第二話 天空会議
ファラムについていってしばらくすると広い部屋についた。
「ようファラム、遅かったな。」
「すまんなテッド。こいつを連れてこようと思ってな。」
テッドと呼ばれた人型の虎が話す様子からしておそらく軍のなかでかなり立場が高いのだろう。周りを見渡すと、二人のほかにあと三人が席についている。おそらくほかの三人も軍の中で立場が高いだろう。
「もしや貴様も兵人種なのか?」
「兵人種?」
燐の問いにファラムが答えた。
「兵人種というのはお前に似たような見た目をしている種族だ。詳しくはこれから話すが、この国で”兵器”として扱っている。兵人種は地上が滅びるまでこの星を治めていた。しかし怪物が現れ兵人種の多くがなくなってしまったため兵人種の武器を使うことができなくなってしまった。さらにお前と違い、怪物によって短命にされてしまったのだ。そして兵人種は武器を使い果たして消滅する。」
「そんな」
思わず呆けた声が出てしまった。この星では兵人種の命と引き換えに守られているというのだ。
「そして燐には兵人種の管理を任せたい。」
「ちょっと待て」
テッドが不満そうに声を上げた。
「こんなどこから現れたか分からない奴を管理人にするわけにはいかないだろう。燐、貴様はどこから来たんだ?貴様は誰なんだ?」
話すのをためらった。しかし結局押し切られて話すことになった。
「僕は天の川銀河太陽系第三惑星の地球にいた。地球には僕のような人類が住み、治めていた。しかしこの前現れた荒野の第五怪物によって滅ぼされた...
全部話した。辛かった。家族も、友達も、全部なくなってしまった。泣きそうだった。けどもう取り返しのつかないものだったから。もう二度と手に入らないものだったから。僕は泣くことを我慢した。
二日連続投稿です!これからどうしようか考えたけどちょっと悲しいお話になるかもしれません!




