7話 家案内とスキルのヤバさ
「ミノリ、この家の物の使い方、仕事内容とかこの島について教えてくれないだろうか?」
一緒に住む事になった背中に黒い翼がついた男
ティオ・クロウド改めヤタは私にそうお願いした。
しかし私はほんの少し前に転生したばかりだから少ししかわからない。それにヤタ、治ったばかりなのにそんなすぐ動くのは…。
その事を話すとヤタは大丈夫だと言い張り、それでも知ってる範囲でいいから教えてほしいっと頼みこんだ。
そう強く言われたら仕方ない。私が知ってるところまで教えればいいし、ヤタに負担かけないようにゆっくりと家の中や物、家の周囲の事を説明し案内しながら教えるか。改めてヤタと一緒に家の中を歩いて行く。
「ここは風呂場と脱衣所、洗面所となってるよ」
「これが……なんかとても高価そうな造りになっているな。
……ん?おいミノリ、この白い大きな箱はなんだ?」
「あ、あぁそれ洗濯機だよ」
「洗濯機?これをどう洗濯されるんだ?」
この世界には洗濯機ないのか?
…いやよく考えればヤタは物心ついた頃から逃亡生活してたからこの世界の一般的な生活とか知らないんだっけ?
とりあえず私はたまったタオルや服類を洗濯機に入れ、スイッチを押した。
すると洗濯機は自動的に動きだしたら私は元の世界の洗剤類を入れ洗濯物を洗いだした。これを見たヤタは興味津々ながらも驚きもした。
「これは…っ!水魔法と風魔法による魔法道具の一種なのか!?
確かにちまちまと少ない量で洗濯するよりこれなら容量が大きくてたくさん洗濯できる!
これの方がずっと効率いいな!!」
まぁ確かにこの家にある家電製品は全部魔法石で動いているって神様言ってたし、間違ってはないかな?
そんな感じで電化製品もとい魔法道具の使い方を教えながら家の中を案内し終えると次は外へ行く。
「ここが畑。まだ実ってないけど」
「へぇ広いな…畑には何植えているんだ?」
「えっと…動物達の餌の牧草とか人参と玉葱、キャベツにじゃが芋、大根とピーマンに白菜とトマトと茄子ときゅうりにとうもろこしとかも植えてあるし、あとフルーツにスイカに苺とか…」
「待て待て、ちょっと待て!」
「ん?」
「ん?っじゃない!
いくらなんでも植えすぎだし、旬のものとか考えて植えているのか?
あと聞いた事ない名前ばっかりだぞ!?」
あーもしかしてこの世界にはない野菜とかあるのかな?
それとやっぱ植える野菜に合う季節とか気にしてるのも前の世界とも変わんないか。
私はヤタにこの畑は神様の力でどんな作物植えても季節関係なくおよそ一ヶ月ほどで実ると話したらヤタは口をパクパクする。
なんかヤタ、鯉みたいだなー。
「___何でもありすぎだろ…どんだけミノリを甘やかしてるんだよ。いやでもまぁ、神の許しをもって転生したからそうはなるか?」
「よくわかんないけどこの畑で水やりとか雑草抜きをすればいいから。
次は動物達を紹介するねー」
私が次の所へ案内しようとしたら何故かヤタはため息ついた。疲れたのかなー?
ま、すぐ隣だから早めに紹介できるし大丈夫か。
「ここが動物達が住む小屋だよー」
「__これ、動物小屋なのか?
てっきり別荘かと思うほど立派な建物だぞ…」
そうかな?
まぁ自宅は可愛いログハウス風に造られているからな。それに比べて動物小屋は牛とか大きい動物が入れるように大きく広めの木造建築で造られているから自宅と間違えられるのも仕方ないか。
でも自宅の外観の好みは私の好みだから仕方ないけどな。動物小屋は動物達のために広くて立派なのがいいと思って創造したからな。
とりあえず動物小屋の中に入り、魔法道具とか動物達に使う物の使い方を教えるか。
ヤタはキョロキョロと辺りを見回し、ある魔法道具を見回し、ある魔法道具を見て私に聞かれる。
「ミノリ…この宝箱みたいな物は一体……」
「あぁそれ、ミルクを入れただけで乳製品に加工してくれる便利な魔法道具だ。これでヨーグルトとかバターとかも作れるんだ!」
「はぁっ!?
こんな歴史的価値ありまくりの宝箱がミルクの加工品作りになってんのかよ!
しかも入れるだけ……って」
何故かヤタはふらついた。
ふとヤタは冷蔵庫に近づき、戸惑いながら私に質問してきた。
「この透明な扉ついた冷たく大きな箱は…?」
「ミルクを消毒するための冷蔵庫だよ」
「冷蔵庫!?この立派な物が!!?」
立派って…まぁ考えたらそうかもしれないな。
コンビニのジュースとかたくさん入ってある大きな冷蔵庫みたいだから驚くのも無理ないか。
「これは…魔法のミシンか。これはちょっと見たことあるな」
「ヤタ、それ知ってるんだ。
それ便利だよねー、欲しい服をイメージしながら触れるだけで自動的に何でも作れるって」
「……は?」
「え?」
「いやいや、オレが知ってる魔法のミシンは確かに自動的に作れるけどイメージしただけで何でも作れるとか無理がある!
