第27話 黄金の花は三度咲く
「メアのヤツ…雑魚なんぞに燃費の悪い《黄金覇砲》を使うとは、後で折檻してやらなきゃなぁヒヒッ゙」
「大した威力ね」
闘技場が半壊し城下町と王都の強化外壁にも白煙が上がっているが、どういう訳か途中で軌道が反れた為に街はかすめる程度の被害に留まっていた。しかし遠方――トロンリネージュと隣国アテンヌの境界付近では巨大なキノコ雲があがっており、常軌を逸した威力を物語っている。これが王都内に直撃していれば、ゾっとするでは済まされない被害が出ていただろう。
「そぉでしょぉおアヤノ様ヒヒヒッ゙素晴らしぃでしょぉリィナの最高傑作はぁ!? せっかく送り出したプレイヤーも死んだんじゃないですかねぇ」
「そうね、シャルロットが居なければ危なかったわ……本当に」
「シャルロットぉ? あんなオーラばかりで力だけ強いガキに何ができるとぉ!? お年のせいで脳細胞が衰えたのですかぁっ? あんなワンワン泣いてばかりの小娘に何が出来る!」
リィナは興奮で見逃していた。
アビリティ=メーターが異常な数値を叩き出していることに。
「そういえば創世記の盟友にコノハサクラと言う竜がいてね……知ってるリィナ? 彼女の名前は火の国に一本だけ立つ桜の大木から付けられているの」
「アヤノ様……何を」
しーっ
まぁ聴きなさいと人差し指を立てる。
「落葉広葉樹である桜は本来年に一度だけ、春にしか花を咲かさない……だけど黄乃覇桜だけは違う――春の息吹で花を咲かせ、夏の陽気で実が芽吹き、冬の冷気で再び黄金色の花を咲かせる」
「黄金……っ!?」
リィナは地上に目を向けた。
こめかみの突起物に手を触れ――その数値に目を剥く。
「馬鹿な人間でこ、こんな数値がありえるのか」
〚最大魔法出力10億9,000万ルーン
オーラ出力数測定不可
オーラ種判別不可――新種ト認定〛
「測定不可!? 新種だとぁ」
まさかあのガキ――
「王者の因子がコノハサクラに実をつけた。御自慢の研究成果とやらがなくとも、アレはそういう風になっている」
―――権限者だというのか。
しかしリィナ博士は鼻を鳴らす。だから何だと、その若々しい顔を老婆のように歪ませて。
「アヤノ様ぁ…どうあっても否定するのですねぇアチシの研究を」
「花は咲くものよリィナ……誰が手を加えなくても」
「あんな糞餓鬼がアウローラに勝てるものかよ……アレは神をも殺す兵器だ」
アヤノは微笑む。
清々しい春の息吹を思わせる風。真なる黄金の風に身を委ねながら言ってやろう。自分もこのまま間違い続ければこうなっていたかもしれない――だから全力の拒絶を込めて言ってやろう。
こんな自分を姉と呼んだ女の為に。
因子を分けた姉妹の為に。
醜く歪んでしまったこの元権限者に。
「黄金の花は三度咲く――ウチの末っ子をナメるなよ」
◆◇◆◇
「弾いたんだねシャルロット……黄金覇砲を」
最大出力で放てば核爆発を凌駕し一撃で国を消滅させる程の破壊力を――メアは歓喜に震える。
自分の存在を証明してくれるであろう救いの女神のが誕生したのだから。
その少女が放つ輝き――それはまさに真なる黄金の光だ。
闘技場どころか、王都どころか、世界を埋め尽くす程の輝きが眼の前にあった。一度は間違い二度目も空を切った男の掌は小さな少女に包み込まれる。
400年の時を超え
永遠より来たりて今――此処に。
「シャル…ロットぉ…っ」
「せんせぇ」
満開の桜が開花した。
輝く黄金色の気流、空間を埋め尽くす金色の翼は、ユウィン=リバーエンドを抱きしめるように優しく包み込んでいた。
やっとめぐり逢えた運命の両手を撫でるように。
男の瞳から雫が落ちる。
「ボクの中のマリィさんが教えてくれたの……自分が何なのか」
「あぁ…ああ」
「教えてくれたのマリアさんが……闘い方を」
