第36話:メルボルン開拓戦・終演後01
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一方その頃、リヌリラとルーミルが開拓したセーフエリアの外側の木陰
下等悪魔A「……あいつ、初心者の癖にデモディアのやつを豪快に倒しやがったぞ」
下等悪魔B「動きもヤバイし、油断できないな」
木陰に隠れ、スコープを使いリヌリラとルーミルを観察する悪魔たち。
先程の戦いを隠れてみていた監視係の二人は、初心者と言われた超循環士があまりにも驚異的であったことに驚きを隠せないでいる。
本来、初心者は下等悪魔と張り合うところから始まるというのに、それよりも強い悪魔に勝ててしまうのは、相当稀なことである。
下等悪魔A「どうする? ボスに報告するか?」
下等悪魔B「ボスねぇ……あの人、人間に興味持とうとしないじゃないか」
下等悪魔A「ゴミの話をするんじゃねえって罵倒するからな」
悪魔の中には人の話すら毛嫌う者もいる。
常に殺意を抱きながら、人間を殺すことを夢見る強者は、ボスと呼ばれる位置に立つことが多い。
もちろん、先程死んだデモディアも同様だ。
下等悪魔A「だがどうだろうか、しばらくは訓練をするという情報を話していた」
下等悪魔B「ルーミルは悪魔殺しの要危険人物だが、一人になったところで初心者の女を囲って始末すれば……」
下等悪魔A「ちょろいもんさ。神経の太い部分を何回か切り落としてやれば、苦痛に負けて銅像化するのも容易な話」
下等悪魔B「タイミングさえ良ければいつでも行けそうだな」
悪い表情をして殺人の計画を立てる悪魔。
悪いからこそ、悪い魔と書かれるのは当然か。
彼らは悪びれるどころか、自らの本能が悪魔として正しく機能していることに、むしろ誇りを持っている。
人を殺すことが運命であり、悪魔としての役目だと。
下等悪魔A「じゃあ早速、れんらk……」
パシュン…………!!!
下等悪魔A「……………………」
下等悪魔B「な、なんだ……いきなり銃弾のようなものが……!!」
下等悪魔Aの脳天のど真ん中を、燃える弾丸が通過した。
それは、脳みそを確実に燃え上がらせてから頭蓋骨の外へと脱出し、下等悪魔Aを確実に死の運命へと手繰り寄せる。
糸が切れたマリオネットのように、ぐったりとしたそれは、心臓がほのかにまだ動いており、体が死んだことに気づけていない模様。
瞬きも終わらぬ一瞬の内に、悪魔が一人、即死した。
下等悪魔B「ど、どこからだ……人間の姿なんて、どk……」
パシュン…………!!!
パシュン…………!!!
パシュン…………!!!
下等悪魔B「うっ……ぐっ……ぶ…………!!!!」
心臓に三発の弾丸を受けた下等悪魔B。
どこから飛んできたのかわからないというのに、心臓という器官を確実に停止させる位置を狙って弾丸を貫通させてくる。
今度は強烈な電撃を放つ弾丸で、ポンプの役目を果たす心臓の血管を確実に麻痺させ仕事を止める。
体の中で最も重要とされる心臓という器官は、弾丸によっていとも簡単に支配される。
数秒としない内に、下等悪魔Bも死んだ。
激痛と心臓麻痺、本当に一瞬の出来事だった。
下等悪魔B「………………」
下等悪魔Bだった体は、脳が死んだことに気づいておらず、体を動かそうと必死になって痙攣を続けている。
ピクリ、ピクリ……どうしたんだ、元気がないじゃないかと。
木陰に隠れていた悪魔が、謎の弾丸によって、わずか数秒で死んだ。
音もなく静かに処刑され、誰にも気づかれず、地獄へと墜ちた。
死の理由もわからぬままに、ゆっくりと暗い世界の方へ。
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