第二十五話 準備
第六天空島に着いてすぐにハクとサイに捕まって結局僕とヒカリで二人と遊ぶことになった。
「二人とも、今日は何をするの?」
「おにごっこ~!」
この二人は鬼ごっこが大好きだ。そしてめちゃくちゃ早い。もう子供の身体能力とは思えないほどに早い。そういえばヒカリが走っているところは見たことがないけどやっぱり早いのだろうか。
「じゃあ、ヒカリちゃんおにね~!」
「え!私?」
「そうだよ~わ~逃げろ~」
「りんにいもにげてにげて!」
二人と一緒に走って逃げる。けどヒカリが動き出した直後、
「へ?」
すぐに二人が捕まってしまった。
「ハクとサイ、つっかまーえた!」
いやいや早すぎでしょ。みんな身体能力化け物なん?けど僕は足の速さで戦うんじゃない。頭を使って―
「まじかよ!」
目の前に急にヒカリが現れて捕まってしまった。
「早すぎだろ...」
「へっへ~私の勝ち~!」
「まけちゃった~」
「ヒカリちゃんつよ~い!」
「もういっかいやろ!もういっかいやろ!」
「ごめんね二人とも。僕たちはこれから用事があるんだ。だからまた今度ね?」
「うん!分かった!」
「ありがとう、二人とも。」
家の中に入る。
「おーい、クラミア、サーシャ、いるかー?」
「ほいほいどうしましたか燐さん?」
「おお、クラミアか。サーシャはどこにいる?」
「ああ。分かりました。呼んできます。」
「頼んだ。」
クラミアがサーシャを呼びに戻っていった。しばらくしてクラミアがサーシャを連れて帰ってきた。
「そんで、燐さん、どうしたんですか?」
「二人に話したいことがある。まずはこれから第十二天空島に向かうことになった。クラミアとサーシャもだ。」
「へっ?何でですか?」
「えーっと何から話せばいいかな...」
「簡潔に言うと十年前のように『デヴォン』からコアだけが消滅していた。おそらくファム王国が取ったのだろう。そんでファム王国はそれで兵器を作ろうとしているかもしれない。兵器ができたら僕たち天空諸島軍に戦争を仕掛けてくると思う。だから司令部の人たちは第十一天空島の周りの島に警備をつけることにした。それで僕たちは第十二天空島に行くことになった。」
「なるほど。分かりました。それならすぐにでも行ったほうがいいですね。」
「ああ。ファラムもできるだけ急いで来いとのことだった。」
「それじゃあすぐに準備をしましょう。なんせ第十二天空島でしょう?何があるか分からないですしね。」
第十二天空島の治安は日々悪化している。そんなところに僕たち天空諸島軍が行ったらどうなるのか。少し想像ができる。
「そうだな。準備はしっかりしておいてくれ。」
「よーしじゃあ一回解散!準備ができたらまたここに集合ね!」
「おっけー!じゃあね~」
「じゃあまた後で。」
「ばいばい~」
ファム王国との戦いの日が近づいているのかもしれない。
二十五話、読んでいただきありがとうございました!
これから燐たち四人は第十二天空島へ向かいます!そこではどんな困難や試練があるのか次話もお楽しみに!
一日四話目!




