第3話 闇レース会場と心の声
レース会場は、潰れた問屋街の倉庫が3つほどある、通称『闇レース』の会場だ。異様雰囲気をまとった、黒のスーツに紺のハイネック、無意味にでかい数珠をつけたやつ、入れ墨?タトゥー?、なんだか小刻みに身体を動かしている細身の高身長の奴など、翔也が苦手な服装をした集団が、企画者として群衆を取り仕切っていた。
「は?あいつがなんで!?ベスパ男だ……」
出場者の駐輪場に、あのベスパが停まっていた。ベスパ少年は黒スーツの連中と距離を置きながら、こちらを見ていた。
(歳は俺より上に見えるな、古着とかどこで買ってんだろ。。。 しかし、何故か、目が合った瞬間から、空気読まれてるような、いや、心が読まれてるような…)
翔也はストレッチの風を装い、能力「ライド」で、3センチの「壁」**を作った。マサオはサングラスを外し、一瞬驚き、すぐに冷徹な笑みに変わる。
その瞬間、ショウヤの頭蓋骨の内側に、自分の声ではない**「音」**が響いた。
――たった10万か?お前が本当に欲しいものは、そんなものじゃないだろ。「ライド」の使い道は、カスタムパーツを買うためだけか?
ショウヤは冷や汗が噴き出し、反射的に能力の壁を崩した。マサオは、再びサングラスをかけ、スーツの連中の方へ冷たい視線を向けた。
(心が読まれてる……本気で?、いや本当に欲しいのはRZ350だが、車検無理だし250の黒い金赤ラインの、、、イヤイヤ、俺のネタバレかよ。)ショウヤは全身の毛穴が開ききったような感覚に襲われた。
この大会には私有地な為、公道では無いので細かいルールは無いが、基本は原チャリ(カスタムオッケー)レース。
いよいよ予選か、テスト走行が始まる。
少年たちの底の見えない世界観が。




