5話 耐える者と支える者たち(威武菜珠架編)
こんにちは。ゆにです。
今日もみなさん元気いっぱいですか?
元気な方もそうじゃない方も、これ読んで気分を入れ替えましょう!
それでは『守るものと支えるもの』です!
私を守ってくれるみんなに影響されて、私も学校に行く覚悟を決めた。嫌な思いはたくさんするだろうけど、それでもちゃんと行くの。もう決めたから。
校門前に立つ。
「おはよう。」
そう挨拶をしてきたのは悠尋君だった。
「おはよう…。」
私は目を合わせずに俯いたまま小さな声で挨拶を交わす。それ以外に会話はしない。昨日、学校では私に関わらないほうがいいと、私から忠告したから。
周囲から「またきてるぜあいつ。」「帰れよ居場所ねーんだから。」などヒソヒソと罵声が聞こえる。私は無視して教室に行く。
私の教室は2年1組。悠尋君と同じ教室だ。
教室に入ると、何と私の机と椅子が元に戻ってた。きっと俊音くんや、誰かが元に戻してくれたのだろう。自分の席に座り、カバンから教科書や筆箱を取り出す。目を瞑って心の中で思った。
平常心…平常心…。と。
ここでも私の悪口が聞こえてくる。目を開けるのが辛い。心を落ち着かせるために、1分.2分.3分と目を瞑る。
だいぶ落ち着いてきた…慣れてきた。
心で自分に言い聞かせ、目を開く。やはり周囲からは鋭い目つきで見られている。耐えるしかない。机に目をやると、出したはずの筆箱が見当たらなくなった。周囲のコソコソ話が聞こえる。
あぁ、筆箱を隠したのね。
教室の前の扉から琉妃君が入ってくる。
「悠尋ー宿題写させてー。」
「自分でやれよ。てかクラス違うんだから宿題も違うでしょ。」
「あ、そっか。宿題も違うんだ。」
琉妃君は、悠尋君の席まで向かう途中に、私の席に筆箱を置いていったのだ。
あぁ、守るってこうやって守ってくれるんだね…。
心の中でそう思った。
いない者扱いされていたけれど、ちゃんと授業を受け、休み時間になった。
「なんかどっと疲れた…。空気感最悪…。」
水道で手を洗いながら、そう呟いた。
隣で生徒が笑っている。また私をコケにしているのだろう。
その生徒は私に水をかけようとした。
だけど、間に日和君が入って、日和君が水でびしょびしょになってしまった。
「なに…?」
日和君は、睨みながら言う。
「何でもないよ…。」
水をかけようとしてきた生徒は、気まずくなってなのか、颯爽と逃げていった。
授業中、何度丸められた紙を投げられたのか分からない。ただ私はそれに耐え続けるしかなかった。
そして下校時間になった。背後からの大声に、私は後ろを振り向いた。まさかの大きめの石が、私めがけてとんで来たのだ。でも私には当たらなかった。
「全く。怪我したらどうするのさ。本人の事も、治す人のことも考えなよ。」
石を塞いでくれたのは空介君だった。
「ありがとう。」
私はボソッと呟いた。みんなからの守りもあって私は無事に家まで辿り着いた。でも家の前にはまた、たくさんの人がいる。彼らは何かを持っていた。
「今から、何かと話題のこの家をぶっ壊したいと思いまーす!」
私は目を大きく見開いた。家の周りにハンマーを持った集団が集まっていたのだ。
そこに1人の少年が近づいた。悠尋君だ。
「なになに?何してるの?」
たった1人で彼らに話しかけていた。
「この家ぶっ壊すんだよ。お前もやるか?」
「やるやる。」
その瞬間、悠尋君は、敵の頭を木刀で思いっきり叩いたのだ。それはものすっごい、大きな音がした。
「ぶっ壊すってお前の頭でもいいんだよな。」
「お前!何しやがる!」
敵の標的は、私の家じゃなく、悠尋君に向いたのだった。
「言われた通りぶっ壊しただけだよ。君たち何人…?10.20.30…数えるのにめっちゃ時間がかかりそう。」
悠尋君は、数えるのを放棄した。それほどたくさんの人が集まっているのだ。
「分かってんのかお前。この家守ったら今度はお前が国から目をつけられるぜ。」
「結構結構。こちとらもう散々な目にあってるからね。これ以上奪われるものは何もない。」
その表情を見るに、覚悟は決まってるようだった。
「おーい!聞いたかみんなー!ぶっ壊しまくっていいらしいよ!」
悠尋(悠尋)君は、周囲に知らせるように叫んだ。
「お、まじでか!」
「守るためだね。」
悠尋(悠尋)君の言葉に、仲間が集まってきた。
