4話 家族の正義感(威武菜珠架編)
こんにちは。ゆにです!
威武菜珠架編の続きです!2話目です!
楽しんでいってください!
私は学校を後にして、家まで帰る。
「なんで…私何かした…?」
家の前の壁にたくさん落書きされているのを見る。
「何これ…家出た時はなかったのに…。」
急いで家に入り、玄関で叫ぶように母と父に声をかける。
「ねえどう言うことなの!?お母さん!お父さん!」
母と父は目を合わせてため息をつく。
ついにその日が来てしまったと。
そのような雰囲気を出していた。
「隠し通すことは無理だったみたいね。」
「ねえ教えて。どう言うことなの?」
母は呼吸を整え、真剣に語り出す。
「ごめんなさいね。私たちは昔、国の偉いと言い合いになってね。」
母の声は、いつも通りの声ではなく、声色が低く、悲しむような声だった。
「私たちね。珠架ちゃんが生まれる前まではちょっとだけお金持ちだったの。
そんな時かな、国の偉いと言い合いになったのは。
珠架ちゃんを産むお金と、たったの数万円を残し、それ以外は全部持っていかれちゃった。」
私は母の言葉を聞いた。
でも不思議と驚きはしなかったのは、今日は出来事は人生でいちばんのイレギュラーな事だと、恐怖と焦りが表れていたからだろう。
「そうなんだ…でも何で言い合いになったの?」
父が口を開く
「奴らのイカれ具合を目の前で見てしまったからな。
街を荒らすわ、人の命を奪うわ、それが目の前で起こった。
俺らも怒りを抑えきれなくなってしまってな。」
「まさかお父さんたちが…。」
「そうだ。子供の命を救って何が悪い。
俺たちは当たり前のことをしただけだ。
こう言う行動がこんな事態を招くこともあるからな。
お前は誤った大人にはなるなよ。」
父の言葉を聞いて、私は初めて父のことをかっこいいと思い、こうも肝が座ってる人なんだと尊敬した。
「かっこいいよ。初めて感じたよお父さんのこと。
かっこいいって思った。
だから誤った大人なんかじゃない。
お父さんは立派な大人だよ。」
父は目を大きく見開く。
「馬鹿言うな。我が子には幸せになってほしいだけだ。」
照れながらも、本音を口にした。
その姿を見て、私はこの夫婦の間に生まれてよかったと改めて思った。普通が1番だと…感じてしまった。
「人生をかけて人助けできる人は尊敬するよ。」
言葉を発しながら母と父の間に入る。
「私も困ってる人に手を差し出してあげれるような、そんな大人な私もなりたいかな。」
親子3人が目を合わせ、緊迫した状況の中に一瞬、微笑ましい空気が生まれた。
それも束の間、家の外から大きな物音が聞こえた。
「きゃっ!誰かの声が聞こえる…!」
すぐさま今の状況に怯えてしまった。
父は辺りを見渡し、玄関の方へ歩いて行く。
「ちょっと出かけてくるわ。母さん。珠架を頼む。」
「待ってよお父さん!」
外へ出ようとする父の腕を掴み、声にはならなかったけど「いかないで。」と必死に伝えた。
その想いはちゃんと伝わったみたい。
「珠架。大丈夫だ。心配はない。
ただ口喧嘩をしてくるだけだ。」
父がほんのりと笑顔を見せた。
「生まれてきてくれてありがとな。
それと母さん。愛してる。」
「ええ。」
父の言葉に母が返した。
父に私の思いはしっかりと届いていたけど、もう覚悟が決まってるようだ。
父の腕を握る私の手をさらっと振り払った。
簡単に振り払われたのは、きっと私が泣いていて、力が入っていなかったのだろう。
父は外に出た。
「出てきたぞ!金をよこせ!」
たくさんの罵詈雑言が聞こえた。
「だまれ。うちの大切な家族には指一本触れさせん。」
家を守るように、大きく腕を広げていた。
「どうせお前の家族。みーんな死ぬんだよ!」
敵の言葉に言い返す。
「死なないぞ。国の言いなりビビリやろう。」
遊び感覚で来ていた敵はその言葉を聞いて苛立ち始めた。
「殺しても?」
「問題ねえ。」
「じゃあ殺すか!」
敵の会話が聞こえた。
敵が一斉に襲って来たのと同時に、目を強く瞑った。
目を瞑り、真っ暗な世界が長く続く。
目を開くと、目の前に、大勢の敵が倒れていた。
「まじか、こんなすぐに戦闘かよ。
何の時間稼ぎもできやしねーな。」
父が目を瞑ってる間に、少年が1人で、大勢の敵を倒していた。
「誰だてめえ。邪魔すんならてめえも殺すぞ!」
「やれるもんならやってみろよバーカ。」
父は衝撃を受けた。
たった1人の少年に、命を救われたのだ。
「大丈夫ですか?
