまま「デヴォン」に第十一天空島に連れて行ってもらう。
「あの馬鹿、『デヴォン』に連れて行ってもらうつもりで...第十一天空島にすぐに飛行船を出せ!一隊長の命が懸かっている!」
「はっ。」
その頃燐。
「くっそ。揺れんなよ。この野郎。」
「デヴォン」が振り落とそうとしてくるが、何とか持ちこたえる。
「っと。第十一天空島だな。」
「デヴォン」が下降を始め、地面に着いた瞬間、「デヴォン」のコアを真っ二つに斬った。「デヴォン」の複製体が消滅する。
カーン。
剣が飛ぶ。
「はっや!」
「デヴォン」の本体の攻撃を受け、剣が飛ばされ地上に落ちてしまった。
「くっそ、まずいな。」
「デヴォン」の攻撃を躱しながら第十一天空島の中枢部に向かう。
「ここが第十一天空島の中枢部...!」
多くの機械が並んでいる。これで第十一天空島を支えているのだろう。けど...
「今回は墜とすのが目的だからな。全部壊させてもらう。」
そして僕は片っ端から機械を壊していった。
三十二話、読んでいただきありがとうございました!
燐、大ピンチでございます。単独で第十一天空島に突撃する愚かさというか勇敢さというかそういうものを見せてくれました。さあ燐はこれからどうなってしまうのか、ぜひ次話も読んでください!




