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やさぐれ聖女の覇王学  作者: Ztarou
第一章 私が覇道を歩み始めるまで
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A-03 なるほどそういうシステムか

「最初に月の女神が在った。女神は全知全能であったが、それ故に自己矛盾によって破壊と再生を繰り返していた。ある時女神は不完全な生き物を創造された。その生き物に自分の力を分け与え、女神は完全ではなくなり失われた。不完全な生き物である『ヒト』のひとりめであるロアは世界中を旅した。けれど次第に、自分の存在意義を疑い始め、自死しようとした。その血液は大地を濡らし、ヒトは増えた。はじめに増えた十二人のヒトによって救われたロアは覇王と崇められた。ヒトは増え戦争をし、散り、国を造り、増え、戦争をし、散り、国を造った。女神から与えられた『ルナ』は未だ人々の中を流れ、それらすべてが、また女神と会える日を祈っている──」


 長い。三行で出直してこい。と言いたいところだが、なかなか興味深い。聖書的な内容にも近しい割には、その矛盾まで説いている。神を絶対だとは定義してないのか。もしくは何らかの公会議で決定づけられた結果か……。


 ともかくこの世界の人が信じることはよくわかった。そして、前世と違うのはその経典がガチなこと。実際に魔法があるってことは、経典も侮れない。ルナってなんだ? さすがに魔法とは関係あるよな?


 もしくはこの世界の宇宙定数が違って、科学の法則が違うせいで魔法に見えているというのもある。クラークも高度に発達した科学は魔法と相違ないと言っていた。アレはSF作家のレトリックだろうけど。


 しかしならなぜ魔法を使うのに魔力がこんなに足りない感じがするんだ? ルナを魔力とイコールで結んだとすれば、私にだって流れていて然るべきだ。いや、世界には無能力者もいるのか? 呪○廻戦みたいに、術師のほうが非術師より少ないとか。でも、保湿クリーム程度には使える時点で無能力では無いんだよな。


 子どもが魔法を使えないロックがかけられている?


 あるな、有り得る。子どもが魔法を使ったら困ることから考えてみよう。全てにおいて困るわ。アバダケダブラ習得した子どもとやる鬼ごっことか怖すぎるだろ。それを考えるとハリポタの世界って割とすぐそこに死があるよな……。


 そうか、普通に考えたら科学より余程便利で危険なものが制限なしに存在するわけないよな? 魔力を一定量制限する、もしくはスペルの詠唱自体を縛っている……?


 ──だから言語が滅茶苦茶なのか?


 ただそう考えるとつじつまが合う。パッパもマッマのチッチを治す時、ヒールではなくリジェネを使った。それってヒールの方がより高位の魔法で、パッパには使用が許可されていないとかじゃないのか?


 ならば意図的に魔力を制限し、それをする為だけに言語を滅茶苦茶にした何者かが存在する。──もしも今後異世界RTAをやって俺ツエーバグチート無双をやろうものなら見つかって私が剪定されかねない。そいつには気をつけないとな。本当にいるとしたらだけど。


 と、ある程度の推論がたったところで、それを実証するために実験をしよう。マッマもしくはこの家の近くにいる人がヒールを使えないなら説が整う。教会だの病院だのは流石にあるだろうから、そこに被認可者がいるはずだ。


 まずは、マッマの腕の中から逃げます。


「てってってってぃ」


 クレヨン何某の妹の如くハイハイをして逃走慌てるマッマ。逃げるワッイ。


 そして窓枠に手をかけます。マッマが叫んでも止まってはいけません。その勢いが大事なのです。そして屋根裏部屋から庭に向けてダイブしましょう!


「くぁwせdrftgyふじこlp──!!!!!」


 言葉にならない絶叫。私がアニメ化されたら、このセリフ、誰がやってくれるのかな。そんな馬鹿なことを考えながら私は落下してゆく。


 目を覚ました時の状況でこの異世界の情報を掴んでやる。私の魂は燃えていた。全ては観察によって決まるのだ!!


 あ、死にませんように。そして私の意識は途絶した。

お読みいただきありがとうございます!!!


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