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LEGEND SPIRIT 〜後に伝説と呼ばれる者たち〜  作者: ゆに


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2/10

2話 思い違い

また会いましたね。ゆにです。

LEGEND SPIRITを読んでくださりありがとうございます。


今回は第2話 『思い違い』です!

楽しんでいってくださいね!

宮地たち6人が国のトップから与えられた家で過ごしている際、不用心にも玄関が開く音がする。


「よお。」


やって来たのは我竜天聖だった。


「我竜。お前また城から抜け出して来たのか?」


「姫様についてないでいいのー?」


俺の次に話し出したのは魔条琉妃まじょうるきだ。

頭は悪いが戦闘センスはピカイチ。

相手の不意を突く、トリッキーな動きを得意としている。


「今は大丈夫だ。」

「それで何の用だ?」

「用っていう用ではないんだけどな。」


ズボンのポケットから6つの封筒を取り出し、テーブルに封筒を置いた。


「さっき外で日暮に会ってな。

お前らの給料預かったから持って来てやった。」

「お前絶対中身とっただろ。」


我竜の発言に疑いをかけるのは速橋俊音はやはししゅん

彼は頭が悪い。多分琉妃よりも。

とにかく速い。

速さを武器に戦うことを得意としている。


「俺は屋敷というホワイト企業に勤めてるんだ。そんなはした金いらねーよ。」


速橋な発言に我竜は笑いながら答える


「まあとりあえず受け取っておこうよ。

ありがとね。我竜。」


彼は医畑空介いはたくうすけ

医療に詳しく、戦闘面においては何でもそつなくこなしていく器用人だ。


「じゃあ俺は帰るぜ。姫様が待ってるからよ。

じゃーな。」


日暮から預かった給料を渡しては颯爽と家から出ていく。家の扉をしめるとすぐに、「渡したか?」と声が聞こえた。


「自分で渡せばいいのに。

わざわざ屋敷抜け出して来たんだぜ。」

「それはすまん。

代わりに月夜と朝陽を屋敷に送った。これでおあいこだ。」


我竜に声をかけたのは日暮だ。


「俺もあんまり屋敷から抜け出せないんだからな。

って言うか素直になれよ。

あいつら、日暮が寄り添っても嫌な顔ひとつしないと思うぞ。」


その言葉を聞いて「分かってるよ。」と言わんばかりに静かに息を吐いて空を見上げた。


「身分ってのがあるだろ。

俺は偉いだ。あいつらの嫌いな偉い。

自分は全く関与していなくとも、悪人だと一括りにされる。」


その言葉を聞いて我竜は肩をすくめて小さく笑う。


「不器用なこった。あいつらの中に1人。あんたら4人を最初から信用してる奴もいるってのによ。」


その言葉を聞いて日暮は目を大きく見開き、思わず身を乗り出した。


「え!誰だ!?」


だが我竜は、それ以上答えることはなく、意味深な笑みを浮かべるだけだった。


――――――――――


我竜が屋敷へ帰還後、西蓮寺と新咲は帰路についていた。夕暮れの街を歩きつつ、西蓮寺はふと口を開いた。


「でも不思議ね。

あんたと歩いてると、誰からも嫌な顔ひとつもされない。」


隣を歩く新咲は、少しだけ微笑む。


「それはそうですよ。

国民の上に出すべき人は、国民に良さそうものです。

私はずっと……包み隠さず国民を守って来ましたからね。」


西蓮寺は腕を組み、どこか疑うように新咲を見た。


「それだけじゃないと思うんだけどな。

国のトップにモデル活動。

ファッションショーや雑誌なんかにも引っ張りだこ。

むしろそっちの方が影響してるんじゃない?」

「そうですね。」


新咲は考えるように視線を落とした。


「そういえば、あの子供たちの中に1人、私のファンがいるんですよ。少し気になります。」

「あーそう?」


西蓮寺はつまらなそうにしている。


「私も1人、気になる奴がいてさ。

なーんか気に入らないガキ。

分からせてやりたい。」


新咲はすぐに返した。


「あなたの場合はみんな気に入らないでしょ。」

「あんたね…。」


西蓮寺は開かれたようにため息をついた。


――――――――――


やがて2人は職場に戻る。

だが職場の入り口は、いつになく騒がしかった。


「わーかった。わーかった。落ち着け落ち着け!」


必死に人々をなだめているのは又中だった。

西蓮寺が近づく。


「どうしたの?」

「国民が押しいってきてさ。」

「あー、またいつものね。」


西蓮寺は軽く肩をすくめる。


「月夜。」

「はい。」


新咲が一歩前へ出た。

ざわめく国民たちの前に立ち、落ち着いた声で語りかける。


「皆さん落ち着いてください!

