〈短編版〉灰色姫の導き手
エリノア・クリーヴランド公爵令嬢は転生者であり、乙女ゲームの悪役令嬢である。
乙女ゲームというのは、聖女の出てくる定番のアレであった。百年に一度の聖女選定の儀で選ばれたヒロインは、攻略対象とともに国を救うのである。
乙女ゲームでのエリノアは確かに驕った令嬢であったが、前世の記憶を持つエリノアはそんなことにはならないように細心の注意を払っていた。誰も破滅などしたくないからである。
エリノアは例の乙女ゲームのファンだった。だからその世界に転生していると気づいたとき、思わず小躍りしてしまったほどだ。
エリノアは原作の『エリノア』も、ヒロインであり聖女である『イヴ』も、王太子やそれ以外の攻略対象も、みんなみんな好きだった。ヒロインだろうがヒーローだろうが悪役だろうが、みんな違ってみんな良いのである。
けれど、エリノアは原作の『エリノア』のようには動かなかった。確かに乙女ゲームが大好きだったので、その通りに動けば原作を再現できるかも知れないとは思ったけれど、単にエリノアはエリノアで自分の身が可愛かったからだ。
ちなみに王太子とは別に婚約していなかった。今のところ婚約する予定もない。
それなりに人権意識の高いこの国ではそもそも婚約というのは普通本人たちの意志を尊重して十代の後半から二十代の序盤にかけて行われることが多かったし、そもそも王太子と王妹を母に持つエリノアは従兄妹同士である。当たり前のように婚約していた原作がおかしかったのだ。
さて、エリノアが『エリノア』であると自覚してから十余年が経ち、エリノアが十五歳の年に聖女選定の儀が行われた。
聖女とは祈りを通じて国に守りと恵みを齎すものである。百年に一度、国中の十五歳の女性の中から選ばれるものであった。
「さて、聖女様はどんな方かしら……」
聖女選定の儀で、ワクワクしながらエリノアは呟いた。
もちろん、乙女ゲームの原作を知っているエリノアは誰が聖女になるか知っている。けれど、よく考えれば悪役令嬢であるエリノアに前世の記憶があるということは、聖女であるイヴも原作とは中身が違う可能性に気づいたのだ。
原作のように、それはもう可愛らしく美しい純情可憐な乙女であるかも知れないし、そうではなくて前世の通俗小説であったように、聖女の権力を笠に着て横暴に振る舞おうとする転生者であるかも知れない。
この国で聖女というのはごく普通に要人であるので、後者だったらけっこう困るなぁ。そんなことを考えていれば、横合いから声をかけられた。
「楽しそうだね、エリノア」
王太子であるエルドレッドだった。公爵令嬢であると同時にエリノア自身が王族でもあるので、年の近い二人は隣に座っていたのだ。
慌てて、エリノアは公爵令嬢らしく取り繕った。
「えぇ、当代の聖女様はどのようなお方かと存じまして」
「心配ないさ。聖女様というのは、代々それはもう素晴らしいお方だと伝わっているよ」
ちなみにエリノア自身も十五歳なので、聖女選定の対象者である。
儀式の準備が整えば、公爵令嬢であるエリノアが真っ先に聖女選定の宝玉に手を翳した。宝玉は何の反応もなく、静かに煌めいている。
「……ま、そんなもんよね」
この国には山ほど女性がいるので、別に公爵令嬢だからどうこうというのはないのである。王家も公爵家も当たり前のこととして受け取ったのか、特に動じた様子はなかった。
このあとは身分の高い順に、女性たちが宝玉に手を翳していくのだ。
ちなみに国中で十五歳の全ての女性というだけではさすがに多すぎるので、事前に魔力の大きさで大部分を振り落とされている。この場に集まっているのは三百人ほどである。
前世の記憶を持つエリノアは、『正解』を知っている。ヒロインであるイヴは、最後の最後に順番が回ってくるはずだった。
つまりこれから三百人分を待たなくてはいけないのである。
一人の選定が終わるのには、十秒もかからない。一分におよそ六人が終わると考えたって、ざっくり五十分かかるのだ。
「さすがに暇すぎるわね……」
「聞こえてるよ」
王太子から笑い混じりに咎められて、エリノアは慌てて姿勢を正した。
