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5.メグちゃんの夢

 ……あっ…

 ………かわいい…スズメさんの声がしています……

 もう…朝になったんです。

 ……えぇ…すぐに、起きなくてはいけません…もちろん、一人で、です。

 だって…メグちゃんはもう、四つのお姉さんなんですもの……

 ……ぱっちん!

 そんな音が聞こえてきそうなくらいに…しっかりと、メグちゃんは目を開けていました。

 すぐそばのカーテンが、明るく輝いています。スミレさんの絵が、お日さまの光に包まれています…

 しばらくの間、メグちゃんはそのお気に入りのカーテンを見上げていました。

 メグちゃんは、スミレさんやネモフィラさんが大好きなんです。ちっちゃくって、かわいくて……ドキドキしてしまいます……

 …あっ…そう言えば、さっきも……

 メグちゃんは、急にうれしくなって、ベッドの中でくすくすと笑い出してしまいました。

 だって…ねぇ! …あんなに……

 ……あれ…?

 その時、ベッドの中で、メグちゃんはかわいく首をかしげてしまいました。

 だって…だって、どうしてこんなにも自分がうれしいのか、メグちゃんには分からなかったんです。…どうしてでしょう……えぇ、ついさっきまでは、あんなにもうれしくって…楽しくって……

 …あっ!

 そうです、分かりました。…えぇ、四つになったんですもの。お姉さんなんですもの。メグちゃんにだって、分かります。

 あんなにうれしかったものは、『夢』だったんです。だから、一生懸命になっても、ちっとも思い出せなかったんです。

 なんだか、今度はちょっぴり、がっかりしてしまいます……

 ……あれ…?

 またまた、メグちゃんはベッドの中で、かわいく首をかしげてしまいました。

 だって……メグちゃんには、どうして『夢』がすぐになくなってしまうのか、不思議だったんです。

 …ね? 不思議でしょう…?

 あんなにも楽しかったのに…これでは、大好きなお姉ちゃんにも、おとなりのマリちゃんにも、『夢』のおはなしをすることができません。

 そんなのって、ないです。

 どうして、メグちゃんの『夢』はなくなってしまうんでしょう……

 …『夢』って、何なのでしょうか…


 ぱっ! とベッドから飛び出すと、メグちゃんはパジャマのまま、大急ぎでお母さんを探しに行きました。

 …いました! お台所でおかたづけをしています。

「ママ…!」

 すきとおった、とってもきれいな声で、メグちゃんはお母さんを見上げました。

「どうしたの?」

 パジャマのままで走ってくるなんて、ちっともメグちゃんらしくありません。だから、お母さんはとてもびっくりしていました。

「…あのね……『夢』って…なぁに…?」

「夢?」

 こくん、とうなずきます。

「どうして…朝になったら…なくなっちゃうの…?」

 なんだか…悲しくなってきます…

 …ちょっぴりだまってから、お母さんは教えてくれました。

「夢はねぇ、メグちゃんが夜になっても恐くありませんように、ってお日さまがくれたプレゼントなの。

 だから、朝になったら、もう恐くないからね、ってなくなってしまうのよ」

 そんな…! プレゼントが、なくなってしまうなんて…!

 ……そんなのって、ないです。

 …メグちゃんが、悪い子だからでしょうか……

 だから…だから、お日さまは朝になったらプレゼントを取り上げて…いじわるするんでしょうか……

 ……とっても…とっても、悲しくなってしまいます……


 メグちゃんはすっかりしょげながら、今度は、お父さんを探しに行きました。

 …いました!

