第1章 目覚め
勢いよく飛び起きるとそれまでの暗闇が嘘だったかのように周りは木目調の床と壁と目の前の丸窓から明るい日が差し込み美しい花畑がよく見える。
まるで子供の頃に絵本で見た小人の家のよう部屋だった。
「お目覚めになりましたか?」
唯一ある扉から現れたのは黒の修道服を着た女性だった。
顔はべールで隠れてよく見えなかったが少しだけ見える黒髪とおっとりとした話し方がとても耳に心地よく感じた。彼女は陶器のコップと水差しを乗せたお盆をサイドテーブルに置き隣に置いてあった椅子へ腰掛けた。
「体調はいかがですか?」
「えっと……元気です。あの、あなたはどちら様でしょうか?」
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。私はここの教会を任されているシスターの翡翠と申します。」
彼女曰く、私は嵐の日に傷だらけの状態で教会の前で倒れていたのだという。
「そのまま放置する訳にもいきませんし、あなたはこの辺りではお見かけしない顔でしたので教会で保護をすることにしたのです。ところであなたはご自身のことわかりますか?」
彼女に問われ頭の中の引き出しを開け捜索する。そして出た答えは【わからない。】だった。
「すみません……考えてもわからなくて……。でも!!
とても暗く寂しい場所に居たような気がするんです。」
シーツを握っていた手にシスターの手が重なる。そして神に願うように額に手を当てた。
「大丈夫です。一緒に探しましょう。神はあなたを見捨てたりしませんよ。」
それから私の新たな生活が始まった。
最初の1週間くらいはベットから動けず翡翠さんの助けを借りて食事などをした。
「何から何まですみません……」
「いえいえ、困った時はお互い様です。」




