第二十二話 異変
ヒカリと前線に向かう途中。
「ヒカリ、少し待ってくれ。話したいことがある。」
「燐くん、どうしたの?」
「いや、なんか嫌な予感がしてな。やっぱりファム王国が裏で何か動いている気がする。さっきの奴も何か隠しているような感じがしたし、なんならあいつらは『デヴォン』が第五天空島に侵攻し始めたという情報が回るのが早すぎる。何かこうなることを予想していたようなそんな感じがな。」
「それって十年前のことも関係してると思う?」
「まあそうだな。今回も何かしら仕込んでいるとは思う。」
「とりあえず『デヴォン』は倒しますか!ファム王国のことはそのあとで!」
「了解。」
「デヴォン」の前に立つ。いつも通りまずはとにかく「デヴォン」にダメージを与える。速く斬れば斬るほど「デヴォン」の再生スピードが弱くなる。そして弱ってきたところでコアのあたりを集中的に攻撃する。コアが見えたら一発で貫く。それが天空諸島軍の戦い方だ。ヒカリと二人でどんどんどんどん斬っていく。すると予想外のことが起きた。
「は?『デヴォン』が...逃げた?」
「燐くん、追おう!」
「ああ。そうだな。」
「燐くん、『デヴォン』が逃げたことなんてこれまでにあった?」
「いや、聞いたこともないし、資料でも見たことがない。一応ファラムに聞いてみる。」
「うん。」
ファラムに電話を掛ける。ファラムはすぐに電話に出た。
「おう。燐。どうだ?『デヴォン』討伐は順調か?」
「いや、おかしいんです。『デヴォン』が戦いの途中で逃げ出しました。僕たちは今それを追っている状況です。過去にこんなことあったんですか?」
「いや、ないな。となるとやはりファム王国が何かしたのだろうか。」
「僕もそう考えています。」
「とりあえず第五天空島の安全が第一だ。燐たちは『デヴォン』を追って倒してくれ。ファム王国のほうはこっちで調べておく。」
「了解です。」
「ああ。頼んだ。」
ファラムはそう言って電話を切った。全力で走る。「デヴォン」を追う。時々「デヴォン」の攻撃が飛んでくるのを受け流す。
「よし!追いついた!」
思いっきりコアのある所に剣を振る。ヒカリもそれに合わせて剣を振る。「デヴォン」の体が二つに裂ける。「デヴォン」を無事に倒した、そう思っていたが目の前には信じがたい光景があった。
第二十二話、読んでいただきありがとうございました!
いつもの「デヴォン」とは違う異変、読んでくれている方々には分ったでしょうか。次話で明かされるのでぜひ楽しみにしていてください!