きっと誰もが、この状況は絶対に一方的にやられるだろうって思うはず。でも私は知っている。彼らは強い。
「お前らたったの6人だろ。この人数相手にやれるわけねーだろ。」
ほらね。
「俺らからしたら負けるつもりはこれっぽっちもないから。」
日和君の言葉に敵が苛立ち始める。
「たかがガキに何がやれる!」
その言葉で大勢の敵が一気に6人に襲いかかったのだ。
「え…?」
一瞬。ほんの一瞬でほとんどの敵を倒してしまったのだ。
「待って…何これ…?」
さすがににビビった。「びっくりした」ってそんな可愛い言葉で収まらない。「ビビった」って言いたい。そう思ってしまうほど、この6人があまりにも強すぎたのだ。
戦闘中に琉妃君が私に語り出してきた。
「ええと。『なしゅか』ちゃんだっけ?」
私の名前は珠架。なしゅかではない。
でも琉妃君はわざと間違えたわけではなさそうだ。
「君の覚悟はとても凄いよ。あんな思いしてまで学校に行く勇気。俺には絶対にできない。でも立場とか気にしないでさ、頼ってもよかったんだよ。うちのメンバー。そう言うの気にしないからさ。」
分かってた。ほんとに全てがわかってたんだ。
きっと彼らは私の全てを受け入れてくれると。どんな状況であれ、私が俯いた時には、手を差し出してくれると。
「知ってるよ!」
私は笑顔で大声で言い放った。
「あとね!名前は!」
「『珠架』だろ!」
俊音君は、私の名前を知ってくれてた。
「でも『なしゅか』って呼び方も可愛いじゃん!」
「あぁ、俺間違えてたのか…。」
「なしゅか!君の大事なものは俺たちが絶対に守り通す!母ちゃんも父ちゃんも!みんな幸せでいれるように!」
あぁなんていい人たちなんだろう。
そんな時、何を言えばいいのかな。何を考えてるの私、答えは簡単じゃない。
「ありがとう!」
私は笑顔で感謝の言葉を伝えた。
「しっかり笑顔になったね。こんなの見てたら、怖いものなんてなくなっちゃうよね。」
弘明君が敵の攻撃を防いでる。本当に怖いものなんてない。
「なんか自然と不安がなくなってる!生きるのを無双してる感じ!」
何だろう。何だかだんだん楽しくなってきた。
「無双って…君も案外こっち側なんだし、無双してるって本当のことだよ。」
空介君が周囲を見て、バランスのいいように戦ってる。凄いな本当に…。
「よかったよ…私を想ってくれて…!」
心の底から感謝してる。
「まだ早いぜ!やることはただ一つ!なしゅかを守り、敵の殲滅だ!琉妃!得意分野に持ち込め!そのほかのみんなは暴れまくれ!」
日和君が仲間に指示を出している。凄いな…人を見て、効率のいいやり方を分かってるんだ。
「きっと…慣れてるんだろうね。もう、人助けやり慣れてるんだね!」
凄い…みんなすごい…。もう何も怖くないや。
残り敵はわずか。
「強いだろ。うちの連中は。」
「強い!すっごく強い!」
悠尋君の言葉を聞いて、私は胸に手を当てた。心がモヤモヤする。こんな感じ初めて。…欲しい。
私は両指で四角を作り、その中からみんなを覗き込む。
「素直になっていいんだ。頼りたい時は頼りたいって言えばいい!遠慮なんか一つもしないでさ!やりたいよーにやってこーぜ!」
その言葉を聞いて私は心の中の想いを話す決意をした。でもそれは今じゃない。
「この戦いが終わったらみんなに話したいことがあるの!」
私の言葉を聞いて、みんながわずかに笑った。
「それを聞くために、俺たちは絶対に守り通すしかないね!」
あまりの強さに、弱腰になる敵。
そこに少し風格の違う奴が現れた。
「いい。引っ込んでろ。」
そう言うと、すぐに悠尋君へ襲いかかったのだ。
「みんな…頑張って…!」
敵の攻撃を軽く受け流した。
「なんか初めてだな。俺たちの行いを応援されるのって。」
「何だかやる気が出るね。」
「あぁ!畳み掛けるぞ!」
悠尋君と琉妃君が話していた。
畳み掛ける。その一言でみんなのやる気が満ち溢れていた。さすがリーダーだ。
私はそわそわしている。そわそわなしゅかちゃんだ。
「早く…この戦いが終わって…みんなに伝えたい…!」
威武菜珠架。何か伝えたいってよ。
てことで威武菜珠架編、多分あと1話ですかね。
小説書きますって言っておきながら、ちゃんと小説が出来上がってるのか分かりませんが、最後までお付き合いください。
次回 『2つの家族』




