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第39話:唐揚げを掛けた戦闘訓練の延長線?

「バカは好きだぞ。殺すのが簡単だからな」

「私も好きだぞ、お前みたいなバカはな」

「なにっ……?」


 ヤキュが私に向かってまっすぐと猛毒の液体を飛ばしてくる。

 受ければ確実に体は動かなくなり、後はグヘヘと自由にされてしまうだろう。

 だが、それを真正面から受け、耐えるというような脳筋根性を見せる私ではない。


 私は予め取っておいた素材を循環ポケットの中に入れ、


「超循環素材、『氷結氷アイスロックアイス』。液体を固体に。期待も、固体に。猛毒も……固体に」

「ぐっ……あっ、う、動けぬ……つ、冷たい……」

「嘘をついた。私は人をバカというやつが嫌いだ。バカにバカと呼ばれるのは特にね」


 私はスタスタと歩いていきながら、ヤキュの言っていた弱点である抗強烈草を取りに行く。


「はぁ……はぁ……俺を殺せば、お前を憎しみ殺しに来る悪魔が増えるぞ……」

「トレーニングになるならそれで。私は強くならなきゃいけないから」


 冷めた言葉で脅迫に言葉を返す。

 気にせず循環ポケットの中に抗強烈草を入れて、力を生成する。

 数秒経過後に力は右手に生成される。

 カラーはもちろん、強烈なグリーン。


「ねえ、死ぬ際に私に教えてよ。毒って解毒にどんな苦痛を感じるのかを」

「テメェは悪魔よりもよっぽど悪魔だ。死んでこの世からいなくなれ……!」

「うるさい、黙れ」


 小指の力、フィンガーパワー。

 超循環の素材をそのまま生成し、私はそれを、ヤキュの顔面に当てつける。


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!」


 まるで毒に苦しむように叫びながら、ヤキュは少しずつ形を溶かしていき、ものの数秒で跡形もなく消え去ってしまった。

 そうか、毒に対する解毒というのは、毒を受けるように苦しむ苦痛だったのか。

 貴重な情報を知ることが出来た気がする。


 ……

 ……


「まずは敵を倒し、イデンシのタコ壺を防衛することに成功しました。おめでとうございます。敵を煽り、タコ壺よりも自身に矛先が向くように仕向けたのは流石の戦略です」

「何戦もこなせば、それなりに慣れてくるもんだね。悪魔がどういうタイミングでタコ壺を壊そうとするか、感覚で分かるようになってきた」

「しかし……ヤキュを倒した時間は六分二秒。ギリギリアウトになってしまいました。残念ながら、今夜はもやし炒めと水でしょうかね」

「ちょ、まっ……! 二秒……オーバーは二秒だけだから……! 時差だから……!!! セーフエリアも無事に開拓できたし、せめてチキン南蛮半分でも……」

「うーん、どうしましょうかねぇ……」


 ちなみに昨日は更に苦戦し二分のオーバー、そして壺の全壊という完全失敗の結果だったので、ご褒美にニンジン百パーセントの無糖キャロットケーキを無理やり食べさせられた。

 ニンジンにはビタミンAとカロテンがたっぷり詰まっている。体に栄養が巡り巡ったが、動物性蛋白質の圧倒的不足で私の体が力を失いかけつつある。


「リヌリラは狩りをして生活していたのでしょう。食べられない時期もあったりしたのではないですか?」

「そりゃあ、干物を何日も食べて凌ぐこともあったけどさ、さすがにもやしはヤバいでしょ。水にもやしって、ほとんど水に等しい何かだからね」


 野菜の九割は水分であり、一割の物質を体内に取り込んだところでわずかな栄養を摂れるに過ぎない。

 意外と肉体労働の開拓戦に挑むには、やはりエネルギーになるものを常に摂っておきたい。


「ならば、延長戦をしましょうか。若鶏のから揚げをかけて」

「いいねルーミル。私、そういうゲリラチャレンジまあまあ得意」

「ちなみに失敗したら、リヌリラの手足を縛り付けた上で、目の前で私が若鶏のから揚げを一人で楽しみます。罰ですからね、しょうがないですよね」


 びっくりするくらい鬼畜でえげつない発言をいとも簡単に口にするルーミル。

 先天的なドSなのか、意識した訓練の飴と鞭なのか分からないが、少なくとも私の背筋はびっくりするほど冷え込んでいる。

 慢性的な笑顔が怖い、純粋無垢な微笑みがエグい。

 なるほど、私はこの人を超えなくてはならないのか。

 恐ろしや、恐ろしや。


「……さて、どうですか。やりますか? やりませんか?」

「そ、その、条件! 条件を聞かなきゃ私だって選択することは出来ないよ」

「ああ、それもそうですね。じゃあルールを説明しましょうか」


 ルーミルは、切り株の上にメルボルンの地図を取り出して。

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