事前に魔力で振り分けられていることもあって、やはり国民全体の割合と比較すると、いまこの場にいる少女は貴族の割合が多い。それでも、六割ほどが平民の少女である。
貴族が終わって、平民に順番が回ってくる。
そろそろイヴが出てくるはずだった。思わず身を乗り出したエリノアに、信じられない光景が飛び込んできた。
「……な、何あのドレス!」
「こら、エリノア! 聞こえるよ」
ちなみに二人とも、完璧な王族の表情を崩さないままのやり取りである。
イヴは美しい少女だった。非の打ちどころのない、神が作ったかのような造形である。さらりと流れるピンクの髪が誰よりも眼を惹いた。
だというのに、ドレスが。
この場にいる少女たちは、貴族も平民もみな一様にドレスを着ている。これは列席している王族に失礼がないようにするためでもあるし、この国を守っている神や精霊に失礼がないようにするためでもあった。
貴族令嬢にはドレスが用意できても、だいたいの平民の少女には自分でドレスを用意することが難しい。だから王宮はわざわざ、身分に関わらず全員が必ずドレスを着られるように準備するのである。
だからイヴが貴族ではなく、裕福な商家などでもないのであれば、ドレスは王宮が用意したもののはずだった。そのイヴが着ているドレスが、信じられないほど似合わないのである。
ストンとした灰色のドレスは、首元から指先まで覆うタイプのものだった。もうちょっと色合いが深ければ、喪服のように間違われそうなほどだ。
もともとイヴは髪色がピンクであり、肌も雪のように白い。だから差し色もない灰色ではイヴ本人がくすんでしまって、何とも辛気くさい雰囲気になってしまっていたのである。
いまこの場にいる少女たちは、宝玉に手を翳して反応がないことが判るその瞬間までは一人残らず聖女候補である。だから誰一人として例外なく、丁重に扱われるべき存在なのだ。
「……誰よ、聖女候補にあんな似合わないドレスを着させたのは!」
自前の侍女もいないのであれば、おそらく王宮のメイドたちがドレスを着させたはずである。不手際を考えて怒りに震えるエリノアを、エルドレッドがちょいちょいと突いた。
「灰色姫が手を翳すようだよ」
灰色姫と呼ばれたイヴは歩き方も拙く、背筋も丸まり、明らかに怯えていた。両手をぎゅっと握りしめながらどうにか宝玉の前まで歩いて、震える手を翳す。
その先の結果を、エリノアは知っていた。知っていてもなお、その光景は感動するものだった。
宝玉が光り輝き、空間全体を朝焼けのような光が満たしたのである。
それは命が生まれ、光輝く瞬間の景色だった。誰もが山頂から太陽が顔を出す瞬間の朝焼けの色を幻視したのだ。
あまりのことに、教会や王宮のものたちを含めて誰もがしばらく言葉を失っていた。ややあってようやく、宝玉の近くに立っていた聖職の一人が叫んだのだった。
「……せ、聖女様が決まりましてございます! 当代の聖女様はイヴ様です!」
わっと、人びとが喜びの声を上げて華やいだ。
さて、聖女が決まった瞬間にエリノアはイヴの元にすっ飛んでいった。聖女となった少女に、似合わない格好をさせておくままにはいかないからだ。
ちなみに当のイヴはと言えば、何が起きたのか判らないのか呆然として、それからすっ飛んできたエリノアに明らかに怯えていた。もの凄い勢いで仰け反られたのは失礼だった。
エリノアはちょっと傷ついたが、まぁ良いと自分を立て直した。聖女となったイヴには、これから礼儀や作法も叩き込む必要があった。
「良いかしら、聖女様」
聖女様、と呼ばれたイヴはきょとんとした。ピンときていないようだった。
「これから、当代の聖女様のお披露目があります」
おひろめ、と明らかに理解の及んでいない発音でイヴが反復した。
「そう、お披露目です。たくさんの人たちに、あなたのことを、知って頂くの。これから王宮に向かいます。王宮の前にはもう、新しい聖女様のお顔を見たいという人びとが集まっている」
じわじわと理解が追いついてきたのか、どんどんイヴの顔色が悪くなっていった。
