第十六話 決着
「くっ、やっぱり勝てなかった。やっぱり燐さんは強いなあ。」
本気を出したら私くらいすぐに倒すことができるだろう。
「ヒカリ、諦めろ。お前はここで死ぬべきじゃない。もっと生きろ。」
「燐さん、すみません。それはできません。それではさようなら。」
「なっ...」
完璧に燐さんを出し抜いた。私は倒れているふりをして、燐さんが隙を見せた瞬間起き上って、燐さんを抜いた。そのまま「祈りの第十七怪物」のほうへ向かう。残った生命力をすべて剣に注ぎ込む。
ドクン。ドクン。ドクン。またあの音がした。けど無視する。
コアのある場所は分かってる。そして「祈りの第十七怪物」を真っ二つに斬る。コアも真っ二つに裂けた。そしてあの音も段々と小さくなっていって、ついには聞こえなくなった。
本気を出した。それでやっとギリギリヒカリに勝つことができた。ヒカリが倒れる。
「ヒカリ、諦めろ。お前はここで死ぬべきじゃない。もっと生きろ。」
「燐さん、すみません。それはできません。それではさようなら。」
「なっ...」
騙された。ヒカリは僕に倒されたんじゃなかった。ヒカリは自分で倒れたふりをしていた。ヒカリが「祈りの第十七怪物」に向かって走っていく。
「待て!ヒカリ!」
僕も全力で追う。ヒカリの剣が光り輝く。ヒカリは「祈りの第十七怪物」の胴体、そしてコアを真っ二つに斬った。「祈りの第十七怪物」が徐々に灰になっていく。そしてヒカリの剣の光も段々と薄れていく。ヒカリの命が失われていく。ついにはヒカリの剣から光が消えうせ、ヒカリは倒れた。
「ヒカリ!」
みんながヒカリに駆け寄る。
「ヒカリ、大丈夫か!?」
「燐...さん...もう私は死にます。けど最後に一つだけ...大好きです!燐さん!」
最後にヒカリは笑った。そしてヒカリは動かなくなり、言葉を発することもなかった。
「ヒカリ...くそ。守れなかった。死なせないといったのに。長く生きてもらおうと誓ったのに。幸せにしてあげたかったのに。」
涙を流す。悔やんでも悔やみきれない。たった一人の女の子の命さえ守れない。僕はなんてちっぽけな生き物なんだろうか。地球とともに消えた家族や友達のようにヒカリの命ももう二度と戻ってこない。
自分で書いといてなんですけどどうにかしたかった。
十六話目、読んでいただきありがとうございました。




