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「やめてください!」
俺は剣を喉に刺し、命乞いをする商人の息の根を止めた。
「おい!バッドボーイ!引き上げるぞ!」
「へい!親分!」
俺の名前はバッドボーイ、本当の名前はとうの昔に忘れてしまった。
俺は馬車に残っていたアイテムをかき集め、袋に入れて親分達と合流した。
「おし、行くぞ!」
俺達は総勢30人程の盗賊団だ。
親分を追い、俺は森の中に作ったアジトへと走り出した。
かく言う俺も元は商人の息子で、この盗賊団に襲われた……
母親を殺され、震えていた俺に盗賊の親分は意地悪を考えついた。
「父親を殺せ……そうすれば助けてやるよ」
俺は親分に従い、渡されたナイフで父親を刺し殺した。
親分は約束を守る奴だった……俺を気に入り、俺はこうして盗賊として生きている。
別に親分に復讐するとか、そういう話では無い。
そんな事は興味無いし、どうでも良い……不満があるとすればこの盗賊団が弱小だという事くらいだ。
全員鍛錬すればもっと割の良い相手を襲う事もできるのに彼らはそれをサボる。
だから今日も護衛も雇えない貧乏商人の相手をしなくてはならない。
どうにかこの盗賊団を大きくしたいものだが……
まぁだからこそ、こいつらはとうぞくなんてやってるのかもしれないな……
アジトの門を潜り抜ける。
「おーし!お前ら!戦利品をここに置けぇ!そして能力の確認だ」
俺達は戦利品を置いた順に親分に手袋を外して掌にLvを見せていく……
「Lv24だな……次!バッドボーイか……Lv42か、頼りにしてるぞ?……よし次!」
俺は今では旅団の片腕的存在だ。
まぁ他のメンバーががサボり過ぎなだけだがな……
親分は元冒険者でlv62だ……早い芽は積もうと、こうして俺達のlvを確認している。
現状は確かに食う寝るに困ってはいない……
だが、態度に出すほどでは無いが、現状に満足し、維持のみに徹底した態度に多少嫌気がさしてくる……
「よーし全員終わったな……おい!お前ら!飯の支度をしとけ!」
下っ端は大変だな……
「親分、今日も鍛錬に行っていいかな?」
「バッドボーイは好きだな、よし!夕方には帰ってこ来るんだ!」
「サンキュー!」
まぁ親分に信頼されている実感はある……これでもう少し身入りが良ければ満足するんだがな……
俺はいつものゴブリンダンジョンへと向かう……
このダンジョンは1日、最大10匹程度のゴブリンが湧く、冒険者にも見つかってないダンジョンだ。
俺は盗賊になって見つけてからはこうして毎日鍛錬を欠かさない……鍛錬を疎かにして死ぬなんて真っ平御免なのだ。
「ウギャッ」
俺は今日も全てのゴブリン達の首をはねていく。
最後の一匹を倒した時、レベルアップを実感する。
二週間ぶりのレベルアップだ……努力は力だ!
その時突然、ダンジョン内に地響きがなる……地震だった。
ダンジョンの一部が崩落し、不運にも俺は岩の下敷きになり内臓を潰されてしまった。
一瞬痛かったが、痛みはすぐに麻痺してしまって何だか冷静に自分の人生を振り返る……
生きる為に出来る努力はした……
でも何て事は無い……運がなかったんだ……
「くだらねぇ……」
視界がどんどん狭くなっていく……
俺は気を失い、俺はあっけなく死んだ。
『脳は無事だな?……よし!やっと運が向いてきた!』
死んだ筈の俺は光の中でその声を耳にした。