「パパ…!」

 すきとおった、とってもきれいな声で、メグちゃんはお父さんを見上げました。

「どうしたんだ?」

 パジャマのままで走ってくるなんて、ちっともメグちゃんらしくありません。だから、お父さんはとてもびっくりしていました。

「…あのね……『夢』って…なぁに…?」

「夢?」

 こくん、とうなずきます。

「どうして…朝になったら……なくなっちゃうの…?」

 なんだか…とっても悲しくなってきます…

 …ちょっぴりだまってから、お父さんは教えてくれました。

「夢はメグの大切な宝物なんだ。だから、どこにもなくなったりしないさ。

 メグは夢をとっても大切にしてるから、いつも目がさめる前に、しっかりカギをかけて宝箱の中にかくしてるんだよ。

 でも、そのカギは夢の中のものだから、朝になってベッドから出た時には、それをどこかに置き忘れてしまってるんだ。

 夢と同じように、な」

 そんな…! カギをどこに置いたのか、忘れてしまうなんて…!

 ……そんなのって、ないです。

 …メグちゃんが、悪い子だからでしょうか……

 だから…だから、宝箱を開けられないんでしょうか……

 ……とっても…とっても…とぉーっても、悲しくなってしまいます……


 メグちゃんはすっかりしょげながら…いいえ、もう、泣きそうになりながら……今度は、大好きなお姉ちゃんを探しに行きました。

 …いました! お部屋で、本を読んでいます。

「お姉ちゃん…!」

 すきとおった、とってもきれいな声で、メグちゃんはお姉ちゃんを見上げました。

「どうしたのよ?」

 パジャマのままで走ってくるなんて…ちっとも、メグちゃんらしくないんです。だから、サトミはとてもびっくりしてしまいました。

「…あのね……『夢』って…なぁに…?」

「夢?」

 メグちゃんは、こくん、とうなずいています。

「どうして…朝になったら……なくなっちゃうの…?」

 …えぇ、とっても…とっても……とぉーっても、悲しくなってきます…

 そんなメグちゃんに、サトミはすぐに言いました。

「夢ってね、とってもステキで…ドキドキするものだよ。それはね、絶対、なくなったりしないんだから」

「…でも…でも……なくしちゃったの……」

 やっぱり…やっぱり、メグちゃんが悪い子だからなんです。

 だから…だから、夢をなくしてしまうんです……

 ……くすん。

 …いっぱいの涙が、あふれてきます。

 でも…お姉ちゃんは、やさしくほほえんでくれました。

「ちゃぁんと、あるよ。ほら! ここに」

 ちょこん、とおでこをつつかれてしまいます。

 泣くのをやめて、メグちゃんは目を大きくすると、お姉ちゃんを見上げました。

「ただね、忘れてるフリをしてるだけなんだから。夢はね、ちゃぁんと、メグの中に残ってるよ」

「……でも…でも、ユウタお兄ちゃん…時々、『夢』のおはなし、してくれるの…

 忘れたり、しないの……」

 えぇ、そうなんです。ユウタお兄ちゃんは、昨日、こんな夢を見たんだ、って…時々、こっそりおはなししてくれるんです。でも、あれは、オカシナ村のおはなしかもしれません…

「……ふ〜ん…」

 ちょっとびっくりしてしまいましたが、サトミはすぐにいたずらっぽく、片目をつむってみせました。

「じゃぁね、簡単だよ。ユウタくんに、聞いてみたら?

