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奴隷商人
どうしてこんなことになったんだろう。
気がついたら手足を縛られて馬車の中にいた。
「ひっ、うっうっ」
馬車の中には10人ぐらいの女が詰められてる。
額から冷や汗がたらりと流れる。
「おら、着いたぞ。さっさと出な。」
この人達、なんだか普通の人とは少しだけちがう。これがノーブル?おじいちゃんから聞かされた魔力を持った人達なんだろうか。
さっきの男の人も何か不気味な、村の人達とか違うものを感じた。
馬車から降りてすぐ横の倉庫のような場所に運ばれると、すでに腕にタグを付けられ商品となっている女の人が沢山いた。
「おい、こいつらも査定しとけ」
大柄の人が私たちの方を指さして言う。
「ひゃっは、たーぷり吟味してやるよぉ」
「傷はつけんなよ、後...
暴れたら殺せ。使い物にならない奴もだ。ガヌーの飯ぐらいにはなるだろ」
喉を引く音が聞こえた。
「わ、」
被っていたマントの裾を引っ張らて視線を下に向ける
「ママぁ、っ」
「あ、」
女の子...まだ10もいかないくらいの小さな女の子が泣いてる。
「大丈夫。
泣かないで、大丈夫だから。」