そうしているうちに、王太子であるエルドレッドも追いついた。エリノアに耳打ちする。
「聖女様に似合いそうなドレスを用意するために、いま急いで遣いを走らせたよ。侍女たちが準備しているはずだ」
「よろしい」
エリノアは、問答無用でイヴの腕を引っつかんだ。イヴの引きつった悲鳴は無視をした。ここからは時間勝負である。
ふと気づいて、エリノアは問うた。
「お父様とお母様は、どちらにいらっしゃるの?」
イヴは混乱した顔をした。エリノアの言葉遣いに馴染みがなかったからだろう。
それから、ようやくというように口にした。
「き、来てない、来てない、です」
「……来てない? 聖女選定の場に、聖女候補のご両親が? お二人とも?」
詰めるような口調のエリノアに、イヴがほとんど半狂乱でこくこくと頷いた。
困惑して、エリノアはエルドレッドと顔を見合わせた。
何しろ国家の安寧に関わるので、聖女候補に選ばれた娘が逃げ出すのはこの国では罪にあたる。けれど確かに、その両親が儀に参加しないのは罪にはならない。
とはいえ、聖女に選ばれるにしろ選ばれないにしろ、この国の少女たちにとって聖女選定の儀はとても大切な場のはずである。だから大概は、家族が揃って参加していることが多いはずだった。
前世で例えるならば、小学校の入学式に両親不在であるような状況である。決して罪ではなく、あり得ない状況ではないが、少しばかり不自然ではある。
言葉にしがたい気持ち悪さをごまかすように、エリノアは咳払いした。
「……まぁ、良いわ。大教会と王宮は転移装置で繋がっています。馬車なんか使っていられないから、転移装置で向かうわよ」
「お、おかね、お金ないです……!」
泣きそうな声で言われて、何を言っているのかと問おうとして、エリノアは納得した。
たしかに民間の転移装置を使おうとすれば、それなりのお金がかかるものである。咄嗟にお金の心配をしたイヴは正しいのかも知れなかった。
けれど既に王族と同等の地位である聖女になったイヴがそんなことを心配する必要はないし、そもそも大教会と王宮を繋いでいるのは使えるものも限られる特別な転移装置である。
――と、いう説明が面倒臭くなったので、エリノアはエルドレッドと示し合わせてイヴを抱え上げた。
エリノアが特別に高身長というわけでもないのに、イヴはエリノアよりも頭一つほど小さかった。体も細いし、軽すぎる。
「あなた、ちゃんとご飯食べてる?」
「た、食べてる、食べてます!」
思わずというような問いかけに泡を吹きそうな勢いで答えるイヴを、ほとんど扉を蹴り開けるようにして開けた二人は転移装置に放り込んだ。
慌てた魔法士たちが装置を起動させ、三人は瞬きの間に王宮の一室に辿り着く。ほとんどイヴを引きずるようにしながら、エリノアとエルドレッドは王宮を駆け抜けた。
途中で王宮に遣わせた侍従が合流する。
「ドレスの用意は!」
「侍女たちに頼んであります! もともと聖女様が決まったら世話をするための侍女を用意してありましたので!」
エリノアに釣られてやや荒い口調で答えた侍従は、二人に引きずられて眼を回しているイヴを見て眼を剥いた。
「聖女様が吐きそうになってますが!」
「ンなもん後よ!」
用意されていた一室に駆け込んで、エリノアはイヴを放り込んだ。ここからは男性であるエルドレッドと侍従は別行動である。
イヴのペースに合わせていたら日付が変わるので、侍女たちはエリノアの指示に従ってイヴのドレスをひん剥いた。イヴの下着姿を見たエリノアが、わなわなと唇を震わせる。
年齢にしては、やたらと細いと思っていた。それもそのはずで、イヴは自分の胸を布で潰していたのである。
エリノアは叫んだ。魂の叫びだった。
「む、……胸の形が崩れるでしょうが!」
同じく女性である侍女たちも驚いて眼を見開いた。エリノアの叫びにうんうんと頷いている。
対してイヴは、涙目で自分の胸を隠した。
「ば、馬鹿にされるので……」
「は? 聖女であるあなたを馬鹿にするのはどこの誰よわたしの前に引っ立てなさい! あなたも悪いことをしたわけじゃないのにそんなことくらいで隠そうとするんじゃないわよ!」