 どうして、お兄ちゃんは夢をなくさないの? って」

 そうです…! ユウタお兄ちゃんなら、きっと、教えてくれるはずです。

 ちょっぴり元気になって、メグちゃんは走り出そうと…

 ……いいえ、でも、ダメです。すぐに、お姉ちゃんにつかまってしまいます。

「ダメダメ! 先にパジャマを着替えないとね」

「あっ…はーい…!」

 えぇ、そうでした。パジャマのままでは、ユウタお兄ちゃんのお家には行けません。

 恥ずかしそうに、はにかみながら…メグちゃんは急いでお部屋に帰ると、服を着替え始めました。


「…ユウタお兄ちゃん…!」

 お部屋のドアのすきまから、そう…っとのぞきこんでみます。

「メグちゃん?」

 たった一人でたずねてくるなんて、恥ずかしがり屋さんのメグちゃんらしくありません。だから、ユウタお兄ちゃんはとてもびっくりしていました。

「どうしたんだい?」

「…あのね……」

 …でも…でも、どうしても、言葉が出てきてくれません。

 困ってしまいます。どうしたらいいんでしょう…

 ……その時、ユウタお兄ちゃんが、ほほえみながら近付いてきてくれました。

「ほら、こっちにおいでよ」

 おはなしがあるんだな、って分かってくれたんです。やっぱり、ユウタお兄ちゃんです。

 そっと手をとって、ユウタお兄ちゃんはやさしくお部屋に引き入れてくれました。

 プラモデルの飛行機や電車が、お部屋の中に散らばっています。…えぇ、あまりきれいではないと思います。でも、大急ぎで、おかたづけしてくれています。

「では、こちらへどうぞ」

 ユウタお兄ちゃんが、お姫さまにするみたいに頭を下げてくれたので、思わずメグちゃんはくすくすと笑ってしまいました。

 …でも、ちょこんとすわってからは……

 やっぱり、モジモジしてしまうんです。いつもより、なんだか、はにかんでしまいます。

「…どうしたんだい?」

 大好きなユウタお兄ちゃんは、もう一度、そっとたずねてきてくれます。

「…あのね…あのね……」

 どうして、声って、こんなにも重いんでしょう…

 でも…ここで何も言わなかったら……大好きなユウタお兄ちゃんに、嫌われてしまうかもしれません。

 ……そんなの、イヤです…!

「……ユウタお兄ちゃん…」

 もうちょっとです。

 ……えいっ!

「…あのね……『夢』って…なぁに…?」

「『夢』?」

 こくん、とうなずきます。

「どうして…朝になっても……ユウタお兄ちゃんはなくさないの…?」

 とっても一生懸命なメグちゃんに、ユウタはにやっと笑うとすぐに言いました。

「僕が『夢』をなくさないのは、僕がオカシナ村にも住んでるからだよ」

「…え?」

「ううん、本当はね、メグちゃんだって、オカシナ村に住んでるんだ」

「メグちゃんが…オカシナ村に……?」

 びっくり、です。

 オカシナ村は、いつもユウタお兄ちゃんのおはなしに出てくるところです。あんなに楽しいところに、メグちゃんも住んでるんでしょうか…

「そうさ。メグちゃんだって、オカシナ村に住んでるんだよ。

 いいかい? これからするおはなしは、ナイショのおはなしなんだけど…」

 ナイショのおはなし…! うわぁ…ドキドキしてしまいます…

「実はね、オカシナ村は、今、夜中なんだよ。だから、オカシナ村に住んでるメグちゃんは、今、ちょうどベッドの中で夢を見てるところなんだ」

「……」

「その夢の中で、メグちゃんは僕の部屋に遊びに来てて、こう言ってるんだよ。

 『…あのね……『夢』って…なぁに…?』って…」

「…今、みたいに…?」

 だって……それは、今…こうして、メグちゃんがしてることでしょう?

「そう。オカシナ村のメグちゃんは、今、こうして僕とおはなししてるメグちゃんを、ちょうど夢の中で見てるところなんだよ」

「……!」

「オカシナ村のメグちゃんが朝になって起きるころになると、今度は反対にこっちが夜になるんだ。だから、もちろん、メグちゃんはベッドの中に入るんだけど…

 その時、メグちゃんが見る夢は、オカシナ村のメグちゃんが本当にしてることなんだよ」

 えっと…えっと……

 …ちょっぴり、分かりません。

「いいかい? メグちゃん」

 でも、お兄ちゃんはちゃんと分かってくれてるんです…やさしく、おはなししてくれるんです。

「メグちゃんの夢に出てくるメグちゃんは、本当は、オカシナ村に住んでるメグちゃんなんだ。

 だから、オカシナ村のメグちゃんがかけっこをして遊んだら、メグちゃんは夢の中で、かけっこをしてるオカシナ村のメグちゃんを見るんだよ」

「メグちゃんが…オカシナ村のメグちゃんを夢に見るの…?」

「そうなんだ。同じように、オカシナ村のメグちゃんも、メグちゃんがマリと遊んだり、サトミと笑ったりしてるところを、夢に見てるんだよ」

 そうだったんです…!

