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俺は走った……いた!冒険者だ!
一人の冒険者がこちらに気が付き話しかけてくる……
俺は武器を構えながら走り続ける。
「あっ!バルサニコスさん!」
「他の二人は!」
「先頭に向かいましっ……ギャ!」
俺の一線が冒険者の頭を破る。
「ヒィィィィ!ぞ……」
《ヒュン!》
俺の斧は高速で騒ごうとする従者の首を刎ねた。
9番馬車の中身を確認し、生存者がいない事を確認した。
「よし!次!」
電撃戦だ!……一気に行くぞ!
8番馬車に向かうとまた護衛が出ている…射程にはまだ遠い!
「ん?9番の護衛だな?どうした?」
「賊は!どごだ!」
「賊なら……ギャピ!」
前方を指差した護衛……
助走の力を乗せた斧が護衛の首を掻っ切り、首が地面に落ちる。
「ひ!ひぃ!……お助けぇ!……ぎゃあ!」
逃げようとする従者の背中をザックリと剣で刺した。
よし……死んでいるな……
馬車の中身を確認しつつ、従者の首筋を確認した。
俺は次の馬車を狙う……7,6番は護衛無し……6番にはルオだけだ!
スオの妹は後回し!
「な!何をする!……私はルオだぞ!」
「大人しくしろ!」
俺は7番の従者を殺し、6番のルオをロープで縛り上げて走り去った……
従者を殺し、馬車の中を確認しながら走ったが、5〜1番は既に賊との戦いを開始している様だ……既にいない!
「ファイヤーボルト!」
「ギャッ!」
暗闇に閃光が走り、ゴブリンが焼き殺されているのが遠くに見える……
……この野郎!!
行く道にゴブリン達の死体が点々と倒れていた……
急行しようと走っていた俺に二人の男が話しかけて来た……一人は腹を抑えて地面に倒れ、もう一人はそれを手当をしている……
「おい!お前!手を貸してくれ!!」
「はぁはぁ……1番馬車からポーションを持ってこい!奴ら武器が普通じゃねぇ!くそぉぉ!ゴブリンごときが!俺ぉぉぉぉ!」
「……ガッ!ワ……ワワワワワワワワ!」
手当に夢中になってる男の頭を無言で叩き潰した。
頭の潰れた男は頭を抱えて手足をバタつかせ、訳のわからない言葉を発して騒いでいた……
「……ヒッ!お、お前!何なんだ!仲間だろ!?……ギィエエエエエ!」
俺は男の負傷した腹を叩き割って放置し、戦闘に参加する……男の悲鳴はまだ聞こえていた……あと5人だ!
「後もう少しだ!……敵さん!もう根を上げ始めてるぞ!」
「クソ!よくもチャケを殺りやがったなぁ!」
「はぁはぁ……」
俺の目には士気を下げ始めたゴブリンと二人の男と女……無数のゴブリンと護衛が二人の死体が飛び込んできた……
「あっ!バルサニコスさん!……な、なんだ?」
「グォォォォォン!」
ゴブリン達は俺の姿を見て雄叫びを上げた。
「……グェェェ!」
俺は何て名だったか……余所見していた3人組の男の腰を引っ掛け、斧をぶん回した。
四肢がへし折れ、曲がった男は地面を転がった。
「あんた!何すんのよ!ファイヤーボルト!」
「おっそい火だな!」
斧を振り回し、火の玉を切り裂いた……火の玉の破片が俺の二の腕を焦がす……
《バンッ!》
斧の平で殴ると女の顔は凹み、膝を地面について倒れた。
「うぉぉぉ!」
「な……なんだテメェ!」
ゴブリンと交戦していた最後の護衛がゴブリンにトドメを刺し、俺の方を向いて剣を構えている。
「お前で最後だ!」
《キンッ!》
「グェ!」
ビアトールの武器はやはり一級品だった……
渾身の力を込めた俺の一撃は剣ごと男を叩き割った。
……終わったな……
俺は3人組のうち二人の生死を耳を澄まして確認する。
「ゴポッ……ヒューヒュー……」
耳を当てると女は苦しそうに息をしている……女は生きているな……
「うぅぅ……チムゥゥゥゥ……」
泣き言を言ってるこいつも生きているだろう……
「お前ら、この二人は生け捕りにしてダンジョンで殺る!」
ゴブリン達に荷の回収と冒険者の捕縛をさせて最後尾へ戻る……
スオは落ち着いた表情で待っていた……
「はぁはぁ……終わったぞ……約束は守ってもらう!」
「いいでしょう……」
ゴブリンはナイフを首から離し、スオは静かに馬車を降りる。
俺とスオは女達が乗せられている7番馬車へと向かった。
スオは7番馬車が見える少し取り乱しながら駆け寄った……
「マリブ!マリブは何処!」
外で待っているとスオしばらくして出てきた。
「どうだ?」
「いない……6番へ」
「確かか?」
「ええ……」
「よし!殺れ!」
俺はゴブリン達に手で合図し、7番馬車の掃除をさせた。
ゴブリン達が入り、女性達は悲鳴をあげ、馬車はガタガタと振動する。
「スオ!貴様!」
スオを確認するとルオは縛られながら怒号を発していた。
「旦那様……貴方が悪いのです……」
「む?……そういうことか……クク……ガッハッハ!」
「旦那様……笑っていられるのも今のうちです」
「良い子〜♫青い〜……」
「マリブ!」
スオは馬車から聞こえた歌を耳にするなり馬車に入る……俺は従者席からその様子を覗いていた。
「マリブ!マリブ!」
「ガッハッハ!」
暗闇にスオの叫びとルオの笑い声が不気味に木霊していた。




