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モニター越しに騎士が部下と合流したのが伺えた。

俺達も準備をしなくてはならないな……

「大臣……質問よろしいでしょうか?」

「なんだ?あまり彼奴に不利な事は言えんなぁ」

醜悪な笑みだ……大臣はニヤリと笑っている。


「いえいえ、より一層戦いを楽しんで頂くための質問です……彼らの人数に合わせてこちらも同人数を揃えたいと思っております」

「ハハハッ!そうであったか!今回、護衛として連れてきた兵士は200名だ」

「ありがとうございます……戦闘準備だ!」

「ゴブッ!」

俺は一旦、闘技場から退避してゴブリンに人を集めさせる。

曲がりなりにも相手は国の……さらに大臣の護衛を任された兵士だ……ん?

モニターに映る兵士達はヘラヘラと笑いながら行進していている……とても緊張している様には見えない……


こんな反応をする奴らは【頭が狂っている】か【戦闘経験が少ない】かだ……


前者ならとても厄介な連中だ……


モニターをジックリ見たが、彼等の鎧や盾や剣に目立った傷はない……騎士が焦っていたのはその為か?


「よし、各班のゴブリンリーダーとナンバーⅢからⅤまでを集めて来るんだ……急げ!」

「ゴブッ!」


経験が無いとはいえ、レベルはそこそこ高いのだろう……やって見ないとわからないが、サブリーダーを残しておけば、最悪の事態が起きてもダンジョンは今まで通り機能するだろう……


全50班からリーダーとナンバーⅢ〜Ⅴが集められ、俺の元に集結した。

各班の上から10人くらいまでは、既にビアトール達の武具は行き渡っている……


「全員メインはファルシオンとラウンドシールド!腰に手斧二丁装備!」

「「ゴブッ!」」

「お前らは強い!相手の武器は剣だ!上手く盾で剣を捌いて斬り殺せよ!」

「「ゴブッ!」」

「そろそろ行くぞ!」


「「ウワァァァォ!」」

俺達が檻から出て並ぶと観客は歓声を上げた。

見回すと観客の人数は増えているように思えた。


「「ウォォォォオォ!」」

向かいの通路から騎士を先頭に兵士が続々と出てくる。


兵士達が俺の背後に控えるゴブリン達を見て明らかに笑みが消えた……思ってたゴブリンと違った様だな……

リーダーやサブなど、上位の者達は外に居る野良ゴブリン等とは筋肉量や傷の量が明らかに違う……戦闘経験の差は歴然だろう……


しかし相手の騎士は俺の事を睨んで離さない……恐らく、兵士が序盤に浮き足立つのは織り込み済み……俺を打ち取り、早々に士気を上げたい腹だろう……


俺にとってもそれは好都合……兵士達がいかに経験に乏しいとは言え、訓練通りの動きをすればゴブリン達もただでは済まない……


ダンジョンの恩恵を受けているとはいえ相手の兵士も訓練をサボっていたわけでは無いはずだ……良くてレベルは同程度……いや、訓練の期間は相手が上……少しゴブリンの方が悪いはずだ……


実質、俺と騎士……先に相手を打ち取った方が押し切るだろう……


「「それでは私、スオが号令を上げさせて頂きます!はじめ!」」

「「ウォォォォオォ!」」

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