A-00 ちょっと未来の話
「アルテ・クロノスタシス。貴君を正式に聖女と認定し、覇王級魔法の使用を許可する」
齢十七歳にして、覇王級魔法の使用を許可された私は唖然とした。私の計画はもうちょっと長期的な奴でして、まあ四十歳手前くらいまでには龍王級魔法でハーレムウハウハを築こうかなと考えていた。
しかし、十七歳の成人の日。イニシエーション的に行われる女神降ろしの儀式にて、私に女神の魂の一部がなんか降りてしまった。
いや、普通に困るのだが!
聖女ってあれでしょう? 国家錬〇術師みたいに軍の犬になれっていう奴でしょう? やだやだ、国家公務員になったら自由に力を振るえないじゃない!
しかも覇王級が使えるって……。そんな許可いらないよ! 怖すぎて誰も近寄ってこないじゃないのさ!
私は言いたい。どうしてこうなった、と。私はただ神様にフェロモンムンムンの超絶美少女に転生させてくれと願っただけなのに!!!!
そうか、じゃあ私はあの日から間違えたんだな? 神様に引き留められて願いを言えと言われたあの時から──……。
──そして私は過去の回想へと進む。
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