「あぁぁ……そう…かぁ…っ」
流せないはずの涙がとめどなく流れ出る。
情けない顔をしているだろう汚いツラになっているだろう灰色の髪が纏った黒までもが悲しそうにシミとなる、その感情のない男の為に。
喜びでも眼から水分というモノは出るのだと、忘れていた400年分の雫という名の思い出が溢れ出し、ただひたすらに男は慟哭を刻む。
「ボクは……アナタの黄金です」
男は少女を抱きしめ天に向かって絶叫した。
あの時とは違う。冷たい骸ではなく暖かいその小さな体を抱きしめて叫び泣く。喉が焼き切れる程に叫ぶ――この歓喜を歓びを。
救わせてくれてありがとう
救ってくれてありがとう
この女と再び出逢わせてくれて
「あぁぁぁシャルロット……シャルロットぉぉ…っ」
「うん…ボクはここに居るよ?」
「ありがとう…生まれて来てくれてありが…とぉ」
「うん…ありがとう先生ボクの手を繋いでくれて。ありがとう見つけてくれて。ありがとう……抱きしめてくれて」
涙が止まらない喜びが止まらない。
「救わせてくれて……救われた…ぁっ…俺は」
「うん大変だったね辛かったね。でも出逢えた……やっと」
「君がマリィの……俺は…俺は…」
出逢えたのか。
こんな事が本当にあるというのか。
俺の生きてきた400年は無駄ではなかったのか。
「うん…マリィさんでありマリアさんでもあるのがボク」
先生を護る黄金
「シャルロット…俺は」
「先生ぇ…大好き」
そっと唇に触れる小さな感覚。
男の涙目が見開かれた時――世界が黄金色に書き換えられた。
『やっと、やっと届いた――私達の声』
眩しい光に目が慣れた時、ユウィンは白い砂浜に立っていた。以前にも見た景色に思えるが上手く思い出せず辺りを見回すと、懐かしくも見知った女が立っていた。
オレンジがかった栗色の髪は呆れ顔で男に言う。
『きっとまた逢える。前にそう言ったのにもぉ』
黒髪の少女は困り顔だ。
『し、しょうがないよ、あんな事があったんだから』
『マリアぁ〜ユウィンを甘やかさないの』
困惑する男は震える唇を切る。動揺を圧し殺しながら。
「ここは……シャルロットの世界…か?」
『そ、一度来たでしょ? それよりも』
女は拳を振り上げながら男に歩み寄る。ヅカヅカ遠慮もなく少し下品に大股に。
――ペチ
拳が頬を撫でた。
少しも痛くない、優しい小さな握りコブシが。
『いつまでも泣いてんじゃない今は戦時だよ? シッカリシロこの』
ユウィンは再開の感動を必死に押し殺す。
同じく今すぐ抱き合いたい衝動を必死に我慢し、自分を激励してくれているマリィを失望させない為に。
「あぁそうだな……俺にはまだやることがある」
『そ、アンリエッタちゃんが危ない。此処はシャルロットに任せて』
「助かるマリィ……また逢えるんだな俺達は」
『君が逢いたきゃいつでも逢えるよ…でもねぇ』
ビッと指を出して更に歩み寄る――肌が触れ合うほどに。
その拍子に大きな胸がたゆんと揺れるが久しぶり過ぎて思わず目を逸らしてしまう。
『おいコラ甲斐性なし! こっち見なさい』
「お、おぅ」
『今度は手ぇ離さないでよね! 離したら殴るからねマリアが』
『ちょっとちょっとマリィねーさん!? 私はそんな事をしないよぉ……えと、その…竜の騎士さんひ、ひさしブッ…』
「あぁマリア約束、守れそうだな」
『う…うむゅ…って何の約束じゃいコンチクショう』
「相変わらずだなお前は……卸売市場かよ」
『なーに緊張してんのマリアちゃんっ練習したでしょ〜? こーゆー時はねズバッと言っちゃう方が良いのほれほれ〜』
『ええええ、えと……』
深呼吸してからコホンと咳払い。
『マリアは貴方を愛しています……今度はずっと一緒だよ?あわわわ恥かしぃ…っ』
「あぁずっと一緒だ。頑張ってくれてありがとうなマリア」
『わわわわわこここここコレが結婚!?』
