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スオは都市に着くと依頼の完了報告をして、ルオの遺品の数々を金に換えていく……流石に商人の秘書をしていただけありスオは都市の商人達に顔が広い。


スオは約束通り、素人目にも数億にはなろうかという金銀財宝を馬車に積んだ。


「これで最低5億にはなるわ」

「そうか」

スオの手元にはまだ多少の金があったようだが、あまり欲をかいて背中を刺されても面白くはない……約束通り5億あると言うなら、その金は手数料と思って諦める事にした。


「じゃあな」

もうスオに興味はない、金欠でゴブリン達には軽く食事制限を強いていた……この金で食料を買わねば……


「待って!私を雇わない?」

「なに?」

「私は秘書として様々な道具に触れてきた……この経験は必ず活かせるはずよ!」


ギルドに対する知識は俺以上にあるだろうし、先ほどの動きを見る限り、戦利品の現金化という意味でも価値はありそうだ……

ダンジョンの事を考えると受け入れるべきだろう……

心配なのは精神面でダンジョンモンスターがこいつに務まるのか?……

まぁその時は俺が責任を持って殺せば問題無いか……


「良いだろう……だが、一度死んでもらう必要があるぞ?それに人間を相手する事になる……お前に耐えられるのか?」

「それは大丈夫よ……私は人間が憎いから、貴方の仲間になりたいの……」

「そうか」


俺たちは商店街に行き、買い物をする。

スオの勧めで家畜を買う事になった……

鶏50羽、羊10頭…1500万ゴールド

飼料…200万ゴールド

5日分の食料…150万ゴールド

馬と馬車、1台…150万ゴールド


馬車に詰めて都市を後にした。

ダンジョンに戻り、金銀をゴブリン達に運ばせる。

「ここがダンジョンだ」

スオはダンジョンを見回した。

「中々綺麗にはしてるけど、ただの洞穴って感じね」

「じゃあ死んでもらうぞ?スオ……」

「いつでもどうぞ」

「頼んだぞ!コア!」

『いいだろう』

スオを殺してコアに生き返らせた。

「私を殺した相手が目の前にいるのは不思議な感じね……」

「そうか?まぁ良い、お前には馬車で話した通り、内政を中心に任す……人手が欲しい時は条件に応じてコアに頼むか、その辺で作業してるやつを使え」

「わかったわ」


「コア!ゴブリン達が冒険者達を連れてきたはずだ!どうなった?」

『ゴブリン達が牢獄に閉じ込めているが、女の方は息が絶え絶えで今にも死にそうだな感じ……』

「これが……ダンジョンの声……」

「じゃあ後は頼む」


俺はスオと残して牢獄に向かった……牢獄は骨製、ゴブリン達が作った奴だ……

「ご苦労様」

「ゴブッ!」

肩を叩くと見張りのゴブリンは声を発した。


冒険者達は俺を見て息を荒くさせる。

「ヒュッヒュー……ヒュー……」

「……チムが死んじまう!バルサニコスさん!お願いだ!チムを助けてくれ!」


こいつ等はゴブリンにとってはそこそこlvが高い……楽しみだな……


「駄目だ、お前等はダンジョンの糧になってもらう……ピィ〜!」


合図でそこらの穴からゴブリンリーダー達が集まってくる。

先の戦闘でリーダーは5匹になっていた……死んだ5匹の代わりにはあらかじめ決めておいたサブリーダーが駆けつけた。


ゴブリン達のレベルを確認すると生き残りは50、サブリーダーは40になっていた……40か……これなら新たなサブを決め、このままこいつ等にチームを任せて良いだろう。

「良し!槍を持て!」

「やめてくれぇ!」


ゴブリン達は俺の合図で檻の中を突きまくった……冒険者達は何度も貫かれ、死亡した。

ゴブリン達は多いものは30…最低でも15はレベルが上がっている……やはりダンジョン内のボーナスは馬鹿にできないな……


「コア!どうだ?何か変化あったか?」

『ああ!今回はすごいぞ!大量のDPと共に、女の方を殺した時に特別なポイントがもらえた』

「特別なポイント?」

『限定一回だが、炎属性に関する生成が可能だ……おそらく女は魔力の特別多い人間だったようだ』

「一体何ができるんだ?」

『炎属性モンスターの生成、炎属性の鉱石の生成、現モンスターに炎属性の付与が出来る』

「成る程な……」

「なんじゃとぉぉぉぉ!」

「ビアトール!まだ話が!」


突然、鼻息の荒いビアトールとスオが牢獄に突撃してきた。


「今、コアは炎属性の鉱石と言ったんじゃな!」

「ビアトール!そんな事より!調べましたが、貴方はゴブリン達を使い過ぎてる!あの規模の工房やゴブリン達は現状必要ないでしょう!」

「何を言うか!ワシは最高の仕事しかせんのだ!」

「まだダンジョンは途上です!過度な設備は必要な……ビアトール!こちらを向きなさい!」

「そんなことはいいんじゃ!コア!鉱石じゃ!鉱石にするんじゃ!ワシが最高の武器を打ってやる!」


『ビアトール、お前の気持ちは伝わるが、これはバッドボーイが決めなさい……お前が望むならお前に力を付与することも出来るぞ』


俺に力?……モンスター?……そんなのは必要無い!魔武器なら俺が死んだとしても他のゴブリンが使える……それが一番だ!


「ビアトール、魔石を扱う経験や自信はあるのか?」

「経験は無い!だが!自信はあるぞぃ!ワシに打てない鉱石は無いんじゃ!」

「コア!鉱石を生成してくれ!」

赤くマグマのように光る鉱石が地面から突き出し、ビアトールは歓喜した。

「おぉ……鉱石の声が聞こえる……お前は剣じゃ!」

ビアトールは鉱石にしばらく頬をつけてからそう叫んだ。


ーーーーー1ヶ月後


ビアトールはあれから、ゴブリン達に他の作業を止めさせて魔剣作りに没頭していた。


聴いた話によると冬の間は打ち続けるそうだ……


食料供給を懸念したスオは冬が来る前にと、ゴブリンを増やして草を刈りいれ、家畜を追加し、自給自足を目指している……

俺はゴブリン達を訓練した……武具の生産が停止しているのもあるが、冒険者に対しての力不足を痛感したからだ……


スオの政策のお陰で金も貯蓄も余裕がある……しばらくは訓練に注視しよう……


そのうち雪も積もる……どっちみち、山奥に拠点を張る俺達は盗賊稼業も休業せざる終えない……


「良し!ゴブリン共!掛かって来い!」

複数のゴブリンが俺に襲いかかってくる……俺達は木製の武器で訓練して冬を過ごしていた。


ーーーー


やがて鳥がさえずり、雪が溶け、春と共に冒険者達がそんな俺達のダンジョンにやってきた。

【コア】

ランク8

DP……32121p

収支(ランクやダンジョンの規模で増減)……0p

増築……1㎡/5p

減築……1㎡/5p

ゴブリン生成(lv1)…1p

モンスター復活……lv1/100p

モンスター回復……lv1/10p

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