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第48話:サンドボア狩猟04

 ガギィィィィィィィィィィィン!


「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!!!」

「ふふふ、痛そうな衝突。そんなに大きな岩を食べたかったなんて、早く言ってくれれば良かったのに」


 私の避けた後ろにあったのは、とても巨大な岩だった。

 十五メートルを超えるサンドボア。

 その大きな口をいっぱいに埋め尽くす巨大な岩は、偶然にも砂漠の真ん中に落ちていた。


「オーストラリアのエアーズロックがこんなところに落ちているなんて、私は幸運に見舞われているな」

「リヌリラ~。エアーズロックは、メルボルンから数百キロと離れていますよ~。ちゃんと勉学に励んでいましたか~?」

「う、うるさい……! 冗談に決まっているでしょ! ツッコミの為だけにわざわざ戻ってこなくて良いから!」

「は~い♪」


 オーストラリアに落ちているデカい岩のことをエアーズロックとは呼ばないのか。

 今度から言葉の使い方には注意しよう。


「ぐぅっ……ぐぅ……ぐぅぅぅ……!」

 サンドボアは岩に牙を引っかけてしまったせいで、自らの身を引き剥がせないでいる模様。

 だが、苦痛の表情はうかがえない。

 それくらい、身体の堅牢性があるということだろう。

 少々の時間さえあれば、岩ごと噛み砕いてしまいそうだ。


 だが、私にとっては都合の良い間だ。


「超循環の力を小指に注ぐ、フィンガーパワー。生成されたサンドボアの皮膚の力をファイブレードに込める」


 素材の力は肌色のカラー。

 大地を生きる息吹の香りだ。


「獲得した皮膚の素材は鋼鉄のように固くて堅牢――それを、ファイブレードのテクスチャにする……!」


 超循環の生成された右手で刃の部分をさっと撫でると、表面に肌色のカラーがコーティングされる。

 武器自身に素材の力を埋め込む手法。

 それを、私はテクスチャと呼んでいる。


「鋼鉄の武器に鋼鉄の素材を重ねると、何になると思う?」


 私はサンドボアに接近して問いかける。

 それは―― ガギィィィィィン…………!!!!


「一回無茶な攻撃をしても、武器が壊れない都合の良い設定の武器だぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!!」

「ぐぅぅぅぅぅぅ……!!!!!」


 サンドボアは、ここで初めて私に苦痛の表情を見せてくれる。

 それはそうだ。岩にくい込んだ歯の根本に、思い切り鋼鉄の硬さの武器を差し込んだのだから。

 狙ったのは、私が最初に虫歯を治療した下前歯。

 バイキンの治療が完了しつつも神経の痛みがまだ残っており、攻撃されれば強烈に神経が悲鳴をあげるほどに激痛が脳へと伝達されるだろう。


 歯の治療は数分で完了するが、欠けた歯を修復するには更に『エナメル』という素材が必要だ。

 つまり、お前の歯からバイキンは消えているが、完治されたわけじゃない。

 地盤が脆くなった歯に攻撃を仕掛ければ、神経の刺激と共に、サンドボアの歯を欠けさせることが出来る。


 だが、脆くなっていたとはいえ、皮膚すら固い生物の歯だ。

 私の持っているファイブレードで削り切れることが保証できなかった。


 だから、お前の皮膚を最初に武器にコーティングして、武器が壊れないように保険をかけたんだ。


「私が欲しかったのは、お前の歯――知っているか、歯というのは生物の中でも一番硬い素材と言われているんだ。それを、超循環の素材として使用したらどうなると思う?」


 循環ポケットに五センチ大に削り落としたサンドボアの歯のかけらを放り込む。

 それがリュックキットの中へと移動していき、強力な素材として生成されていく。


 ガァァァ……ン!!!!!!!」


「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!!!!!!」」

「おぉ……激痛と怒りのあまり、とうとう噛み付いた岩を砕いてしまったか。これはいよいよ不味そうな雰囲気だ」

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