慌てふためいているマリアに苦笑しながらも微笑む。ホント見ていて飽きない満腹姫だと。
『よく言えました〜♪ ユウィン? 私は言わなくても解ってるよねぇっ』
ニマニマ笑うマリィとは真顔で見つめ合う。
どうも先に動揺を見せた方が負け、みたいな気配を漂わすが。
「解ってるよ」
『ほんとにぃ?』
「ただ一つ良いか」
『何よぉ』
懐かしい。
コイツがこういう笑い方をする時は背伸びしてる時なのだと。
「心配かけた…マリィ」
『――かっ』
油断していたマリィは顔を背ける。
折角おねーさんらしく振る舞っていたのに――何て顔するんだコノ男は。
『あらぁ〜マリィねぇさん? お耳まで真っ赤だよぉフフフ』
『う、うるさい……えと、その』
大人ぶってテレ屋でお人好し。これこそがマリィだ。
そしてようやっと俺は言える「行くな」と叫んだ――あの日あの時の続きを。
「おかえりマリィ」
「あ、うん……ただいま」
目を閉じてこの感動を噛み締め、開けた。
「もう大丈夫だ……必ず戻る」
「お互いにね」
まるで以心で繋がり輝く夫婦のように。
『私達はもう君を悲しませたりしない必ず勝つ……絶対だ』
「……あぁ」
しかし心配はある。
あの巨人の力は尋常ではない。数百年戦い続けたユウィンが経験したどの敵よりも強力で恐ろしい力――信じ合っていても心配はあるのだ。トラウマというのはそう簡単に拭えるものではない――だが。
『シャルロットには私のオーバーロードが宿ってるんだからねっ任せて? 竜の騎士さん』
マリア。
自分より遥かに強かった女はニッコリ微笑みそう言ってくれる――大丈夫だよと。
「相変わらず強いな……お前達は」
「当然よっ、でも強くなってるのはユウィンも同じ」
「俺が?」
「私と出逢った頃とは違う……今のユウィンなら主皇因子核を完全以上に使い熟せる。君は他のプレイヤーとは年期が違うんだから」
胸の中心が燃えるような感覚――今のユウィンには失った魔法因子核の代わりに、最上位互換の主皇因子核が起動している。
「君が戦ってきた400年は伊達じゃない」
「無駄ではなかった……そうか」
「ほらカッコつけてないで行って来い!マリィねーさんが背中を押してあげるから」
わ、わたしもーとか言いながら手を上げるマリアは肩を鳴らしている……どういう意味で捉えているのか。
「なぁマリィ帰ったらよ…その、なんだ」
「縁起でもない事言うなもぉ〜ヨシヨシしてあげるからはよ行けロクデナシぃ」
「マリア」
「あ、ひゃい」
「その後でダンスでも踊ろうか」
「あ……うんっ」
おひさま笑顔をくれるマリアに笑顔で返し踵も返す――その背中にマリィは一瞬、駆け寄ろうと一歩踏み込むが……止める。男の歩みを止めてはイケナイと。その代わりにポツリと一言を。
「は、早く帰って来てよね」
お祝い……楽しみにしてる。
マリィの小さな声を刻みながら――男は再び現実に。
夢か現か――白い砂浜から視界は闘技場へと戻った。
刮目する教師は生徒に言う、確認するように。
「シャルロット…頼んで良いか」
「うん任せて先生、喜んでたね二人共」
今のが夢では無い事の証明――ユウィンの瞳に意思が乗る。必ずこの戦いを終わらせる決意が。
そして呼び起こす。己の心に宿った真なる能力を。
「疾走れ――Code:Gフォース」
脈動する王者の因子核を巡り、空間魔法が瞬時に立ち上がる。今迄は使用する度に胸を抉られるような苦痛に耐えていたが今は違う。体の一部のように滑らかに当然のように高速で実行された王者の力。
「今迄とはケタ違いの使い勝手だ……これがアヤノさんのマクスウェル機関の効果……平衡演算か」
更にソレは小さく圧縮され背中を覆う飛翔用の魔法陣となった。
「そしてこれが……新たな力」
右眼と体から立ち上がる鈍く銀色に輝く光――ユウィン=リバーエンドの心の色。王となった男の纏う色彩――銀色の主皇覇気。
