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俺はロリコンでは無い

「、、、いちゃん、、お兄ちゃん、、、」

5歳くらいであろうか?そのくらいの子供の声が聞こえる、、、

夢の中なのかフワフワした感覚がありながら、ぼっーとしていると、小さい人影が浮かんできた。

「園児服の、、、幼女?」

そう、見えてきたのは幼稚園児。青いポンチョみたいな服、、、つまりは園児服を着て、黄色いポーチのようなカバンを肩から掛け、今にも家から出そうな格好をした幼女。

「ほら、お兄ちゃん。朝だよ。おーきーてー!」

そうそう、こんな風に幼女に起こしてもらうのがのが夢なんだよなぁと思った。まあこれは夢だが。

だけど、現実であってほしい。本気でそう思った。

ただ、現実はそうはいかない。

バチン!!!と、大きな音がした。

「起きろよ。キモ兄貴」

俺を起こすのはいつも、この罵声と豪速球ビンタである。

「いっっっっっってえええええええええええ!!!!!!!」

「何でここまでしないと起きないのよ」

「ここまでって、いきなりビンタしてきて何を言うだよ馬鹿!」

「いや、それまでにも声かけしたけど」

あれ?そうなの?

「しかもきっもい寝言言ってたし」

え?まじで?それはまずい。人間が無意識の中でいう言葉だぞ。おい。何言ってた?夢の中にヒントがあるかもしれない。、、、あ、そういや今日見た夢って、、

「お母さーん、お兄ちゃんが「園児服の幼女、甘い、、、良い匂いがする、、、へへ」とか寝言言ってたんだけどー!!」

駄目だー答えうる限り最悪の答えだー終わったーもうこれお母さんどんな返事するか分かったもんじゃねぇよおい。

「そんなん今に始まったことでもないでしょ?」

こっちもこっちで最悪だよ。最悪と最悪のかけ合わせだよ。え?てか俺前にもこんなこと言ってたの?初耳だよ?

「ほんと、寝言は寝て言えって感じだよねー」

実際寝てんだよ。どうしようもないだろ。

「どうしようもないのはあなたの性根でしょ?さっさと降りて朝ごはん食べなさい!」

おい、お母さん。心の中読んでツッコミしてくるな。あと、性根どうしようもないとか息子にかける言葉じゃねえぞおい。

そんなことを思いながら階段を下りる。

「あら、あんたまたこっぴどくやられたわね、、、今週でもう3回目よ?」

今日は金曜日である。つまりは二日に一回のペースでビンタされているわけだ。

「おーこれはいい赤色。なかなか高得点なのでは」と、妹。

いや、一体何に対して?

「うん、今日のはいいビンタだ。だがまだ伸びしろを感じる赤色だ。精進するように」

「はい!!!!」

妹が曇りなき笑顔でそう言う。てか待て何でこの二人は俺の頬の色で得点つけてるんだ。しかも何で子弟っぽい関係性になっているんだ。

「おい、もうちょいましな起こし方を考えてくれ。このほっぺたが赤いの昼ぐらいまで続くんだよ」

「え?じゃあ他にどうしろと?水かける?腹ける?電気流す?」

割と真顔で答える妹。怖い。

「だったらビンタの方がましだな。誰かさんのおかげで慣れてるしな?」

「え?スタンガンがいいって?マニアックなとこつくねー。流石寝言が幼女なだけはある」

「その起きたとしてまた眠る羽目になりそうな提案をやめろ。そして寝言は関係ない」

そう言っている内にバチバチとスタンガンを鳴らす妹。どっから取り出した。防犯対策完璧だなこの家。

そんなことを言い合い、朝ごはんを食べる。これが我が家の日常。もうちょい俺に対して優しくなってくんないかなとは常日頃思うが、それ以外は満足している。

「そういえばさ、お兄ちゃんは高校デビューとかするの?」

言っていなかったが、俺は今中学三年生である。まあといっても受験は終わり、来週から高校生活が始まる訳だが。

「そんなんする訳ないだろ。何故そんな陽キャの真似事みたいなことしなきゃならんのだ」

「そんなこと言ってたら、いつまでも彼女出来ないよ?」

「うるさいな、元々俺の恋愛対象はもっと下、、、、いや、何でもない、、、」

おい、そんな目で見るな妹よ。そんな本気で人を心配するような眼をするな。

「いや、誰だって自分の兄がロリコン性犯罪者だと知ったら、、、ねぇ?」

「おい、ロリコンと性犯罪者を同じにするな。俺は紳士だ。ジェントルマンだ」

「ロリコンなのは否定しないのね、、、」

「あ」

まずい。完全に墓穴を掘った。

「まあいいや、でも、こんな兄でもあんな学校行けるんだなって、、、」

自慢だが、俺の合格した学校は洋上学園(ようじょうがくえん)。地元ではそこそこ有名な進学校である。

「そうだ、兄を見習え、俺を追って来てもいいんだぞ?」

「やだよ。お兄ちゃんがいるむさ苦しい学校なんて」

「おい、それは学校がむさ苦しいのか、それとも俺がいるからむさ苦しいのか」

「後者に決まってるでしょ」

決まってるのか、、、

「でも、あの学校一つだけ疑問があるんだよ」

「あ?お兄ちゃん裏口入学説?」

「安心しろ。そこは実力だ。問題は面接にある」

「面接に?」

そう。問題は面接にある。元々面接のある学校なんて少ないだろうが、あの学校にはある。しかも内容が

「しかも内容が「あなたはロリコンですか?」だぞ?んな事あるか?」

「なんかもう、お兄ちゃん特有のオーラでも放ってるんじゃない?」

「はぁ?ある訳ないだろ。出てたしてもウェーブだ、ウェーブ。」

「なんかそっちの方がヤバそうなんだけど?実害有りそう。」

ん?そうか?と思ったが確かにそうだな。

「まあ、高校に幼女なんていたら、薔薇色学園ライフ間違いないだろうな」



この時の俺は知る由もなかった。本当に薔薇色学園ライフが始まるだなんて。


ついでに妹にガチの軽蔑の目を向けられるだなんて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こういう感じの妹、めっちゃ好みです!!ありがとうございます!!!! [一言] この作品、この商品と名前が被っていたのですが、何か関係があるのでしょうか? https://suzuri.jp…
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