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第34話:メルボルン開拓戦07

「貴様、殺す!!!! 手足をぐちゃぐちゃに砕いてから殺す!!!」

「やってみろクズ。悪魔のくせに粋がるな」


 デモディアは左手による殴りと、足による蹴りで私に殺意を持って攻撃してくる。

 だが、頭に血が上っているせいか、命中精度も低く、避けるのが割と簡単だ。

 特に超循環の力を使わずとも、軽く回避するだけで被害は避けれる。


「それに、接近戦をお望みだというなら都合がいい。私はエイムがダメだとよく言われるからね」


 先程拾ったハガネカマキリの死骸を循環ポケットに入れて力を生成する。

 ものの数秒で、ハガネカマキリの力が右手に宿る。

 自然の素材はやはり力の生成が早い。


「さっきはかまいたちのように斬撃を飛ばしていたけれど、今度は……フン……!!」


 スパァ……!!!


「ぎぃえぇぇぇぇぇぇぇ……!!」


 親指のフィンガーブレードでカマキリの刃の力を振るう。

 非常に固いその素材は、悪魔の部位を切り落とすのには十分だったようで、左手を肘から完全に切り落とすことに成功していた。


 悪魔は更に激痛に叫ぶ。

 右手が骨折、左手が切断。流石に想像しただけで痛そうだ。


「ああリヌリラ。あなたには拷問官としての資格があるのかもしれませんね。あだ名は女王様にしたほうがよろしいですか?」

「将来の夢は肉を毎日食べられる”お”嬢”様”。”女”王”様”とはちょっと言葉の組み合わせが違うかな」


 さっき、苦しませずに倒すと宣言したばかりなのに、もう嘘になってしまった。

 本当は心臓を切りつけようとしたのだが、巨体の割には素早く移動してくる悪魔だったので、とっさに防衛された左手を切り落としてしまったというのが今回の攻撃の結果だ。


「貴様、本当に新入りか……殺したいのに簡単に死んでくれないじゃないか」

「開拓戦は本当に初めて。超循環は小さい頃から狩りをしていたから得意。特に、無駄に殺意が強いやつは」


 ライオンとかと戦ったことはある?

 奴らは集団で人を食い物にしてくるよ。

 超循環の力を使いこなせなければ、すぐに殺されてしまう。

 だから、生き延びられるための力をつけた。


「まあ初めてにしては都合の良い相手だった。ありがとう、安心して殺されて」

「……悪魔にとって、人を殺せないというのは究極的に苦痛である。貴様ごときにやられるわけにはいかない」

「うるさいよ雑魚。喚くな。死ね」


「き、き、き……貴様ァァァ…………!!!!! どこまでも俺を侮辱する!!! ぐちゃぐちゃに擦り潰してやる!!!! 死んでも死んでも永久に擦り潰して究極の絶望を与え続けてやるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」


 とうとう私の安い煽りにまで反応するようになるとは、随分と敏感になったものだ。

 頭の回転が鈍り、怒りに身を任せてしまっている状況。

 都合がいいという利点はあるが、ただ私に対する殺意はヤバい。


 急いでハガネカマキリとイガドングリを集め、どんどんと循環ポケットの中へと放り込んでいく。

 最後に、ストームマッシュも忘れずに。


「リヌリラ、ストームマッシュを使うということは、弾丸で最後を締めるのですか?」

「……いや、それはない。私は自分のエイムのダメさ加減に落胆をしているからね」

「でも、今入れた素材たちは、弾丸として飛ばす……」

「まあ、その理屈は合ってる。合ってるけど、撃ち方が違う!!!」


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!」


 頭に血が上り続けるデモディアの突進攻撃を避けたと同時に、私は右足を出し、やつの足に引っ掛け転ばせる。


「あ”あ”あ”あ”……!!! ぐぅぅぅぅぅぅ…………!!!!」


 ゴロンゴロンと強い勢いで二十メートルほど転がり続け、三半規管を大きく混乱させた上で、仰向けになって倒れ込む。


「はぇ……はぇ……こ、この……」

「おっと、遅い。これじゃあ私がすぐに追いつく」

「な、なに……?」

「ゼロ至近距離。弾丸攻撃が苦手な私でも、お前の心臓に指を当てれば確実に命中させられる」

「ふ、ふん……超循環士の弾丸ごとき、俺には効かぬ。あえて弱い攻撃を使うとは、さすが初心者だな」

「まあ、実際に泣きを見るかどうかは、これを受けて生きていられたらお願いね」


 ドォォォォン……!!!


「うげっ……!!」


 私はデモディアの心臓部にゼロ至近距離から弾丸を打ち込む。

 そして、とある危険を予測して、デモディアから大きく離れて太い木の木陰に隠れる。

 素材はハガネカマキリ、トゲドングリ、そしてストームマッシュ。


 これらを混ぜたらどうなるか。

 私は一つの予測を立てている。

 それは……


 グバァ…………!!!!


「…………!!!!」


 ズバババババババババババ…………!!!!

 ズババババババババババババババババババババババババババ…………!!!!

 ズババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ…………!!!!


「……うわぁ、エグい」

「………………………………」


 擬音ばかりが響き渡っているだけでは、何をしているか把握しにくいだろう。

 ただ、一言で言うなら絶望。

 デモディアに発射された超循環の弾丸は、ストームマッシュによって体内で空気圧が発生し、ハガネカマキリの刃が吹き飛び体をバラバラに切り刻んだ後、トドメにトゲドングリが炸裂し、その身を破壊し悪魔を消滅させた。


 つまり、体内爆発でミンチにされて、苦しむ間もなく死んでいった。

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