「先生ぇカッコいぃ」
「しかし…お互い中々に派手だなコレは」
「ボクが金でエヘヘ…先生ぇが銀色っ…こ、これって何かその…」
どんな妄想をしているのか吹き出しそうになっている少女は急にあっと何かを思い出して俯いてしまった。
「先生あの…さっき…その」
「あ……おぅ」
くちづけの件だろうが、こちらも大泣きしてしまったのを見られてるわけで非常に気まずくはある。マリィやマリアと久々に会ったばかりで調子がおかしいのか、全く今日は何て日なんだと年甲斐もなく頭を掻く。
「さっきボクの力を譲渡……しました。マスターコアが起動した今の先生はマリィさんと、更にボクの力が加算された…あの…えっと…その」
もじもじ俯いてから嬉しそうに顔を上げる。
「スーパー先生」
教師は一瞬困惑する。
そして暫くしてそれは頭痛に変わる。
名前を付けようと言うのか、この状態の。
「それは…」
「ど、どうしよう凄くカッコいぃ…エヘヘ」
「ちょっと…」
ちょっとないぞと言おうとしたが生徒のキラキラした瞳に何も言えず黙る。
そんな日常的なやり取りをしながらも、ユウィンの強化されたオーラは周囲の状況を確認していた。傷付き倒れるゼノン傭兵達、既に蘇生不可能な状態の少年と黒龍。
「無駄にはしない……セドリック」
「先生ぇ!?」
―――――ズィドン!
黄金の閃光が地面を薙ぎ払った――が。
「お前か……俺の生徒達をヤってくれたのは」
「へぇヤルね…もう一人の王様」
光線はユウィンに直撃する寸前に天へと軌道を変え空へと消える。
「メアちゃん!」
瞬時に臨戦態勢に入るシャルロットの前にユウィンが出る――その右眼に銀色の炎と魔法陣を宿しながら。
「その姿、お前はマリアの何だ」
「クローン体だよ銀色の王様……二人がかりならもっと確率が上がるねきっと」
「先生……行ってください」
「シャルロット……だがコイツは」
ユウィンはそこまで言って黙る。
少女の瞳に信念を見たからだ。
そして恥じる、少しでもこの子がマリアと同じ姿の少女に本気を出せないのではないかと疑った自分を。
「先生、ボクは任せてと言いました。そしてあの子はボクの友達です」
「あぁ解った……お前達に任せる」
背中の魔法陣を反転させて飛翔する――その眼差しは輝く結界に遮られたトロンリネージュの城を見据え。
「バターケーキ」
「ふぇ?」
「帰ったら焼くから……一緒に食べよう」
「あ、うんっ大好き…バターケーキ、と」
別れ際の一言、小さな小さな声で「先生が」と。――灰色の頭を掻く男は風と共に掻き消えた。
「良かったのシャルロット? 大好きな先生いかせちゃって」
「先生にはやる事があるから…大好きなアンリエッタ様を助けるっていう」
「恋のライバルというヤツなのかな?…変なの」
「うん変だ…本当に」
「行かないでって言えば良かったのに」
少女は俯く……本当は独りで戦いたくはなかった。本当は怖い。この先の戦いは王都の、世界の運命を変えてしまうかもしれない決戦になるはずなのだから。全ての人間の未来が重くのしかかる。
「でもユウィン先生って……ずーっとずーっとずーっと、こんなふうに独りで戦ってきたんだろうなって……思ったの」
「?」
「そう思ったらね?……嬉しくなった」
「大好きな先生……とられちゃうかもよ?」
かもしれない、でも。
「コノハ桜ヨ散リ咲キテ」
「なに?」
「火の国の詩なんだって。散っても散ってもまたいつか綺麗な花は咲くっていう」
「それが何なの?」
「似てるなぁって思って」
何度となくも生まれ変わり、やっとやっとめぐり逢えた男に言われたのだ。大好きなあの人に言われたのだから。
任せると――ならば自分のすべきことは? 友達は言う「しょうがない事だ」と――ならば自分のすべきことは?