イヴの必死の抵抗も虚しく、数人の侍女によって布はあっという間に取り払われた。
イヴが切実な悲鳴を上げる。さすがに気になったのか扉の向こうから護衛たちが扉を叩く音が聞こえたが、エリノアは叫び返した。
「騒がしくしてごめんなさいね、聖女様はご無事よ!」
布を取り払われたイヴの胸は、なるほど確かに豊かなものだった。細身のエリノアからすれば羨ましいくらいである。
ほとんど半泣きのイヴに、歴戦の侍女が微笑んで一枚の下着を差し出した。
「体を細身に見せる下着というのもございます。布で潰すよりよほど良いですよ。お胸が気になるようであれば、こちらを使いましょう」
普通の下着よりはマシだと思ったのか、イヴがようやくちょっと落ち着いて頷いた。
諦めたのか大人しく侍女のされるがままになりはじめたイヴに、エリノアがこんこんと言い聞かせる。
「良いかしら、聖女様。体型の維持って言うのはね、一に努力、二に努力よ! 積み重ねなの! 胸なんてのは整えてあげなきゃ崩れるし支えてあげなきゃ垂れるの。めちゃくちゃなことをしているのに、ある日突然素敵なお姫さまになるなんてことはないのよ!」
見た目は若いのに、もの凄く実感のこもった言葉だった。前世ではアラサーのOLであったエリノアの、魂の叫びである。
侍女たちも、年嵩の者ほどしみじみと頷いていた。それを見て、若い侍女たちが気を引き締める表情をしている。
何が何だかよく判らないという顔をしていたイヴも、とりあえずというように頷いた。それでいったん満足することにして、エリノアも頷いた。
「そもそもあなた、とってもお可愛らしいじゃない。どこの誰があなたを馬鹿にするのよ」
「が、学校の男の子たちが……馬鹿にしてくるのです……」
困り果てたようにへにょりと眉を下げて、イヴは言った。
実のところエリノアはイヴが聖女であることを前世の記憶から知っていたので、イヴのことを事前に調べ上げていた。
イヴは確か、地方の平民向けの中規模な学校に通っていたはずである。その中でイヴはずば抜けて頭が良く、大人たちからは神童とまで呼ばれているほどだった。
普通は周りよりも明らかに頭が良いと自分で気づけば、矜持や自尊心が強くなるはずである。どうしてこれほどイヴが自信なさげなのか、エリノアは理解できなかった。
可愛くて、頭が良い。たとえ平民だろうと、間違いなく勝ち組の人生である。
「あなた、頭も良いって聞いてるわ。馬鹿にしてくるほうが馬鹿なのよ」
首を傾げるエリノアに、何人かの侍女たちが顔を見合わせた。
「貴族令息ではあっという間に爪弾きにされるのでそんなことはほとんどありませんが、平民の男の子たちというのは、可愛らしい女の子を追い回して泣かせて喜ぶことがありますからね」
「それに田舎のそれほど頭の良くない学校であれば、頭の良い人間ほど馬鹿にされるというのは実際にあり得ることです」
口々に言ったのは男爵家や子爵家の令嬢で、遠縁や知り合いには平民の学校に通っているものもいるらしかった。
そういうこともあるのか、とエリノアは驚いた。前世ではそれなりに理解のある両親のもとで高学歴街道を驀進していたし、今世では公爵令嬢として生まれたので、そういう文化に馴染みがなかったのである。
そうしているうちにイヴは磨き上げられて、あっという間に素敵なお姫さまに変身した。やはりピンク髪で、小柄で幼い顔だちなのであれば、淡いパステルカラーのドレスが外さないのである。
胸が大きいからこそ細身のシルエットで、それでも気になるようなのでレースのボレロを着せた。ボレロ一枚あるだけで、イヴとしてはだいぶ気持ちが違うらしかった。
「よろしいかしら、聖女様? これからお披露目よ」
エリノアはがしりとイヴの肩を掴んだ。鬼気迫る勢いにまたイヴが怯え始めたが、エリノアは構わなかった。
「全ての女の子は、世界で一番お姫さまなの。あなたもそう。あなたも含めて、みんな、みんなよ。あなたが世界で一番のお姫さまよ」
そんなことを言われても、と顔に書いてあるイヴに、エリノアは言った。