家の外からこっそり話を聞いていました。
一つ間違っていますよ。
あなたも最後まで、家族を守ってください。」
少年のその言葉に父は顔色を変えずに涙を流していた。
「最後までか…。自画自賛だが、仲睦まじい家族仲。
誰一人とも欠けたら、泣いて悲しむのは目に見えてるからな。」
少年と父の会話を私は聞いた。
その会話を聞いて、私はもっと涙してしまった。
「あれ、お父さん…泣いてる…?
それにあの人って、さっきの…。」
少年は、父を守るように前に立ち、残りの敵に剣を向けた。
「さあ相手は俺一人だ!倒してみろよ!」
そういい、敵は少年1人に襲いかかった。
敵の攻撃は全て防ぎ、あまりにも速すぎるスピードで、敵の1人1人を倒していた。
「あいつ…すごい剣捌き。」
「それにたった1人の子供だぞ!」
敵の言葉に少年は言葉を発した。
「舐められてんね。子供だから?」
そういい、さらに戦い続ける。
あまりにも一方的だ。
その少年に私は瞳が釘付けになり、あまりの凄さに感動してしまった。
少年のあまりの強さに、敵は戦場から1人、また1人とその場から去っていった。
「情けねーなぁ。子供1人だぞ?
まあ仕方ないか。最強だし。」
私はいてもたってもいられず、お父さんに抱きついた。
生きててよかった。本当にただ、それだけだった。
「彼が助けてくれたんだ。」
「うん。見てたよ。あなた速橋俊音君だよね?」
私は彼を知っている。
今日学校で私に声をかけてくれた男の子。
私が名前を知ってたことに、彼は驚いている。
「何かと目立ってるじゃん君。」
「そうかな?」
「そうだよ。助けてくれてありがとう。」
同級生だけど、私は深く頭を下げた。
それほど家族を救ってくれたことに感謝をしているのだ。
「こんなに早く奴らが襲ってくるとは思わなかった。
しばらく近くにいていい?
何かあったら助けるからさ。」
俊音君はしばらく私の家族のそばにいさせてと提案をしてきた。
私は根っから彼を信用している。
さっきの戦いを見たことで、安心をしていた。
「そりゃあもちろん。すっごくありがたいよ。」
私はすぐさまOKと、返事を出した。
すると母が質問をした。
「どうしてあなたがこの事を知ってるの?
まさか、学校で珠架に何かあった?」
私はその発言に少し怯えながらも、俊音君言葉を返した。
「そりゃあ。あんなの見たらおおよその事態は俺でも察することができますよ。」
やはり誰から見ても、私はそんなふうに見られていたのだ。
私は俯いて黙り込んだ。
「どうか…珠架をよろしくお願いします。」
母は俊音君に、頭を深く下げてお願いする。
「任せてください。」
すると父が、玄関を開けた。
「さあ家に入りなさい。君も。」
「はい!失礼します!」
しばらくは何もなく時がたった。
会話もなく、ただ刻一刻と時が過ぎ、16時になった。
私はボソッと呟いた。
「はぁあ。もう学校行けないな。」
この言葉を聞いて彼は口を開いた。
「何も気にしないでいいよ。
ほんのひととき。たかが国のことで差別を受けること自体間違ってる。
君は堂々としていればいいよ。」
その言葉は優しかった。でも彼と私は性格が違う。
「俊音くんはこういう時堂々とできるかもしれないけど、私には無理。控えめだから私。」
俊音君は立ち上がり、元気に言った。
「ま!俺たちに頼れ!」
さっきから彼はソワソワしてる。
何やら時間が気になるみたいだ。
「どうしたの?さっきから時間を気にしてるみたいだけど。」
「仲間を待ってる。そろそろ学校終わる時間だろ?」
彼の発言を何気なく聞いてたけど、時間差で衝撃を受けた。
「ってえ!?学校に仲間さんいるの!?」
「あ、やべ。言っちゃった。」
彼は何やら秘密を話したみたいだった。
「秘密にしてるなら聞かないよ。
聞いたとしても誰にも言わない。てか言えない…。」
私はもう、学校にもどこにも、居場所がないのだから。
「みんな君を守るために集まるんだ。」
