第十三話 ヒカリと燐の戦い
飛行船の中の工房を借りる。戦いに向けて自分の剣を砥ぐ。何のために?自分の命を守るため?「祈りの第十七怪物」を殺すため?兵人街を守るため?たった一人の女の子の命を守るために?答えは何かわからない。けど僕は何かのために戦い続ける。自分に言い訳をし続けて。ただただ自分も他者も幸せになるために。
剣を砥ぎきる。光が当たって剣の刀身が輝く。
「よし。できる限りの準備はできた。」
「第六天空島に着いたぞ。燐はとりあえず船内待機だ。ヒカリを見守っとけ。クラミアとサーシャは怪物と戦ってくれ。」
「『了解。』」
すぐにヒカリをとっ捕まえて医務室に放り込む。
「燐さん、何するんですか!?」
「言っただろ、戦場に出さないって。」
「そうですか。じゃあ燐さんを倒して戦場に行きます。」
「そう簡単には倒されねえよ。」
ヒカリが飛び掛かって、剣を振る。さっき砥いだばっかりの剣で受け止める。
「そんなんじゃまだ倒せないぞ。」
剣を弾く。できた隙を突いて剣を振る。
カーン。甲高い音が響く。ヒカリが攻撃を受け止めた。今船内には僕らの二人しかいない。ここでなら全力で暴れれる。外でも戦闘の音がする。ちらり、と外を見る。第六天空島の半分くらいが荒れ果てていた。お互いに剣を打ち合う。段々スピードが上がっていく。
剣が、飛んだ。
「燐さん、くらえぇぇぇ!」
剣が自分の胴体にあたる。念のため入れてた鉄板に当たる。
「は?」
自分の体が吹っ飛ぶ。痛い。痛すぎる。てかなんでこんなに飛ぶんだ?ヒカリが船外に走り出す。
「あ、おい。こら。」
ヒカリを全力で追いかける。
十三話目、読んでいただきありがとうございました!
第一部あと一から三話くらいになりそうです!