「あなた、男の子たちに馬鹿にされていたって言ってたでしょう。どうしてだか判る? それはね、あなたがそうやって背筋を丸めて、視線を落として、自信なさそうにしてたからよ! ろくでもない男ほど、自信のなさそうな女に眼をつけるものなの!」
これはエリノアの、元社会人女性としての経験則だった。毎回毎回ろくでもない男にばかり引っかかっていた友人は、優しくて家庭的で仕事だってできたというのに、自分を卑下するのが癖になっていた。
エリノアはイヴの背中をばしりと叩いた。それは公爵令嬢と聖女のやり取りとしてはおそらく間違っていたけれど、イヴにはそれなりに効いたらしかった。
「しゃんとしなさい! 背筋を伸ばして、顎を上げて、自信をもって笑うの! あなた世界一可愛いんだから。世界はあなたのものよ! 女の子はみんなみんなそれで良いの。それでも判らなければ、いったんわたくしの真似をしなさい!」
言ってエリノアは、イヴにとびきり魅力的に笑いかけた。それを、イヴは、魅入られたように見ていた。
準備が出来たと判断したのか、扉がノックされる。
「開けても良いかい?」
「えぇ、どうぞ」
イヴをエスコートに現れたのは、王太子であるエルドレッドだった。ざっとイヴを眺めて、感嘆する。
「灰色姫が、随分と綺麗に咲いたね。女性というのは、凄いものだ」
エスコートと言われても、イヴには判らない。ぎしりと固まってしまったイヴの手を引っ張って、エルドレッドの腕にかけさせて、エリノアはイヴの姿勢をあちこち直してやった。
「このままよ、このまま。多少のミスは構わないけれど、背中だけは丸めちゃだめよ」
何度も何度も、エリノアは繰り返した。背筋を伸ばせ、視線を上げろ。
イヴはエリノアに正された姿勢のまま、こくりと頷いた。そうやってイヴは、エルドレッドとエリノアに導かれて、当代の聖女として人びとの前に姿を現したのである。
当初イヴは、一番最初の似合わない灰色のドレス姿を揶揄するように、灰色姫と呼ばれていた。けれどそのうちしゃんと背筋を伸ばして、誰よりも賢く美しくなって、口さがない人びとを黙らせていったのである。
ついでに言えば、イヴが聖女と公表された翌日に、王宮にイヴの両親が姿を見せた。両親は王族と同等の地位を得たイヴに金品を要求したので、聖女の足枷になると判断した王家によってあえなく放り出されることになった。
そうしてイヴがエリノアに懐いていることから、エリノアの義妹として、クリーヴランド公爵家に養女として入ることになったのである。
今日もイヴは、雛鳥のようにころころとエリノアについて回っている。
「お姉様!」
誰よりも可愛らしく美しく笑う聖女を、灰色姫と呼ぶ者はもういないだろう。
〈連作版〉https://ncode.syosetu.com/n7583mk/
特に意味なく思いついたので書きました。悪役令嬢とヒロインが対立しない悪役令嬢小説、ってのはもしかしたら初めて書いたかも知れません
これ実はヒロインは前世持ちで、前世からあんまり男のひとが得意じゃなくて、だから原作のヒロインと様子が違ったのですけれど、入れ込む隙がなかった、、悪役令嬢がオバチャンみたいに世話を焼き始めてしまったので
見た目は同じヒロインでも、中身によって魅力的かどうかって随分と違うよね、っていうのを言いたかった。上手く伝えられているかしら、、
聖女が小柄で軽かったのは、両親が聖女にほとんど無関心だったのもありますが、聖女が胸の大きさをからかわれるのが嫌で意図的に食事量を減らしていたというのがあります。入れ込めなかった、、
あとこれ途中の文章、小学校の入学式に両親が参加しなかった人たちが傷ついてしまうかも知れない、、と思ったのですが、他に上手い言い回しが思いつかなかったのです。申し訳ない。悪意はないのです
そもそも、普通って小学校の入学式に両親は参加するものなのでしょうか? ちょっとそのあたり認識が欠けているので、全く検討違いの文章を書いてしまっているかも知れません。ふわっとお読みくださいましー
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