「私なんかを守ってくれるのかな…。
私今すごく嫌われてるよ学校でね。」
「大丈夫!俺が今、君の近くにいるのって、学校にいる仲間から言われたからなんだ。
学校を遅刻して出席してないから、休んで君のそばにいてってね。」
その言葉を聞いて、私は微かに笑った。
「何それ。面白いんだね君たちって。」
話している最中に、彼の携帯に連絡が入る。
「あ、みんながこっちに向かってるって。」
彼の仲間たちが、私の家に向かってくれてると、連絡が入ったらしい。
でも私は申し訳なさを感じていた。
たった一つの家族を守るためだけに、彼らがこれから先、生きにくくなっていくのではないかと、不安を募っている。
「ありがとう。でもみんなに危険が及ぶのなら戸惑いなく逃げてくれて構わないよ。
実際これは私たち家族の問題だから。」
そう。これは私たち家族の問題なのだ。
彼らには一切何も関係がない。
「君は俺たちの強さを分かっていないね。
多分君が思ってるより何倍も強いよ。
きっとびっくりする。」
会話をしてるうちに「ピンポーン」とチャイムが鳴り響く。
「はや!」
ついさっき連絡が来たのに、チャイムがなるあまりの早さに私は驚いた。
「俺が出るよ。」
彼が玄関の前まで歩いていく。
そして扉越しに声をかける。
「合言葉は?」
「いや、合言葉って何?」
何やらどこかで聞き覚えのある男の子の声が聞こえた。
「あぁその声!悠尋だ!」
彼は合言葉を確認もせずに扉を開けた。
果たしてセキュリティとして大丈夫なのか。問題なのか。
「合言葉って何だよ!」
どうやら合言葉は存在しないらしい。
「あ、こんにちは。俊音から話は聞いたよ。」
やはり聞き覚えのある声は、この男の子だったのだ。
「あれ、同じクラスの宮地悠尋君?」
「そう。あってるよ。」
彼とは、同じクラスなだけでほとんど会話もしたことがない。
唯一話したのは授業でペアになった時ぐらい。
ほとんど接点がないのだ。
私から見る彼は、何でもそつなくこなすあまり特徴のない男の子だと思っていた。
「それに、日和君と空介君もいる。」
「あれ、知り合い?」
「まあ、同じ小学校だったから。」
私の通う上栖鳥中学校は、朝の日小学校と、朝の日新小学校と、私の通っていた上栖鳥小学校の3つの小学校から進学してくるのだ。
「それにもう2人は分からないけど…君たちが仲間なんだね。」
いたって普通の中学生の6人組。
彼らが私達、家族のために人生を賭けてくれる。
俊音君の強さを見たから、とても心強かった。
「さっきの俊音君の戦い見てたの。
1人であの大勢に勝つなんて本当に強いことがわかったの。」
「あぁ。これからは俺たちみんなで…君を守るよ。」
こんな人たちが私のために頑張ってくれることに、私も強く決心した。
「みんなが私を守ってくれるのなら…私も覚悟を決めないとだね。
学校には毎日登校する。
無視されてもその場に居続けるから。」
目を瞑った。
「だから…学校じゃ私に関わらないほうがいいかも。」
立場も立場だ。学校じゃ私は嫌われ者。
みんなは普通の生徒。
人目のあるところでは関わらないほうがいいだろう。
「君が望むのならその通りにするよ。
でも何かあったら俺たちは手を出すつもりだ。」
悠尋君の発言に私は頷いた。
「わかった。じゃあそういう約束でね。」
「うん。約束だ。」
私は悠尋君と小指を結んだことで、だんだんと不安が解消されていき、いつもの調子に戻ってきた。
「私を守ってくれるなんて、とてもいい人たちなんだね!」
この言葉を聞いて、彼らはわずかに笑った。
「困ってる人は助けなきゃだからね。」
こうして私は、明日も学校へ足を運ぶ。
威武菜珠架、何やら学校に行くらしいです。
小説にしたら結構文字数いきますね。
威武菜珠架編は本当は2話くらいで終わる予定だったんですが、気づいたら4〜5話くらいになりそうです。
最後までお付き合いください!
次回 『耐える者と支える者たち』