だいたいはサイズ測ってから服の部分をそれぞれ作ってもらい、その後にそれらを合わせて完成する手間のかかる物だったはず…。
それをたったイメージのみで?何でも?」
「そう神様言ってた」
「……万能すぎるだろ」
顔を手で覆いながらうつむくヤタ。
まぁ確かに便利すぎるこれらの魔法道具に驚くのは無理ないか。いや、この世界のどこかにこれらに似た魔法道具あるかもしれないからわかんないか。
それに私とヤタはこの世界の普通っていう生活とか知らないから……そんな考え放って置くか。
とにかくうつむくヤタに道具の使い方、小屋の掃除、餌のやり方など教えた。
ヤタは色々衝撃を受けながらもちゃんと私の話を聞いている。
最後は動物達を紹介しよう!
ようやく気を取り戻したヤタは放牧場にいる動物達を見て思わず大興奮し目を輝かせる。
「すごっ!これがミノリが飼ってる動物なのか!?」
「そうだよー。まぁこの子達、神様からのプレゼントなんだけど」
「こんな近くで動物見られるのはガキの頃以来だ!
すごく立派だなぁ…それに皆毛並みも良い!
こいつらからあの美味しい酪農品が採れるのか……」
大興奮するヤタを見たら、なんだか幼い頃の自分を思い出したな。私も初めてふれあい牧場で動物見て思わず大興奮しながら父と母と一緒に歩いたなぁ。
懐かしいな……。
「ミノリ、どうかしたのか?」
「はっ!な、何でもない!
この動物達の世話の仕方教えるな!」
気を取り直してヤタに動物の世話の仕方を教えた。
ブラッシングしたり搾乳機を使ったミルクの取り方やモコモに毛刈りに必要なバリカンのの使い方など。
今日はもう全て済ましたため明日お願いする事にした。
そろそろ日が沈み暗くなりそうだったため、私はポケットからベルを取り出し、それを鳴らした。
すると動物達は小屋の中へと戻って行った。
「へぇー賢いな」
「ベルの力のおかげだと思うけどな」
動物達全員小屋の中に入ったら、木でできてる錠で扉をしっかり閉めた。
「まぁだいたいの仕事の内容と魔法道具の操作方法は教えたけど…この島についてはあまり知らないな」
「あぁ、確か…神様の力によって創られた私だけの島だって言ってたな」
「この島丸ごと!?」
「うん、確か神様が言うには…私がこの島にいる限り私が望む物を頭に思い浮かべたら何でも出てきたり作れるようになってるみたいで、その力でここでのんびりとした生活を送ってね!…って」
するとヤタは私の話を聞いてブツブツと呟く。
「嘘だろ……何でも望む物を頭に思い浮かべるだけで…」
「ヤタ、何かわかるのか?」
「何でも欲しい物が出てくる…作れる………もしかしてさ、金銀財宝でも創れたり…?」
「ん?やった事ないけど……」
創造して見せろって事かな?
よし創造してみよう!
財宝とかはよく知らないから金銀とか知ってる宝石とか頭に思い浮かべたら、ベランダからたくさんの砂が入って来た。
「なっ何だ!?」
すると砂から光が放たれ、しばらくしたら光がやみ、私達の目の前に金銀宝石が出来た。
「あ、出来た……」
「_____っ」
ヤタは目をまん丸になりながらそっと金の延べ棒を持った。そしてじっと見る。
「___本物だ……」
するとヤタは黙りこんだまま私に近づき、私の肩をがっしりと掴みかかった。え?何?
「__バカかお前!
本っ当に金銀財宝出せって言ってるわけねーから!!
オレがもし欲深い人だったらお前間違いなく利用されまくりだったぞ!
てかそれらさっさとしまえ!」
「えっあ…あぁ」
私はヤタに言われた通りに金銀宝石を無限収納にしまった。このスキルを見たヤタはひどくため息をついた。
「ミノリ……お前、本当に頭に思い浮かべただけで創造できるんだな」
「うん、それが私の固有スキルらしい」
「……はぁ~~~~っ
お前……オレ以上に世間知らずっていうか、その固有スキルの力の凄さわかってないよな」
「まぁ…この世界に転生してからそんなたってないからな。知らないのは良くないってわかるけど…そんなに呆れなくても……」
するとヤタは私から離れて私に向けて指差された。
「いいかミノリ!
お前が持ってるスキル絶対他人に見せるな!」
「え?私が持ってるスキルって珍しいの?」
「……薄々感じてはいたが“鑑定”スキルとか持ってるよな?」
「え、持ってるけど……何で知ってるの?」
「やっぱりそうか。……“鑑定”スキルは千人に一人しか持たない珍しいスキルだから、もしやっと思ったらやっぱりそうか……。
ミノリ、お前が持ってるスキルは世間では珍しく便利なものばかりだ」
へぇそうなのか……つまり珍しいもの集まった私はこの世界の人達からすれば珍獣みたいなものなのか?
そうなると……下手したら私見せ物になるのか!?
そんな趣味はない!!
「わっ……わかった。とにかくヤタと神様以外この力見せないようにすればいいのか…」
「ちゃんと理解したのか怪しいけど、わかってもらえてよかったわ」
まぁこの島には私とヤタしかいないけど、無闇にスキルを出さない方がいいと学んだ。




