第十五話 再戦
カン。カン。カン。剣を打ち合う。燐さんと戦った時のように素早くクラミアの武器を飛ばす。
「なっ...」
「チェックメイトです。」
「はぁ。やっぱ私じゃ勝てませんか。それじゃあ後は燐さん、お願いしますよ。」
「ヒカリ!!!」
思いっきり剣を振ってきた。燐さんに躊躇などあるのだろうか。おそらく私を信じているのだろう。期待に応えるように剣で受け止める。
「ヒカリ、もう絶対抜かせないからな。」
「燐さん、また勝たせていただきますね。もう燐さんを不幸な目に遭わせたくないので。」
燐さんが素早く距離を取る。
「僕はお前に『祈りの第十七怪物』と戦わせなければいいだけだからな。抜かれなければいい。」
彼は私の話を聞く気はないのだろう。とにかく生きてほしいとしか思ってない。平穏とか自分の思いとかより他人のことを優先するような優しい人だから。でも私と考えは違う。だからぶつかるしかない。思いっきり。全力で。
剣を振るう。いなされた。
「今回は僕の番だな。」
急に体が宙を浮いた。
「え?」
その瞬間私の体は地面にたたきつけられた。勝てない。燐さんが本気を出している。それと同時に前まで話にならないくらい弱かった私が強くなったという実感も感じた。はじめは燐さんに押されていた。けど次第に私も慣れてきて対応できるようになった。
「ヒカリ、本当に適応力がすごいな!」
燐さんがさらにギアを上げてきた。剣を振るスピードがさっきより早い。それに応じて私もどんどん早くなっていく。スピードが追い付いてから一瞬で決着がついた。
「これで終わりだな。」
さらに燐さんが一瞬だけ急にスピードを上げた。燐さんが振るった剣が私の体を吹き飛ばした。
十五話目、読んでいただきありがとうございました!
燐もヒカリも戦いの中でどんどん強くなっていくいい戦いを描けているといいです!




