第三十話 三度
今回の「デヴォン」の暴走により、第十一天空島は占拠され、ファム王国は滅びた。二代ケイ・ファムは戦死したそうだ。そしてこれが起きた結果、「デヴォン」の襲撃周期が約倍の二週間に一度くらいになった。もうすでにあの騒動から二カ月が経っている。もう「デヴォン」の襲撃は七度来た。一回目から第十、第五、第十、第十二、第四、第十二、第四天空島と第十一天空島の周りの島が次々と襲撃にあった。特に第十二天空島は守り切ることはできたが、だんだんと人口も減り、さらに寂れた島となってしまった。そして今、もう前回の襲撃から二週間が経とうとしている。
「さて、どうしたものか。」
僕は今、第六天空島兵人街の家にいる。どうやったらあの「デヴォン」の襲撃を免れることができるか。願わくば「デヴォン」本体を倒してしまいたい。
「はっ、そういえば今日はヒカリとの約束の日だ!」
この前ヒカリと兵人通りを回るって約束をしていた。ヒカリが玄関の前で待っている。
「ヒカリ!ごめん。考え事してたら遅れちゃった。」
「ううん。いいよ全然。私もちょっと早く来すぎちゃったし。それじゃあ行こっか!」
「うん!」
こうやって兵人通りを歩くのは初めてだ通る分には戦いに行くときに何回か通っている。今日はヒカリがとてもご機嫌である。
「それで今日はどこに行くの?」
「兵人通りをまっすぐ進んでいくと小高い丘があるんだよ!そこの上でご飯食べたりとかしたいなーって。」
「いいね!楽しそう。」
「そして~...じゃじゃーん!サンドイッチを作ってきました!」
「お~美味しそう!」
「へへ~それじゃあ丘まで行って食べようか!」
「よし、行こう!」
丘に向かって歩いていく。丘まではそこそこ距離があった。
「ふー着いた~!」
「すごいきれいな景色だね!」
「だよね~私この場所好きなんだ~」
「それじゃあサンドイッチ食べますか!」
「そうだね!」
「『いただきます。』」
パクッ。サンドイッチを食べる。
「うまぁ~すごい美味しいね!これ。」
「そうでしょ~私料理は得意なんだ!」
「すごいな~ヒカリは。」
サンドイッチをパクパクと食べる。
「美味しかった~ごちそうさまでした!」
「喜んでくれてよかった!それじゃあ家に帰りますか。」
「そうだね!」
さっき来た道を引き返す。すると、
ドーン。ドーン。ドーン。
三回のあの轟音。
「三回!?まさか今回は三体も攻めてくるのか!?」
「燐くん、急ごう!」
「うん。」
家に向かって全力で走り出す。
三十話、読んでいただきありがとうございました!
ということで三回もあの轟音が聞こえました。とてもまずいですね。こう考えるとマジでファム王国がただの戦犯になってしまっている(笑)ということでここから燐たち天空諸島軍が動き出します。頑張ってほしいですね。次話もお楽しみに!