「だからね、メグちゃん?

 メグちゃんがオカシナ村からいなくなったり、オカシナ村のことを忘れたりしないなら…メグちゃんは、本当には『夢』をなくしたりしないんだ。

 だって、メグちゃんがオカシナ村にもいる限り、『夢』はずっと続くんだからね。

 ただ、今は、メグちゃんにはオカシナ村をのぞけないから…忘れてるフリをしてるだけなんだよ」

 えぇ! お姉ちゃんも、そう言ってくれました。

「きっとね、夢を思い出そうとしてるメグちゃんの夢を見て、オカシナ村のメグちゃんは、今ごろ眠りながらくすくす笑ってるんじゃないかな」

「……!」

 それは、困ります。…とっても、恥ずかしくなってしまいます…

 …泣いてるところも、見られたんでしょうか……

 ……あれ?

 でも…でも、メグちゃんの夢を見ているのも、オカシナ村のメグちゃんなんです。

 …えぇ、そうです。だったら、恥ずかしくなんてありません。メグちゃんは、やっぱりメグちゃんなんですもの。

「僕が時々してあげるおはなしも、やっぱり、同じ『夢』の一つなんだ。だって、全部、オカシナ村のおはなしなんだからね」

 そうだったんです。やっぱり、あの夢も大好きなオカシナ村のおはなしの一つだったんです。

 …あっ……

「…でも…でも……」

 そうです! …そうなんです……

「…ユウタお兄ちゃんは…どうして、思い出せるの…?」

「それはね…う〜ん……

 あのね、いいかい? メグちゃん。絶対、サトミにはナイショにしてくれるかな」

 それは…困ってしまいます。

 ナイショのおはなしは、とってもドキドキします。うれしいんです。

 でも…大好きなお姉ちゃんには、おはなししたいこともあるんです…

 …モジモジしてしまいます。どうすれば、いいんでしょう……

 ……でも、ユウタお兄ちゃんは、やっぱりユウタお兄ちゃんなんです。とってもやさしいんです。

「まぁ、いいや。本当は、したらいけないこともしてるんだけど…

 サトミだって、言いふらしたりしないだろうからね」

「……!」

 ユウタお兄ちゃん…したらいけないことを、してるんでしょうか…

 ちょっぴり、不安になってしまいます。

「実はね、メグちゃん」

 ドキドキ……

「僕はね、こうして目をさましてる時にも、少しだけならオカシナ村をのぞくことができるんだ。それに、僕が夜ふかししてる時なんて、起きたばかりのオカシナ村の僕とおはなしすることもあるんだよ。

