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LEGEND SPIRIT 〜後に伝説と呼ばれる者たち〜  作者: ゆに


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13話 好き勝手やれる街

こんにちは。ゆにです。


蘭忌妃編3話目ですね。

楽しんでいってください!

蘭忌妃らんきひ琉妃るきは、燐冥冠りんめいかんに走って向かった。


「燐冥冠到着。」


息一つ乱さず、琉妃るきは足を止めた。

その隣で蘭忌妃らんきひは肩を回しながら笑う。


「さすがだな。全力で走ったのに着いて来れるとは。

体力あるじゃないか。」

「着いてきて欲しいならさ、置いて行く走り方しないのよ普通。…ってか、体力化け物だね。」

「毎日鍛えてるからな。」


琉妃るきは言う。


「それで、どこ?」

「そりゃあここだろ。」


視線の先ーー燐冥冠・一番街


夜だと言うのに、店の灯りが通りを昼のように照らし、酒と食べ物の匂いが混ざりあっている。

人の気配は濃く、騒がしさもある。

だがその奥に、どこか歪んだ空気が沈んでいた。


「やっぱり一番街ね。」

「やる側の気持ちになってみろよ。

ここが1番だろ。」

「まあね。店も多いし、酒もある。

……暴れるにはちょうどいい場所。」

「夜でも明るいしな。最高の戦闘場所だ。」


蘭忌妃らんきひは楽しげに笑った。

ーーその瞬間店の中から怒鳴り声が響いた。


――――――――――


「もういい加減にしてください!

戦はとうに終わってるんですよ!」


扉越しでも分かるほどの必死な声だ。


「あ?終わってねーよ。」


低く、荒れた男の声が聞こえた。


「これからクソガキどもを殺しに行くんだよ。

腹ごしらえくらい気持ち良くさせろ!」

「毎日毎日こうやって…!

こっちはもう、店を回す余裕すら残っていないんです!」


言葉は悲鳴に近かった。


「ごちゃごちゃうるせえな!」


男の低い声がさらに響き、店員に拳を振おうとした。

その瞬間。


「おっと、何やってんの?」


蘭忌妃らんきひが男の拳を掴んでいた。


「なんだこいつ…!」


男は蘭忌妃らんきひを睨みつけるが、全く気にする様子もなく、店員へ柔らかく笑いかける。


「大丈夫?お嬢さん。」

「は、はい…すみません…。」


震える声に軽く頷き、蘭忌妃らんきひはゆっくりと男の方に振り返った。

その笑みが、すっと消える。


「ねえこれってさ。立派な犯罪だよね。」


静かな声だった。


「それすら分からないの?あんたら馬鹿なの?」

「なんだと……」


空気が一気に張り詰める。


「そんなに暴れたいならさ、俺とやろうよ。

連勝記録破られてさ、ちょっとムカついてんだよね。」


挑発的に笑った。


「タダ飯食らって元気有り余ってんだろ?

俺なんかに負けないよな?」

「……上等だ。殺してやる!」


男が踏み込む

だがーー


「はいストップ。」


その声は琉妃るきだった。


「そんなに煽ってどうするの?」

「いやさ、前から思ってたんだけど。」


蘭忌妃らんきひは肩をすくめる。


「相当な馬鹿みたいだからさ。今はネット社会。

戦が終わってるなんて、みんな知ってるのよ。」


蘭忌妃らんきひは視線を店員に向けた。


「ねえ、お嬢さん。」

「ええ……誰もが知っています。」


その言葉に、男の顔が歪んだ。


「終わってねぇ!終わってねえんだよ!」


その叫び声は、怒りに近かった。


「俺はな、好き勝手やれるこの街が好きなんだよ!

今は縛られすぎなんだよ!」

「だからって犯罪していい理由にはならねえだろ。」


言葉と同時に、拳が交差した。

男の体が吹き飛び、床を転がる。


「違えよ…!」


鼻血を拭いながら、男は立ち上がった。


「これが俺らの育ち方なんだ!」


蘭忌妃らんきひの目が、わずかに細くなる。


「これが"お前らの"ね…。」


一歩踏み込む


「その理屈で言うとさ、真面目に働いてる人はなんだよ。」


さらに一歩、また一歩歩き出す


「ただの馬鹿か?」


鋭い目つきを、男に向けた。


「ーーそんなの許されるわけねえだろ。」


男は崩れ落ち、そのまま動かなくなった。

周囲は静寂と化していた。


「頭を冷やせ。」


蘭忌妃らんきひは、残った連中を見渡した。


「さあどうする?金魚のフンたち。」

「やばくね…?」

「逃げるか…?」


ざわつく中ーー


「逃げんなよ。」


低い声が、空気を裂いた。

店の入り口に男が立っていた。


「クソガキに復讐すんだろ?

ならこんなところで折れるなや。」

桐木きりきさん…。

そ、そうだよな……!」


再び、敵意が燃え上がった。


「お嬢さん、裏に。ここ危ないですよ。」

「は、はい…ありがとうございます…。」


店員は慌てて店の裏へと下がった。

その背中を見届けた琉妃るきは軽く息を吐いた。


「さてと、助太刀しようかな。」


蘭忌妃らんきひがニヤリと笑った。


「遅えよ。」


2人が並んだ。

その瞬間、空気が変わった。

数の差など関係ない。

蘭忌妃らんきひか殴り、琉妃るきが木刀で斬り、敵が次々と沈んでいく。


「へぇ、結構下に人持ってるんだね。」


琉妃るきが軽やかに敵をいなしながら言った。


「燐冥冠の連中は、あの戦に参加してねえらしいからな。」


蘭忌妃らんきひが1人を殴り伏せた。


「そりゃ、人も余ってるわけだ。」

「なるほどね。戦力がそのまま残ってるってことね。」


戦いの中で、視線が一瞬だけ入り口へ向ける。

桐木きりきが、歯を食いしばっていた。


「何をしてるんだ……!」


拳を振るわせ、苛立ちを露わにする。

その目には明らかな焦りが滲んでいた。

ついに魔条琉妃が戦闘に参加しました。


次回 『伝説のファンタジックトリックスター』

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