私たちは前の偉いたちとは違いますよ!

ちゃんと国民の皆さんに寄り添っています。

もう皆さんを不安がらせることは一切致しません!」


その言葉を聞いた人々の表情が少しずつ緩んでいく。


「まあ…新咲さんが言うなら…。」


やがて人々は納得したようで、その場から離れていった。

西蓮寺が感心したように言う。


「あんたすごいね。」


新咲は控えめに首を振った。


「いいえ。それほどでもありませんよ。」


その時、又中は背後の物陰から視線を感じた。

それは決して殺意とかではなく、キラキラと輝くような視線を感じた。


「ん?」


少し離れた場所に人影が立っていた。

又中はゆっくりと近寄った。


「どうしたんだ。小学生。」

「いや、中学生です。」


ツッコミを入れたかのように素早く返したのは堅弘明だった。


「騒ぎがあったから見に来ただけですが…。」

「そうか。」


又中は少し苦笑する。


「嫌なもん見せちまったな。」

「いえいえとんでもない!」


弘明は勢いよく言った。


「俺、皆さんと良好な関係を築きたいです。是非、うちに顔出しに来てくれませんか?」


その言葉に、又中は一瞬だけ目を丸くする。


「俺もだよ。俺たちも良好な関係を築きたい。

でもな。俺らは嫌われもんだ。お前らの嫌いな存在。」


しかし少年は迷わなかった。


「関係ありません。

あなた達。日本のトップですよね。」


そしてまっすぐ又中を見つめる。


「国民は愚か、中学生6人も満足させられないんですか?」


又中は思わず笑った。


「言ってくれるじゃねーか。」


弘明は静かに頭を下げる。


「俺待ってますから。

皆さんが顔出しに来てくれるの。」


又中は頷いた。


「日暮に相談しておくよ。」

「はい…!」


弘明はどこか嬉しそうにその場を後にする。

又中はその背中を見送りながら、ポツリと呟いた。


「堅弘明。面白い奴だ。」


――――――――――


数日後、6人の家に、チャイムの音が響いた。

扉を開けるとそこに立っていたのは日暮だった。


「よお。お前達。」


宮地が少し警戒したような目で見る。


「何の用ですか?」


日暮は頭を掻きながら苦笑した。


「別に用ってわけではないんだがな…。」


日暮は固唾を飲み、少しだけ視線を落とした。

その緊迫した空気に耐えれなく、一歩後ろへ下がる。


「悪い。邪魔したな。また今度にするわ。」


その時だった。


「待ってください!」


弘明が慌てて声を上げる。


「せっかく来てくれたんだし、ゆっくりゲームでもして行ってくださいよ。

結構給料頂けるので、ゲーム買ったんですよ。」


すると日和が呆れたように言う。


「弘明。この人たちがゲームなんかするわけないだろ。」


だが日暮は目を輝かせていた。

きっと仲良くなるための一歩目なんだと感じていた。


「いいぞ。やろうか。」

「え!?やるんですか!?」


日和が思わず声を上げる。


「あぁ。結構得意なんだぞ。」

「へぇ…意外…。」


医畑がポツリと呟いた。


「じゃあこのレースゲームでいいですか?」


弘明がゲームを取り出す。


「おう。」


日暮は軽く頷いた。


――――――――――


しばらくして、部屋の中はすっかりにぎやかな空気に包まれていた。


「あの。すいません。」


魔条が困ったように言う。


「なんかずっと後ろにへばりついて、イタズラしてくる人がいるんですけど…。」


その言葉を聞いて西蓮寺は大袈裟に驚いた。


「へえ!そんな人いるの!?