 でも、オカシナ村の僕は朝寝坊だから、なかなかうまく会えなくて……

 そんな時にはね、メグちゃん…」

「……」

「こっそり、僕は日記を読んでしまうんだよ」

「……!」

「オカシナ村の僕はね、毎日、ちゃぁんと、日記をつけてるんだ。その日記を、僕はオカシナ村の僕が眠ってる横で、そっとのぞいてるんだよ。

 その日記に書いてあるのは、オカシナ村の僕が本当にしてたことだから…それは、僕が見た夢と全く同じものになるんだよ」

「………」

 …どうしたらいいんでしょう……とっても、悲しくなってきます…

 自分のものではない日記を、こっそりと読むなんて……そんないけないこと、メグちゃんには、とても考えられません。

 もう、夢なんて、絶対、思い出したくありません。えぇ、そうです。

 とってもうれしかった夢を、マリちゃんやお姉ちゃんにおはなしできないのは、残念ですが……でも、でも、メグちゃんは悪い子になんて、なりたくないんです。

 …しょんぼりしてしまいます……

「メグちゃん?」

 ユウタお兄ちゃんが、心配そうに、そっとのぞきこんでくれます…

 ……でも……

「…ユウタお兄ちゃん…悪い人なの……?」

「え? あっ…」

 悲しくて…大好きなユウタお兄ちゃんを、ちらっと見上げて……

 でも、すぐにうつむいてしまいます。

 困ってしまっているのが…分かるんです……

 …だから……

 ぱっ! と立ち上がると、メグちゃんは大急ぎで、お兄ちゃんのお部屋から飛び出してしまいました。

「う〜ん…失敗だったかな…」

 ……でも……メグちゃんには、もう…そんなつぶやきは、聞こえていませんでした……


 …………………………………………


 大好きなユウタお兄ちゃんが、悪い人だったなんて……!

 いつも…あんなに楽しいおはなしをしてくれるのに……いつも、あんなにやさしくしてくれるのに……

 …でも……

 ……でも……

 本当に、ユウタお兄ちゃんは…悪い人なんでしょうか…

 …そうであってほしくありません。…えぇ、そうです。絶対、そうであってほしくないんです……

 だから…お家に帰って、すぐに…メグちゃんは、お姉ちゃんに全部おはなししたんです。

 ユウタお兄ちゃんがしてくれた、オカシナ村と『夢』のおはなしを…そして……

 …お兄ちゃんが、日記をこっそり読んでることも……

「ユウタお兄ちゃん…悪い人…なの……?」

 くすん…

 …とっても悲しいんです。とっても…とぉーっても……

 ……でも…お姉ちゃんは……

 …にっこり、笑ってくれたんです……

「ユウタくんは、いけないことなんてしてないよ」

「…?」

「だって、その日記は、オカシナ村のユウタくんが書いてるんだよ? ユウタくんが、ユウタくんの日記を読んだって、ちっともいけないことじゃないじゃない」

「……!」

 そうです! 日記は、オカシナ村に住んでる、ユウタお兄ちゃんが書いてるんです。オカシナ村に住んでいても、ユウタお兄ちゃんは、ユウタお兄ちゃんです。

「…よかった……」

 ユウタお兄ちゃんは…大好きなユウタお兄ちゃんは、やっぱり、悪い人ではなかったんです。…えぇ、やっぱり、そうだったんです……

 うれしくて…にこにこしてしまいます。

 ピンポーン!

「メグちゃん?」

 あっ! ユウタお兄ちゃんです。

「はーい…!」

 すっかり元気になって、メグちゃんは走り出していました。

 そのすぐ後を、お姉ちゃんもついてきてくれます。

(ちゃんと、あやまらないと…な)

 ユウタお兄ちゃんがそんなことを思ってるなんて、メグちゃんはちっとも知りません。

 だから、玄関まで飛び出したメグちゃんと、そのすぐ後ろにいるお姉ちゃんを見て、ユウタお兄ちゃんがどうしてほっとしたのか、メグちゃんには分かりませんでした。

「……?」

 きょとんと見上げると…お兄ちゃんは、なんだか照れてるみたいです。

「ねぇ、ボクにも『夢』のおはなしを聞かせてよ」

 お姉ちゃんがユウタお兄ちゃんにそう言うので、メグちゃんもワクワクしながらうなずきました。

 すると、ユウタお兄ちゃんが、にやっと笑って言ってくれたんです。

「仕方がないな。じゃぁ、今日は特別だぞ」

 大好きなユウタお兄ちゃんが、やさしく笑いかけてくれます…

 ……よかった…本当に、ユウタお兄ちゃんが悪い人でなくて…本当に、よかった……

 メグちゃんはうれしくて…うれしくて……

 …そっと…きれいなほほえみを浮かべていました……


 …………………………………………


「どんな夢を見てるのかな…」

 ベッドの中でにっこりしてるメグちゃんを見て…オカシナ村のサトミは、やさしくそっとほほえみました。

 きっと、明日になれば、ユウタくんがメグちゃんの代わりに、教えてくれるはずです…

 楽しい『夢』のおはなしを……

                                                                         『メグちゃんの夢』おわり


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