「今のボク、とっても諦めの悪い女の子みたいだから」
三度目の黄乃覇桜が華を咲かせたのだから。
セドリックの死、サイの生命をその因子核に刻み込んだ小さな小さな少女は大きく大きく構える――黄金の翼を携え舞うように。
「さぁ…いくよメアちゃん」
「全てを受け止められるかなぁ?…シャルロット」
「約束するよボクは負けない」
「メアは強いよ?」
「知ってる……でも、もう絶対に折れない。先生が抱きしめてくれたんだから」
「ちゅーもしてたよね?」
「えっと…それはその…」
「でも約束、してくれるんだね」
視線をあげる。
力強く頷いた――――と同時に。
ボッ゙―――――――ガッ゙ドン!
その巨体からは考えられない速度の拳撃が飛ぶ。
「あはははははぁ凄ぃ――凄いな君はぁ!」
「約束は…断固とした信念で守るものだ」
衝撃で半ば崩壊していた闘技場が爆砕四散する――だが少女は砕けない。その信念と眼差しを二度と折らないと誓ったのだから。
《誓い》これはセドリックから受け取った絆。
「片手で受け止めるのか君は!?――このタイタロスを」
《願い》サイ=オーから受け継いだ絆――可哀そうな妹を救ってくれと。
「メアちゃん…君が何を背負っててどんな辛い事があったか知らない。今の気持ちも解らないし解ってあげる事も出来ないそれでも助ける友達だからだ――でもね!」
黄金の花は願いを込めて拳を握る。
「もうしょうがないなんて言わせない――そこから叩き出してやる!」
そして絶対に
「セドリック君とサイ君に謝ってもらうから!」
それは
「願ったり叶ったりだよ……シャルロットぉ」
いや唯一の友達よ
「此処はメア達には狭すぎる王都全体が戦場だ――こんなんじゃ王様の大切な人達が死んじゃうよぉ」
守りきれるか?
「やらせない絶対に…ボクの、私達のこの力は――」
強力な力場が二人を空中へを引き上げる。
開始と共に地上は火の海になるだろう――だが、国全体を覆っているシャルロットの放出武装気は光の壁となる。――境界の手ホライゾン。またの名を百花繚乱武装結界と呼ばれるそれは、全てを守護する盾となって王都全体を包み込んだ。過去に出逢った全ての人と人を繋ぐ力。マリィが、マリアが繋ぎ紡いだ全ての掌達の結晶。
「この力は破壊の力じゃない――絆ぐ力だ!」
燃え上がる極大――金色の焔。
その光はマリィより美しく、マリアよりも力強く世界を照らす。
乗倍譲渡という権能。
それは生まれ変わる度に強くなり激情によって爆発する。
『これが私達の権限――プレイヤーを援護せよ』
主皇を守護する私達の黄金の翼。
この世界で唯一の――
『「覚醒覇王の黄金武装気だ!」』
 




