第十話 ヒカリの思いと燐の思い
私は幸せになってはいけない。私は天空諸島を守るために生まれてきた。だから天空諸島を守って死なないといけない。燐さんには幸せになってもらいたい。燐さんのことが大好きだから。私はもうすぐ死んでしまう。私は燐さんを幸せにできない。力を振り絞って剣を振る。「祈りの第十七怪物」の体が裂ける。
ドクン。
「またあの嫌な音...?」
「おい、ヒカリ!」
「デヴォン」の攻撃が飛んでくる。ヒカリが攻撃を受ける。ヒカリの体が飛ばされる。
ヒカリが動き出すことはなかった。
「ヒカリ!?」
すぐにでも生きているか確認したかった。助けてあげたかった。けど「デヴォン」の攻撃が再びヒカリに飛ぶ。
全力で地面を蹴る。前に進む。進む。好きな人を救うために。一筋の希望に込めて。ギリギリで「デヴォン」の攻撃を受け止める。「デヴォン」を殺す。ヒカリの仇をとるために。
斬る。斬る。斬る。斬る。自分の気持ちに身を任せて。「デヴォン」の再生のスピードが間に合わなくなる。「デヴォン」の体が少しずつ裂けていく。コアが露出する。
「くらえぇぇぇぇ!」
コアに向かって斬りつける。しかし再生された体に止められる。
「『はあっ!』」
クラミアとサーシャが再生した体を断ち切る。
「燐さん!やってください!」
全力で剣を振る。「デヴォン」のコアが真っ二つに斬れ、「デヴォン」は消滅した。
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