第三話 星を滅ぼす怪獣
「それでは本題に入ろう。『祈りの第十七怪物』についてだ。」
一瞬で会議室の空気が張り詰めた。全員の緊張が伝わってくる。なんせ天空諸島の存亡が懸かっているのだから。
「まず燐には『祈りの第十七怪物』について説明しよう。『デヴォン』は月に一度自分自身の体を複製してこの天空諸島を攻めてくる。だから兵人種達を使い、毎回その複製体を殺している。」
「本体のほうは殺せないんですか?」
「本体は複製体よりも何倍も強い。これまでも何度も兵人種を送り込んでいたが全て失敗した。だから今の兵力では『デヴォン』を殺すことはできない。『デヴォン』は十七の怪物の中で一番弱いのにな。十七の怪物は一が最も強く、十七が一番弱い。地球とやらに現れた『荒野の第五怪物』には太刀打ちもできないだろう。さっきの轟音を聞いたか?あの轟音は『デヴォン』の複製が終わったときになる音だ。だからあの轟音が鳴った時『デヴォン』の侵攻が開始する。」
「地球が滅びたときにも同じ轟音を聞いて...」
「おそらく怪獣が現れたときに鳴るのだろう。そして怪物はそれぞれに能力があるんだ。『デヴォン』は分裂、そして再生の能力を持っている。『ウィルダネス』だと全ての生命体の命を簡単に奪う力を持っているのだろう。だから貴様以外の地球の生命体が絶滅した。」
テッドが説明してくれた。ファラムも続けた。
「『デヴォン』を殺すためには怪物のコアを破壊するしかない。そこで兵人種を使い、殺しているのだがそれを制御することができず、毎度大きな被害が出ている。だから燐に兵人種を管理してほしい。」
答えは決めていた。少しでも自分に似たような種族の人を救えるのなら、支えられるのなら、この仕事を受けてもいいと思った。
「分かりました。やります!」
「引き受けてくれてありがとう。では燐には少佐として勤めてもらう。」
「え?なぜ少佐に?」
「”兵器”を管理するには少佐以上の階級が必要なのだ。」
「そうなんですか。」
ということで僕は少佐になった。
「それでは早速出動だ。燐は兵人種に会ってこい。」
そうして兵人種のいる天空島に行くのだった。
三話目!やっと兵人種登場させれそう!