信じられない!誰だろうね!」


魔条が西蓮寺をじっと見る


「あなたですよ。」

「また負けたー!」


速橋が叫ぶ。


「新咲さん強いです!さすが憧れます!」


新咲は穏やかに微笑んだ。


「俊音さんも結構お強いですね。」


ふと、新咲の視線が棚の方へ向く。

そこには自分の写真集が並んでいた。

速橋は見られてることに気づき、顔を赤くする。


「あ……えへへ…。」


その様子を見ながら又中は弘明に声をかけた。


「ありがとな弘明。

俺もあんな空気ぶち壊したかったんだ。

お前らとは良好な関係でいたい。」


弘明はまっすぐ言った。


「お互い様ですね!」

「あぁ。」


又中は嬉しそうに笑う。


日暮が声を張って発言する。


「ほらお前ら!次一位になった奴にご馳走を奢ってやろう!」

「それは燃えますね…。」


新咲が目を輝かせる。

だが日暮がすぐに止めた。


「月夜。お前は強すぎるからダメだ。」

「えぇ…酷いです…。」


新咲が肩を落とす。

それを見て西蓮寺がニヤリと笑った。


「じゃあ私が一位をもらうわ!」


すぐさま魔条が返す。


「あなた嫌がらせばっかり。そんなんじゃ一位取れないですよ。」

「嫌がらせするのはあんただけよ。」


そのやりとりを見て、日和が笑う。


「結構琉妃の事気に入ってるんですね。」


西蓮寺が眉をひそめる。


「は?まさか。馬鹿言わないでくれる?気に食わないだけよ。笑顔も心の奥も。」

「ひど……。」


魔条は肩を落とした。


――――――――――


結局その後、みんなで食事に行くことになった。

もちろん日暮の奢りだ。


「結局みんな、ご馳走奢ってもらえるんですね。」


速橋が嬉しそうに言う。

宮地がふと日暮に尋ねた。


「それで今日は何の用事だったんですか?」


日暮は少し考える様子を見せた。


「用事なんてねーさ。」


そして軽く笑う


「ただお前らと親しくなりたかっただけだ。お前ら、俺らを毛嫌いしてただろ。」


宮地は正直に答える。


「そりゃあ国のトップって平気で悪さばっかりしてましたし…。」


日暮が首を横に振る


「俺らはしてねえ。むしろ国民を思って行動してたさ。」


少しだけ真剣な顔をする。


「そんな4人だ。だから正直感謝してんだよ。俺らがやっと正面から国を思い、国民を思い、堂々と活動できることにな。」

「私は別にどっちでもいいけどねー。」


西蓮寺が気のない声で言う。

すると新咲が微笑みながら言った。


「とか言っておきながら、国民からの依頼断れないんですよね。」

「ちょっと月夜!」


西蓮寺が慌てて声を上げ、新咲はクスリと笑った。


やっと慣れた。やっとこいつらと笑い合えた。幸せな日常だ。ずっと…これからもずっと…こいつらと一緒に国を守っていきてえな。


――――――――――


それから数日後、中学までの登校中に、宮地が手を振った。


「日暮さん!おはようございます!」

「おはよう。みんな仲良く登校か?」


日暮が笑う。

速橋が胸を張った。


「俺ら最強に仲良いから!」


そう言って魔条と肩を組む。


「よかったですね。仲がいいのはいいことです。」


新咲が微笑む。

西蓮寺は魔条を見て言った。


「だってよ馬鹿緑。せいぜい友達を裏切らないように。


魔条が呆れた顔をする。


「何言ってるんですか?ちょっとおかしいですよ。」

「はいぶっころー!」


西蓮寺が追いかけようとした瞬間、又中が襟を掴んだ。


「ほらほら落ち着け馬鹿。」

「誰が馬鹿よ!あんた年下のくせに生意気すぎ!」

「お前ら、気をつけて登校しろよ!」

「え、無視…?」


又中が西蓮寺を軽くあしらい、西蓮寺が呆然とする。

気をつけて登校しろと言う言葉に、弘明は元気に返事をした。


「はい!ありがとうございます!」


日田も続く。


「またなんかあったらいつでも来てください。」

「またゲームしましょー!」


速橋が手を振る。


「ご馳走食べに連れて行ってください。」


医畑も言った。


「お前らな…。」


そして大きな声で行った。


「早く行ってこい!学校遅刻するぞ!」

「はーい!それじゃあ日暮さん!」


宮地達は手を振りながら歩いていく。


「おう。」


江原達も手を軽く上げて応えた。




こうして、俺たちの物語は始まったんだ。


ここまでは関係改善編みたいな感じでしたね。

さ!こうやって俺たちの物語が始まったらしいんで、皆さん是非最後まで付き合ってくださいね!


次回は 第3話『普通の家族』となっています!

威武菜珠架編です!お楽しみに!

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