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ブラック・マジック・ブラザーズ 序章・前編

DDDコミックスシネマティックユニバース、ノベライズのダークファンタジー。

 これは黒魔術を駆使するある若い兄弟の物語。


 ブラック・マジック・ブラザーズ探偵事務所。それはある町にある古い雑居ビルの一室、兄弟の事務所兼住まいだ。普通の探偵事務所ではない。ここには不思議な悩みを抱える依頼人がやって来るのだ。

 兄のロイド・ブラックと弟のヒューイ・ブラック。現代に生き残った黒魔術師の二人は今日も町で起きる不思議な事件を解決する。


 その依頼人がやってきたのは激しい雨音が窓を打つ夜のことだ。

 妖艶な黒人の女だった。スタイルが良く、スーツを着こなしている。事務所に入ってきた瞬間に兄のロイドはすぐに訳ありの依頼人であると気付いた。弟のヒューイは依頼人にしては不思議な雰囲気だと思った。彼女自体が特殊な、何かとんでもない経験をしてきた人なのではないか、と。

 女は一枚の写真を出してきた。映っていたのはごく平凡な町並みにある廃墟の雑居ビルだった。女は静かに話し出す。

「実は身内の所有する建物なのですが、最近気味の悪い噂が。それを解決して欲しいのです」

「悪い噂、というと?」

 先に訊いたのは兄のロイドだった。弟のヒューイはじっと写真を見ていた。ヒューイの瞳の色は紅く変化している。それは人の眼には映らない魔術的、霊的な存在や魔物を見抜く魔眼の力だ。

「人が、消えるそうなんですよ。この建物の中に入ると。恥ずかしながらずっとこんなあり様なものですからこの近くでは肝試しの名所などと呼ばれてまして」

 ロイドはたまに相づちなどしながらもヒューイに意識を向けていた。ヒューイには視えていた。ビルを取り巻く悪霊が。ビルの壁一面には闇の儀式の呪文が描かれていた痕跡が。

 依頼人の女は続けた。

「取り壊しの計画もあったのですが、次から次に不幸な事故が起きまして、工事はまったく進んでおりませんの。ただの偶然とは思えないのです」

 ヒューイは兄のロイドに小声で耳打ちする。

「この依頼は面倒だ。辞めておこう」

 ロイドも頷いて断ろうとしたところ、テーブルには驚くほどの大金を置かれた。

「こちらは支度金を兼ねた前金ということで、残りは事態を解決して頂いてからお支払いしますわ」

 二人は息を呑んだ。前金だけで支払いの滞っていた事務所の家賃どころか、当面の暮らしの貯えに十分過ぎるほどの金額だ。


 後日、二人は例の悪霊の出るという雑居ビルの前に立っていた。

「辞めとこうって言ったのに」

 ヒューイはため息をついた。

「バカ言え。これも人助けだろ!」

 ロイドが子供っぽく怒鳴る。

「ビジネスの間違いだろ」

 ヒューイは呆れてそそくさとビルに近付く。紅い瞳、魔眼は既に発動していた。

「何体だ?」

 ロイドが訊いた。ヒューイは指で数える動作をした。

「上に向かうほど数が多い。近くにいるのは入り口の5体」

 ヒューイがそう言うと、ロイドは口笛を吹いてコートから銀のリボルバーを引き抜くと、ビルの入り口を撃ち抜いた。ヒューイの眼に映る浮遊する複数の人影が1発で爆散する。

 ロイドの銀の銃には銀の弾丸に魔術が施された魔弾が込められている。低級の悪霊は一瞬で消滅するほどの魔力だ。

「さぁ、ミステリーツアーにようこそ!」

 ロイドは浮かれた調子で雑居ビルへと入る。やれやれと呆れた様子でヒューイがそれに続く。


 悪霊の待つ魔窟へと、二人の魔術師は乗り込んだ。

二人の戦いのはじまりです!

序章・後編もお楽しみに!

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